映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、2020年の未体験ゾーンの映画たちで特別上映されたサイコスリラー。「ナンシー(Nancy)」です。
今回の作品は劇場一般公開はなく、未体験ゾーンの映画たちのフェスティバル上映された作品です。
内容は、愛情のない母親を介護しながら、人付き合いの苦手で猫だけが友達のナンシーは、嘘をつくことでしか自分を表現できない内気な女性。たった一人の肉親を失ったナンシーは、テレビで5歳で行方不明になり30年間捜し続けている夫婦の娘の30年後の似顔絵が自分に似ていることを知り近づきます。
スリラーと言ううよりは、心理的なドラマと言うか、ナンシーと娘夫婦とのやり取りだけでほぼ構成され、言葉少なで無表情に近いナンシーをアンドレア・ライズボローがうまく演じていたし、夫婦役を演じたスティーヴ・ブシェミとJ・スミス・キャメロン の彼女の嘘に気付きながらも、受け入れようとする感情を表情で出していてグッとくる演技でした。地味な作品であるけれど、三人の心の動きが少ないセリフの中で展開されているところが好評価なのかなと思います。
映画ポスターがどこか怖さを感じましたが、終わってみれば嘘つきなナンシーの再生ドラマで怖いのが苦手な僕にはほっとしました。