イギリスを代表する名優、ヘレン・ミレンとイアン・マッケラン共演のサスペンス「グッドライアー 偽りのゲーム」を鑑賞
今回の作品、イアン・マッケランがベテラン詐欺師ロイに扮し、ヘレン・ミレン扮する資産家の未亡人ベティから全財産を騙し取るまでの策謀が描かれていますが、ラストで事態は一変するという極上のサスペンスドラマが展開されます。
ネタバレがないと今回の作品は説明し難いところがありますが、数点にわたり手の込んだ手法について話したいと思います。
先ず、二人の出会いが年老いたカップルでありながら、出会い系サイトで知り合うというところ、そして、出会いの場でお互いに名前明かしたところが最初のウソの始まりです。また、イアン演じるマッケランは投資詐欺の手法で犯罪を起こすグループのリーダーで、伏線としてもうひとつの詐欺の手法が伏線となっています。
ミレン演じるベティには、孫が一人いてロイに疑いの目をもっていて、ベティの家の周囲にはもう一人謎の男が徘徊しています。そして、孫がいるドイツでの旅行がロイとベティの知られざる真実の鍵となっています。
そしてラストで一変する事態には、出会い系サイト、ドイツ旅行、投資詐欺の三つのキーワードが結び付いています。
一般には、ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフ役のイメージが強いイアン・マッケランですが、SFファンタジーからアメコミ、現代劇に舞台と変幻自在に役をこなす彼の老練ぶりとヘレン・ミレンのしたたかな女の強さがぶつかり合い、最後まで目の離せない展開と上質な大人のサスペンス劇です。
げに恐ろしきは女の怨念、果たして結末はいかに。