見出し画像

透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 処方箋

 人類の歴史は戦争歴史です。

 宗教民族の対立、国境争いや侵略行為 ・・・

 それらの多くは身勝手な理屈で固められた主義・主張と
侵略を正当化するための「錦の御旗」が掲げられ
「正義の聖戦」の名のもとに行なわれたものでした。

 そして、まことに愚かしいことは、対極的には、

 まったく意味を成さない「正義」とか「大義」とかいう
名分を振りかざして、罪のない人々(女性や子供や老人)
を巻き込みながら、かけがえのない命の奪い合いを現在も
なお続けていることなのです。

 人類の歴史は戦争歴史だと言いましたが
それはまた略奪と迫害の歴史でもあります。

 パトモス島に流された老齢の使徒ヨハネが耳にするのは
そんな悲惨なキリスト教徒の迫害の事実ばかりです。

 そんな中で「神」からの啓示を受けて綴ったとされる
『黙示録』ですが、そこには恣意的な創作とカバラ的な
呪(まじな)いや神秘術の数々が幾重にも入り込む余地
があったのです。

     

 先が見えなかったり、何事かに迷った時に、人は往々に
して、占いや呪(まじな)いに走ります。


     カバラ 生命の樹(セフィロト)とタロット占い
 
 セフィロトは、「生命の樹」とも呼ばれ、ユダヤ教の
密教とも言うべき神秘主義思想(カバラ)で使用される
図象のひとつで、カバラの奥儀とされるものです。

 生命の樹には、創造主である至高神が物質世界をつくる
過程が描かれていて、その教えが「神」から「天使」を
経て、「人間」(アダム)へと渡り、アダムがアブラハムと
なってモーセに渡り、さらに、その後にダビデ、ソロモンと
渡り、イエスからヨハネに引き継がれます。

 つまり、

 カバラとは、「神」から「人間」への「受け渡し・伝承」
という意味で、その根底には神秘的な知識や知恵は個人
が独自に見つけ出すものではなく、「神」から与えられる
ものであるとする思想なのです。

 セフィロトは、10個のセフィラと隠れたダアト(点線の丸)
とセフィラをつなぐ22個のパス(経路)で構成されています。



 その内訳は、3つの柱3つの世界で表現されます。

  3つの柱

 3(ビナー)、5(ゲブラー)、8(ホド)の左側のラインを
「峻厳の柱」と呼び、

 1(ケテル)、影のダアト、6(ティファレト)、9(イェソド)、
10(マルクト)の中央のラインが「均衡の柱」で、

 2(コクマー)、4(ケセド)、7(ネツァク)は「慈悲の柱」と
呼ばれています。

    


  3つの世界(三角形の組)

 1(ケテル)、2(コクマー)、3(ビナー)で構成する三角形
を至高の世界(ロゴスの三角形)と呼び、

 4(ケセド)、5(ゲブラー)、6(ティファレト)は中高の世界
(倫理的三角形)と呼ばれ、

 7(ネツァク)、8(ホド)、9(イェソド) を下層世界(星幽的
または魔術的三角形)と呼んでいるようですが、

 ここではカバラやセフィロト(生命の樹)の解説が本旨では
ないので概略だけにとどめます。

 さて

 原始キリスト教団(ユダヤ教ナザレ派)に属したヨハネが
ユダヤ教の奥儀であるカバラと陰陽五行説をアレンジした
秘儀を『黙示録』のなかに展開させたのが数字と色の
順番による神秘術であり、それを言葉に出して朗読する
ことで、呪文の如き霊力を発揮させようとの思いがヨハネの
目論見であったわけなのですが、

   

 その意図をダ・ヴィンチは見抜きます。
 
 ところで、

 「言霊」という言葉に宿る不思議な力をあらわす
言葉があります。

 その力は一般的には「霊力」と呼ばれています。

 言葉には人間の行動を左右させる力があり、使徒ヨハネ
はそれを呼び覚まそうとしたわけです。

 そこで、



 ダ・ヴィンチは『モナ・リザ』の背景にその「霊力」
を転写したうえで、それを封じるべく背景の配置を転換すること
で「霊力」を中和させるという秘策(返し技)を講じたのです。




 smile ダ・ヴィンチの「返し技」については、

 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 裏の裏』を参照。
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/439.html

 smile 使徒ヨハネの「神秘術」については、
 
 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 神秘術』 および
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/437.html

 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 堪忍袋』 などを
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/438.html

 参照してください。

 ところで、

 (神による)ヨハネの計画を阻止し頓挫させようとするかの
ようなダ・ヴィンチの行為の裏には何があったのでしょうか

 何故にダ・ヴィンチはの敵であるサタンに利するような絵
(モナ・リザ)を描いたのでしょうか

    

 smile その理由(わけ)の一部については、

 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 守護神』のなかで
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/436.html
 
 勝手な個人的想像として、虫の居所や堪忍袋の所為にして
しまっていますが …

 より正確に言えば、

 そこには真のサタンを見つけ出し、その尻尾の先を掴んだ
からに他なりません。

 ダ・ヴィンチが絵画以外にも武器の発明をしていたことは
つとに知られることですが、

 彼が30歳の時にミラノに旅立ち、ロドヴィコ・スフォルツァ
(ロドヴィコ・イル・モーロ)に仕えた際は、主にリラの演奏家
(音楽家)としての招きであったわけです。

 しかし実際には、都市計画や軍事顧問(技術者)として多彩な
才能を発揮することになります。

 さらに、

 50歳の時にはイタリア統一を目指すチェーザレ・ボルジアに、 
建築家兼技術総監督として招聘され、多くの兵器を考案します。
兵器を考案します。

 戦争という殺し合い(戦場での殺戮)が、いかに非常で無惨
で怖ろしく、かつ愚かしい行為であるかは、


    ルーベンス 『アンギアーリの戦い』の模写

 『アンギアーリの戦い』を見ればわかるのですが、

 当のダ・ヴィンチは戦争を否定はしていません。

 むしろ、

 肯定さえしているかのような凄まじい兵士たちの形相には
たじろぎを禁じ得ないばかりか、その恐怖に塗(まみ)れた
迫力に圧倒されてしまいそうなくらいです。

 実は、このルネサンス時代に、

 文化・芸術・政治・経済の各シーンで、ヨーロッパを領導して
いたと自負していたイタリアでしたが、アルプスを越えて進軍し
て来たフランスの王シャルル8世の大軍に度肝を抜かれるほどの
ショックを受けることになります。

 ヨーロッパは絶対王政の時代に入っていたのです。

 傭兵ではなく絶対的忠誠を誓う家臣団に囲まれて、多く
の常備軍を養える統一国王の存在がヨーロッパの歴史を
大きく変えようとしていたわけです。

 すでに自分たちの国家が凋落の中にあることに危機感を
覚えた『君主論』の著者 ニッコロ・マキャべリ
チェーザレ・ボルジア配下のダ・ヴィンチに制作の依頼を
したのが、壁画 『アンギアーリの戦い』でした。

 小国(都市国家)に分裂したままで互いに覇を争っていた
イタリアの統一を目指す逸材としてのチェーザレ・ボルジア
に心酔していたマキャべりが、イタリア国民を鼓舞するため
に選んだ壁画の題材が『アンギアーリの戦い』
だったということで、

 そこにプロパガンダとしての役割が課されている
ことを百も承知のうえで、ダ・ヴィンチも依頼を引き受ける
ことにしたわけなのですが ・・・

 その話はまた別の機会にいたしましょう。

 ただ、このままではダ・ヴィンチが戦争好きの兵器マニア
で権力志向だと誤解される恐れがありますが、時代がそれ
(平穏)を許さなかったということでご理解ください。

 彼はリアリスト(現実主義)で合理主義者ですが
平和を愛する気持ちにおいては人後に落ちないはずです。

 残念にも悔やまれるのはダ・ヴィンチが生きた時代には
、そのための処方箋特効薬もなかったことです。

 その意味からは現代人の方が人間として堕落している
のかもしれません。

 なぜなら、そのための処方箋特効薬もないわけ
ではないのですから

 彼はなるモノ(サムシング・グレート)の存在
認めないわけではありませんが、アンチ・クライスト
プラトニズムに傾倒していました。

 但し、それはローマ・カトリック教会
代表される「キリスト教」(マリア教)に対して



 アンチであっただけで、イエス・キリスト
に対してアンチだったという意味ではありません。

 もちろん、

 イエスに全幅の信頼をおいて帰依していたわけでも、
全面的に肯定していたわけでもありませんでしたが …


 それでは、

 『黙示録』隠匿されたヨハネの「神秘術」
『モナ・リザ』の画面上で中和させる具体的な手法
について考察してみましょう。



 ドラゴン・レーダーによって導き出された秘密
ひとつは、『黙示録』の物語とヨハネの「神秘術」
とを『モナ・リザ』のなかで中和させたうえで封印
をすることでしたが、

     

 これが中和する前の転写した状態(背景)です。

 右の上から、

 ライオンに似た生き物(白) 雄牛のような生き物(赤)
人間に似た生き物(黒) 空を飛ぶ鷲に似た生き物(青)
隠し絵として転写されていますが、



 ライオンとバッファロー(雄牛)の位置が逆転しています。

     

 この配置(白・赤・黒・青)が陰陽五行説での相剋とは
逆の流れにして、さらに反時計回りの(負)の回転
なって、エネルギーを吸い取り、白い馬の騎士である王冠
を戴いたイエスの勝利を祈祷する構図となるのです。



 次にセフィロトですが、

 ヨハネの神秘術はカバラの奥儀で本来のセフィロトの
配列とは若干の違いがあります。

     

 均衡の柱(中央ライン)は同じですが峻厳の柱
慈悲の柱が左右で入れ替わります。

     

 ちょっとややこしくなるので、ここでは左右で反転(逆転)
することだけを押さえて置いてください。

 解説は本来のセフィラ配列で行ないますので、ヨハネは
逆の流れや関係を意図していたものとしてご理解ください。

    

 『黙示録』では 1(ケテル)王冠は 7(ネツァク)勝利
を預言していますので、この7 の翠(みどり)が「白の金星」
になります。



 同様に、

 3(ビナー)黒/土星は、五行説では水(黒)/黄(土用)に
対応しますので、 8(ホド)水星でもあり、6 (ティファレト)
太陽にもなり得るわけです。

   

 つまり、セフィロトの

 中高世界(倫理域)で構成される配列 45678
のうち、38に、63の位置に変換されるパターンと
ダアト をパス(経由)して至高世界(ロゴス)
の領域に至る配列 34567の2つのパターンAとBが
出来上がります。
    
    パターンA      パターンB
   【配列 45678】    【配列 34567

     6 黄            36
                          
     54 青        5 赤    4 青  
                           
     87 白               7

   

 ちなみに、配置転換前のセフィロトでは、45678
逆Z型で、34567はZ型です。

 反転させてもその流れ(型)は変わりませんが、変換後
はZ型とO型になります。

 
       

            6 黄   
                    
            54 青 
                    
            871
            【パターンA】

 【パターンA】は陰陽五行の「相生」の流れ(関係)を
回復させ、【パターンB】は「相剋」を復活させます。
        
        

             36
                    
             5 赤    4
                    
                     7
             【パターンB】

 これにより、隠されていた「ダアト」を経由するパスが
解放されて「相生」循環経路134561
開通します。

    

 このルートは逆Z型(陰)とZ型(陽)の融合したサイクルで
セフィロトと陰陽五行が完全にリンクすることになります。

 つまり、

 この逆のパワーを祈念したヨハネの神秘術中和
させる絵画がルーブル美術館の『モナ・リザ』です。


   中和させた背景構図     『黙示録』を転写した構図

 そしてそれを封印したという意思表示交差した
左右なのですpeace



 ヨハネの「神秘術」言霊霊力であるならば、
ダ・ヴィンチの「返し技」は潜在意識下の集合的無意識
想念です。

 従って、多くの人々の関心が『モナ・リザ』に集まって
いるあいだには終末は訪れないものと思われますが、

 もしも破滅が起こるのだとしたら、調剤すべき材料も
「処方箋」用意されているのに手をこまねいている
だけの怠惰姿勢にこそ最大の問題(原因)がある
のであって、対処療法さえも軽んじて疎(おろそ)かに
している現状に嘆息するダ・ヴィンチの憂鬱が見える
ようで恐ろしくさえあります    

 
 果たして、

 人智超越した存在としてのいわゆる「神」
ダ・ヴィンチが想定していたかどうかは不明ですが、

 すべての存在包括する「偉大なる何か」
 
 すなわち、

 見ることのできない「サムシング・グレート」
最終的には統括されてひとつになると考えていたようです。

 結果として、彼は、

 この世に存在するものすべてを肯定するスタンスで
「善も悪」「正も邪」否定はしないわけです。


 一人っ子政策を完全撤廃することにした中国ですが、
人為(ひずみ)を生む典型例でしたね。


 結局、無為無策問題だけど、無為自然

 「あるがまま」無難なのかも ・・・


 「愚か者どもは特効薬を持ちながら」

     

  「その処方箋を無視するのじゃ」

    それって、確信犯的な無為無策なの

    それとも、無為自然なのですか

 … to be continue !!

コメント一覧

裸電球
「特効薬を持ちながら、その処方箋を無視する」

いろんなことに当てはまりますが、被害者が一般の民衆である点だけは一致します。

すべてを肯定するスタンスというよりは、否定をしないで、受容しているということでしょうか?
羽衣姫
なんとなくはわかるのだけど、行ズレしていてパターンや
文面が読みづらいのが残念!
やぶにらみ
なるほど、小吉さんの言うようにモナリザの顔が「ドヤ顔」に
見えてくるのが不思議なだけに面白い。
小吉
 深く複雑で難しいですね(´-ω-`)
 ダ・ヴィンチはカトリック教会に対して、従順な姿勢をとりつつも
「あんたたちの魂胆は分かってるんだから」
「バレないように、でも確実に封印しちゃったよ」
 ってことなんでしょうか?
 モナリザの微笑みは「ドヤ」ってるってことなんでしょうか?
 面白いですねー✩ 
フォーチュンクッキー
陰陽五行説とセフィロトがリンクするなんて似合わないけど
驚きです。
リンクよりシンクロしている感じかも ・・・
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事