されたとして、大飯原子力発電所の再稼動が決まりました。
この決定で、透明人間2号 の 「終末時計」
は、先の 『終末時計と終息時計』 の記事より
も、およそ2秒早まり、ただいま0分57秒前を示しています。
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/257.html(参照)
核分裂を利用するかぎりにおいて、既存の原子力発電の
最も厄介な問題は深刻にして消し難い使用済みの核燃料
(高レベルの放射性廃棄物)の残留と被曝のリスクです。
使用済核燃料を再処理すると高レベルの放射性廃棄物が
生まれます。
この高レベルの放射性廃棄物は、強い放射線を出し発熱
もするので、ガラスと混ぜてガラス固体化します。
それをステンレス製の容器(キャニスター)に入れ、最終的
な処分までの数十年間は青森県にある六ヶ所村の高レベル
放射性廃棄物貯蔵管理施設内で貯蔵保管されるのですが、
最終的な処理方法としては、地下深く(1km近い深さの地層)
に埋めて処分をする計画なのだそうです。
ところで、
こうした、「臭い物に蓋」 方式での処分の方法しか
現時点では、その対処法が見当たらずにいるわけで、日本
のみならず多くの原発保有国では、その埋めるべき予定地
を確保する目途すら立っていないというのが現実なのです。
しかも、
この放射性廃棄物の放射能レベルが原料である自然界の
ウランと同程度にまで下がるのに数百万年もかかるのです。
電力を主に原子力発電に依存するということは、これから
稼動する既存の原子炉に対する安全性の問題だけではなく
廃炉後も数百万年に渡って高レベルでの放射能力を有する
廃棄物の処理方法の問題とそのリスクも併せて背負い込む
覚悟が必要だということです。
そこには未来に生きる我々の子孫に対して被曝の恐怖が
常に付きまとう負の遺産としてのツケを延々として残すという
もうひとつの覚悟も必要になるわけです。
もちろん、そんな権利が我々にあろう筈はありません。
たとえば、我らが静岡県にある浜岡原発は、現在のところ
停止(休炉)中の状態にありますが、3号炉1基を1年間稼動
させるだけで広島に落とされた原子爆弾(死の灰)の1000倍
以上に相当する1㌧を超える放射性廃棄物が生まれるのだ
そうです。
ましてや全国に散らばる原発が、あの忌わしいままに記憶
される3・11東日本大震災までに産出し続け保管されている
放射性廃棄物の量は広島級原爆の110万発分を優に超えて
いるのです。
東京電力が、どう言い逃れしようと福島第一原発の事故は
人災ですし、政府がどう繕ってみたところで事故後の不手際
(放射性物質の拡散予測システム 「SPEEDI」 の未活用や
新たに発覚した米軍機による上空からのモニタリングで作成
された放射線実測地図の隠蔽など)は明らかな人災です。
天災は頻繁に起こることは稀ですが、人災は人為(我欲の
介在)があるだけに限りがありません。
ところが皮肉にも人災である以上は事故の防止は技術的
には可能であるとされ、不手際も改善されるとの想定のもと
に許容されてしまうのです。
そして、何よりも優先されるべき経済的な意味合いからも
「国民の生活を守る」という方便で「お金」の
問題へとすりかえられた「安全性」の問題は、そうして
見事に粉飾されて帰結し解決(原発再稼動)となるのです。
稀にしか起こらない天災と言えども短期間に連続すること
はままあります。
災害時の拠点となる免震棟の未整備など、幾つもの安全
対策が未完了のままに大飯原発は再稼動されるのです。
これを称して将来に 「人災」 と呼ばれないことを切に
祈るばかりです。
東電の電気料金の値上げも、関電などの計画停電も …
政府や電力会社が喧伝する電力不足と計画停電の恐怖
は、経済をさらに下落・停滞させて雇用は目を覆うばかりの
惨状となることを国民に想像させ誘導をするかようのです。
これでは官民共謀による恐喝や恫喝のように聞こえます。
ポピュリズムの権化のような管さんや正体不明の宇宙鳥
のような鳩山さんに比較して、大衆に迎合せずに一本筋が
通った感のある野田首相には 2号 なりに期待していたし
頑張って欲しいのですが、これは頂けません。
「国民の生活を守る」 と称して 「臭い物に蓋」
をしてみても、本当の意味での解決にはならないのです。
果たして、それも正規の旗印なのかどうか、それとも詭弁
や方便の類なのかは正直わかりません。
ただ、間違いなく言えるのは、既存の原発の稼動は決して
安全ではないということです。
なぜなら、完成されたテクノロジー(処理技術も処分方法)
を持たないままの不明瞭で未成熟な状態で危険極まりない
高レベルの放射性廃棄物を、それこそ母なる地球の体内に
加速度的に増加させるだけなのですから 。
… とは言ったものの ジレンマ だらけなのです
仮に、日本を含めた十数カ国の有志国が 「脱原発」
を推進したところで地球規模的にはまったく意味を為さない
行為でもあるからです。
お隣の中国や韓国も原発推進国ですし、東南アジア諸国
や中東の国々、東欧諸国などは、こぞって原発を電力確保
の中心的な柱として位置づけています。
停電が多いアフリカ諸国など発展途上の国々も、24時間
常に安定した電力を供給してくれる原発は魅力的でしょう。
いずれは原発を推進する方向に舵をきる筈です。
「効率」 と「効果」に加えて自国だけではないという
免罪符が、「危険」 か 「安全」 か、という選択肢から
目をそらせるのです。
ちなみに、脱原発あるいは見直しを表明している国は、
ドイツ イタリア スイス オーストリア などのヨーロッパ勢と
中東では、イスラエル。 東南アジアでは、タイやフィリピン
南米では、メキシコ ボリビア ベネズエラ です。
それに対して、原発の推進あるいは維持継続するのは、
アメリカ フランス イギリス ロシア アルゼンチン チェコ
フィンランド スロバキア スロベニア ハンガリー ルーマニア
ブルガリア クロアチア トルコ イラン サウジアラビア インド
インドネシア ベトナム 中国 韓国 といった国々ですが …
ユーロ圏に属するベルギー スペイン ギリシャ ポルトガル
さらには ポーランド デンマーク スウェーデン ノルウエーや
オーストラリア カナダ ブラジル コロンビア チリ ペルー等々
は、いったいどちらなのでしょう。
昨年の7月9日に放送された 『NHKスペシャル』
で表示されたデータですので、現在ではかなり変わっている
のかもしれません。
確かブラジルには原発の計画が持ち上がっていましたが、
それはどうなったのでしょうか
結局のところ、
「赤信号みんなで渡れば怖くない」 という
ことになるのでしょうか
それは、
赤信号が点灯する横断歩道にかぎらずとも、道路を横切る
少数の人間に対してなら、車は止まらないかもしれないけど
大勢の集団なら止まらざるをえないだろうから怖くないという
シチュエーションでしょう。
おそらくは、
「赤信号止まっているのは自分だけ」
そうなるのは馬鹿らしいという損得勘定も、追随に拍車を
かける一因なのでしょうね。
このように原発推進が世界の趨勢にあるとしても、放射能
の汚染地域と高レベル放射性廃棄物は、今、この瞬間にも
拡大と蓄積を繰り返しているのです。
要は、赤信号であれ信号のない道路であれ、車が走って
いれば危険なのです。
昨年6月9日、スペインのバルセロナ(カタルーニャ国際賞
の授賞式)で村上春樹は、「過ちは繰り返しませぬから」
という広島平和記念公園の慰霊碑に刻まれた言葉を引用
して 「我々は被害者であると同時に加害者でもある」 と
フクシマとヒロシマを同一の地平に置いてスピーチしました。
チェルノブイリ原発事故しても福島第一原発の事故にして
も、事故後の観測から放射能が地球全体をいかにして汚染
したのかという事実がわかります。
放射能による健康被害には、これぞ正しい と言う
確実なデータがありません。
規制値より上であれ下であれ、不明な点が多い以上は
「安全な被曝量など存在しない」 と考える
べきなのです。
昨今では、世界中で飲酒や薬物、脱法ハーブ、その他の
病的な要因等から、ノンストップ・クラッシュ する
大事故が後を絶ちません。
ただ普通に道を歩いているだけで 事故 に巻き込まれて
しまうというのに …
危険極まりない 赤信号 でも …
「みんなで渡れば怖くない」 のか
ただ、「臭い物に蓋」 をするだけでいいのか
本当は、きっと、誰も彼も、皆んな …
答えはわかっているのです。
わかっていても、なお、実行できないのが人間なのです。
そうしてみると … 地球 にしろ、人間 にしろ、
この世の中にあるものは、すべて …
時空 に漂う泡沫(うたかた)の如くに
なんとも 危い 存在 なのですネ
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