置かずして目に見えない別のオオカミの群れが暴れ始めた
という、ある村でのお話です。
そのオオカミの群れは、目に見えないというだけではなく
あまりにも凶暴で、その危険度は最悪の「レベル7」で
あるとされたのでした。
どうにもこうにも近づくことが出来ずにいた村人たちでした
が、漸(ようや)くのことにオオカミ除けの防護服に
身を包み、警戒区域とされている我が家へと2カ月ぶり戻る
ことができたのです。
でもそれは、たったの2時間だけ …
やっとの思いは あっ という間のことでした。
しかも、そこには、村人に署名するよう政府が求めていた
1枚の同意書の存在があったのです。
<警戒区域が危険であることを十分認識し、
自己の責任において立ち入ります>
これって、どういうことなの …
もし ボク が、その村の村人ならば、同意書を要求する
政府の無神経さに呆れてしまいますし、到底 納得 のいく
ものでもありません。
ところで、
3月11日午後2時46分に発生した大地震に続く大きな津波
の襲来によって、福島第一原発(1号機~4号機)は非常用
を含むすべての電力を失い、非常用炉心冷却装置が機能
しなくなったことからこの物語は始まります。
津波の到来が、地震発生の45分後の午後3時30分頃 …
その時点で、原子力災害対策特別措置法の15条にあたる
「原子力緊急事態の発生を示す事象」が発生したのです。
ところが、情報は混乱、錯綜していて政府が同法に基づく
緊急事態を宣言したのは同日午後7時3分だとしていますが
、経済産業省に属する原子力安全・保安院は同7時30分に
「宣言はしていない」 と否定し、認めたのは、枝野官房長官
が国民向けに宣言を発表したあとの午後8時を過ぎてから
のことでした。
すでに当初からこの大災害には 《人災》 という 芽 が
芽吹いていたのです。
いや、もっと、それ以前から嘘っぱちでマヤカシの真っ赤に
塗り固めらた《安全神話》が創作・創造されていたわけ
ですから、目には見えない オオカミの牙 が、ひそかに
研(と)がれていたといった方が正しいのかもしれませんが…
兎にも角にも、昨日から福島第一原発事故で設けられた
警戒区域への一時帰宅が始まりました。
そして、ボク の暮らす静岡県(沼津市)の南西にあたる
御前崎にある 浜岡原発 の停止も決まりました。
今後のエネルギー政策と原発の安全性に関する議論は、
これから先、より活発化していくでしょうが、福島原発の事故
の発端(キッカケ)はどうあれ、掛け違えたボタンを元通りに
掛け直すことはもう不可能でしょう。
原発パニックによる停止ドミノで日本はさらなる非常事態を
迎えることになるのかもしれません。
それよりもなによりも、ボク が不思議でならないのは
、こんなに非常事態が連続して起こっているのに、なにゆえ、
政府は 「非常事態宣言」 を出さないのでしょうか

そのくせ大震災の当初から、国民に向けていかに自分を
アピールするかに腐心しパフォーマンスだけを
優先させているようにしか見えない首相がいるというのに…
そうして、なにひとつ信用されないままに、ただ嘘をつく
だけの総理のように揶揄されているというのに … です。
所謂(いわゆる)、イソップ物語の 『オオカミ少年』
に登場する嘘をつく少年にはなりたくないのでしょうか
もし、そうだとしたら、菅総理は 誤解 しています。
少年は 嘘 など吐いてはいませんでした。
現実に オオカミは襲って来た のですから …
『オオカミ少年』 の 謎 を 推理 するわけだけど
おそらく、『オオカミ少年』 の話に後日談や番外篇
があったならば、村の危機とも言えるオオカミの群れの襲来
に身を挺して走りまわりながら 「オオカミが来た」 と
叫び、知らせ続けたという勇気ある行動に対して、感謝状と
名誉村民の 称号 が贈られていたのかもしれません。
今日で、
東日本大震災 の発生から2カ月を迎えますが、
昨日(5/10〉現在で、震災による犠牲者の数は1万4949人
うち2269人は身元不明の遺体で、行方不明者は9880人
に上るそうです。
まだ1万人以上の人々が家族の元に帰れずに身元不明や
行方不明のままなのですね。
2カ月も経過したのに、まだ、このアリサマです

菅首相 には 是非 にも、


さまざまな法的な縛りをはずし、一日も早い復旧・復興への
道筋をつけて欲しいものです。
その為には、でっち上げられたかたちでの
オオカミ少年 でも
いいじゃないですか