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透明人間たちのひとりごと

偶然は必然のなせる業

 
 “ヒトラーの予言”と称する怪しげな言説類などを
まとめあげた五島勉 著の『1999年以後』で紹介され
ていた三島由紀夫へのインタビューのなかで、五島勉氏が
同氏より授けられたというオカルトまがいの妖しい内容も、

 それが、「ヒトラーについて」 のことだけならば、
同氏(三島由紀夫)に 『わが友ヒットラー』 という
作品があるわけですから、そんなこともあるのかも …

 と、思えないこともないのですが … nose8

 スピリチュアルでオカルトチックなトンデモ系のSFもどき
のネタを話題にするとなると、あの三島由紀夫がねぇ~と、
思わず首を傾げてしまうのです

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/381.html(参照)

 ところが、実際は、

 そうとばかりも言えないようで


 「“偶然”という言葉は人間が自分の無知を糊塗しよう
として、もっともらしく見せかけるために作った言葉だよ。

 “偶然”とは、人間どもの理解をこえた高い“必然”
が、ふだんは厚いマントに身を隠しているのに、ちらとその
素肌の一部をのぞかせてしまった現象なのだ・・・」

 「宗教家が“神秘”と呼び、科学者が“偶然”と呼ぶ
もの、そこにこそ真の“必然”が隠されているのだが、

 天はこれを人間どもに、いかにも取るに足らぬもののよう
に見せかけるために、悪戯っぽい、不まじめな『方法』
ちらつかせるにすぎない」

 そう話すのは、金星人の霊魂が地球に住む一家に、
憑依(それこそ偶然ではなく必然として宿ったのだろうけど)
したという設定の三島由紀夫による小説 『美しい星』
のなかで宇宙人家族の父が息子に語りかけるセリフです。

 およそ三島らしからぬ「SF」にして、しかも金星人やら
火星人やら霊魂にUFO(空飛ぶ円盤) … お決まりの登場
人物に舞台装置となると、どうみてもB級のオカルト作品か
と思いきや、日常のなかの非現実という奇妙な時間と空間
を切り取った純文学作品らしいのです。

 “らしい”というのは、書評的な解説文によるもので、
ボク自身はこの作品を読んではいないからですが、

 それにしても、作家という人種はどうして揃いもそろって
こうも持ってまわったような言い回しを好むのでしょうか

 しかも

 三島は、このセリフで見事に「偶然と必然」とを
峻別し、さらに合一させるというはなれ業(言い当てること)
をして見せたわけで …

 これが天才というものであり、ひとえに文章を書くのは
才能なんだと、あらためて納得させられた次第ですが、

 この場合でいう悪戯っぽい、不まじめな『方法』 とは、
いわゆる“奇蹟”を指して言っているのでしょうか

 少なくとも、

 理解を超えた“必然”は、人間の目には“偶然”
しか見えないということでしょうか

 それとも、「偶然など存在しない」

 神がかったありえない現象のすべてが“偶然”ではなく
“必然”なのだと …

 ならば、なおさらに

 この世界に存在するものすべては“偶然”の産物など
ではなく、それぞれ目的をもって生み出されてきたはずで、

 ボクの存在自体も“必然”ということになります。

 もちろん、1号さんも2号さんも、読者のみなさんも …


 と言うことは、 

 天地創造を目的に、神の一撃(ビッグバン)とやらで
宇宙が始まったのならば、天開地闢 right 開闢(かいびゃく)
以来の出来事の必然性を否定することはできませんが、

 自然科学の世界では必然はなく、すべては偶然
支配するというまったく逆の結論になっているようです。

 要するにハイゼンベルクの『不確定性原理』です
が、量子論(ミクロの世界=原子レベル)では物体(電子)
の「位置と運動量を同時に測定することはできない」という
ことのようです。

 原子モデルは高校の物理の時間に習ったように、原子核
の周囲を電子がぐるぐると回っている様子が描かれた絵で
説明されますが、この時の電子の動きを観察するとします。

 電子は原子核の周りを回っているので、ある瞬間の電子
の「位置」と「運動量」は、運動量(p)=質量(m)×速度(v)
から求められるはずですが、不確定性原理によれば、

 電子の位置を測定するとその影響で電子の状態が乱され
て運動量が正確に測定できず、運動量を測定すれば、その
逆もまた真なりで位置が正確に測定できないのだそうです。

 ただ皆目もわからずに見当もつかないということではなく、
その値が現実となる確率ならば分かるようで、電子がある
位置にいる確率は何%、この位置なら何%という具合に …

 電子はここにいるだろうが、その確率は90%だから絶対
とは言えないということで、ミクロの世界では「必然」
なく、「確率 right 偶然」に支配されることになります。

 実体がそこにあるのに、「位置」と「運動量」を同時に測定
できないなんて、お化けや幽霊でもあるまいに … とも思う
のですが、これが通用するのは あくまでも原子レベルでの
話であって、ボクたちが普通に観察できる世界での常識
ではありません

 要は

 電子は原子核の周りにまんべんなく、もわーっとした雲の
ように存在しているらしいのです。

 だからこそ、

 別の意味で「シュレーディンガーの猫」という
量子力学の問題点を突く思考実験(パラドックスの発生)
が提唱されたわけですが …

 「何だか、意味がよくわからん」ですってase2

 正直、書いているボクも訳がわからなくなってきたので
馬脚をあらわす前にまとめたいのですが … ase2


 つまり、そのぉ~

 量子論では、この世の出来事は人間はおろかですら
予測できないという結論であり、この「偶然の支配」
は生物学では『種の起源』 right チャールズ・ダーウィン
「進化論」につながるわけです

 言わば、

 「人間は偶然の産物であって、
 あらかじめ設計されたものではない」


 とする一方で、アインシュタイン博士のように

 「神はサイコロを振らない」として幾何学の
ような美しい理論(方程式)を好み、宇宙の設計者にして、
創造主たるインテリジェント・デザイナーに対し、畏敬の念
を抱いていたと言われています。

 果たして、

 「この世界は偶然の産物か、
     それとも必然の結果なのか」


 つまり、進化なのか、創造なのか

 ああ、ますます深みにはまって溺れそうですase2

 一般的には、宗教関係者は「必然」を、科学者たちは
「偶然」を主張することが多く、科学者たちが「必然」
を敬遠するのは、「必然」の根源となる宇宙の創造主
(設計者)の存在を証明する必要に迫られるからです。

 もし、世界が「偶然の産物」ならば、面倒な証明を
省いて、すべて確立で説明づければ済むのですから …

 しかし、

 ボクには「偶然」「必然」も眼中にありません。

 あるのは、オチ をどうするか、だけなのですase2

 エントリーのアイデアに詰まって、またしても2号さんの
『ヒトラーの予言と福音書』の中からヒント
いただきました

 つまるところ、

 これも「偶然」ではなく、「必然」だったので、
泥棒と呼ばれてもボク所為ではありません

 「偶然は必然のなせる業」ということで

 2号さん、どうかあしからず !!

コメント一覧

オミクロン
この世界が何者かによって作られたのなら、その時点でもう偶然はないわな。

すべては必然で、片付けられるわけだ!
出たとこ勝負
そうじゃなくて、この世界が虚構だってことだろ!

賢者シレノスの言葉にしても、存在しないことが一番で、虚構に存在してもすぐに消える(死ぬ)ことが次善だとしてるわけで、それがせめてもの救いだということだろうと思うよ!
春雨サラダ
返信ありがとうございます。

つまり、それは、人間社会と言うか、世界の根源は永遠の苦悩の中にあるから、早くおさらばしようってことですね!

やはり、ニヒリズムですね。

最新記事がアップされていたら読んでみます。
透明人間2号
それは賢者シレノスの言葉ですね。

ミダス王がディオニュソス神の従者であるシレノスに「人間にとって最上で最善のことは何か?」と訊ねた時のシレノスの返答です。

「最も善いことは、今さらどうにもならぬことだが、生まれなかったこと、存在しないこと、無であることだ。しかし、次に善いことはすぐに死ぬことだ」

春雨サラダさんには分からないでしょうが、何とも言えない妙な気分なのです。

これからアップする予定でいるダ・ヴィンチの罠のシリーズの最新記事を読んでもらえれば解るとは思いますが ・・・
春雨サラダ
人間にとって一番幸せなことは「生まれて来ない」ことで、生まれてしまった以上は「早く死ぬ」ことだと、どこかの賢者が言ってました。

偶然に生まれて、必然的に死ぬだけのことだと思うのですが・・・
バカボンのパパのパパ
偶然であれ必然であれ、無断で借用したらシュレーディンガーの泥棒猫なのだ。
…と、言ってるわし自身が意味不明なのだ!
やぶにらみ
偶然も必然も眼中にない。
あるには、産みの苦しみと同様のオチの苦しみでっか、
よう分かりまっせ!
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