ここには確かにあの街があったんだ。むかしむかしの話だ。

たどり着く場所なんて考えてはいなかった。歩いてきた。ゆっくりとだ。はじまりの場所は,はっきりと覚えている。

高円寺

2020年09月13日 23時49分12秒 | ゆっくりと妄想を積み,不確かな記憶を編み込んでいくと幻の街ができあがる。


僕のなじみの高円寺は国鉄だ。JRなんて呼び名は,ずっとあとになってからのことで,大森も大井町も高田馬場も中野も高円寺も全部「国鉄」の駅だった。
早稲田も行徳も浦安も営団地下鉄東西線の駅だった。東京メトロなんてしゃれた名前ではなかった。
高円寺は2つの顔をもっていた。僕には・・・という意味だけれど。高円寺の北と南では舞台設定が違うのだ。一つ目の顔は,中野駅から歩いて行く細道につけられている顔だ。その細道がどこにあったのかさえもう分からない。高円寺から環七へ向かって歩道橋を渡った。何度もだ。このふたつの経路は環七を渡って出会う。むかし話だ。この歩道橋にも小さな物語が残っている。


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