
お母さん、貴女は九十三歳でお盆に旅立ってから
もうすぐ一年になりますね。
いまどんな景色を見ていますか。
童話のかぐや姫の様に旅立つと同時に貴女に
二人の娘が居た事もお忘れですか。
今思うと貴女が良かれと思う指図に従って暮らしてきた様に思います。
朝夕、娘達家族に災いがございません様にと
真剣に祈っていた貴女を知っていましたから・・・・・
一人暮らしを続けていた貴女は何時もお友達の中心にいましたね。
勝気だと云われ、びっくりしている貴女が可笑しかったです。
妹娘家族の懸命な介護に、どんなにか感謝し
サポートしてくださった方々に手を合わせ、何の迷いもなく
旅立ったであろう貴女の姿が目に見えるようですよ。
今までダイエットに全く効果がなかった私ですが自然に
体重が希望値になりました。
貴女はベッドで旅立つ前に「仰げば尊し」をとぎれとぎれに
繰り返し繰り返しハミングしていましたね。
今もって切なくて頭から離れません・・・・・
寂しさは時間が解決してくれる事でしょう。
案外この手紙で気持ちに区切りがつくかもしれません。
この年で親離れが出来ていなかっただなんて、お笑いですね。
お母さん、溢れんばかりの愛情ありがとうございました。
感謝を込めて、お疲れ様でした。
老いを迎えた姉娘より