ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■大谷資料館~刻の結晶~大谷石の旅①

2007-07-09 22:47:31 | ■建築見学・展覧会
先週末大谷石の産地・栃木県”大谷”に行ってきました。

JR宇都宮駅からバスで30分。
市内から大谷に近づくと次第に大谷石造りの蔵を多く見かけるようになります。
到着したの資料館前というバス停。
バス停の前は「大谷景観公園」となっており、大谷石むき出しの奇岩が歓迎してくれました。



公園内の便所も無駄に大谷石張り(笑)
贅沢すぎる・・・



自然を生かした尊大なゲート。



景観公園から目的の大谷資料館へ向かいます。
とちゅうこんな可愛らしいお地蔵さんを発見。
もちろんコレも大谷石。
大谷石のやわらかい素材感からとてもあったかみを感じる。



ほんと、どこもかしこも大谷石(笑)
なんでもない擁壁も大谷石で出来ているといい味が出ている。



資料館前の切り出し途中の岩。
なんか、こういう自然の造形って凄く好き。
デザインされたわけでもなく、石として使える部分を切り出していく間に出来た造形美。



大谷石はふの入ったミソと呼ばれる石としての価値のない部分と、上質な部分が交互に地層として現れるらしいので、その価値のある部分をうまく取り出し、不要な部分を残して掘り進めるらしい。

そう、資料館に近づくと気温がぐっと下がる。
地下深く掘られた採掘場から冷気がこみ上げて来るのです。



地下へ続く階段を下りていくと、さらにさらに寒くなってくる。
階段をおり、コーナーを曲がると途端に視界が開け、地下の大空間が現れる。
もう、その瞬間は圧巻。



地下は正に大空間!
東京ドーム1個分の大きさがあるのだという。
巨大柱に支えられた四角い部屋が連なっており、奥の暗がりが無限の広さを演出する。



天井を見上げると、確かにミソの含んだ黒ずんだ岩肌。
ほんと、よく使えない所を残しながら綺麗に彫ったなぁと感心。



洞窟内には、竪穴から差し込む光が綺麗な所、



オブジェの飾ってある不思議な空間。



コンサートに使う舞台。
など、さまざまな小割の部屋があってとても楽しい。



大谷石に刻まれた跡は様々な事を語ってくれる。
手彫りの跡も様々で、竪に掘り進んで出来た跡と、横穴を掘って出来た跡では別の形をしている。
機械彫りが進みチェンソーのような刃で傷つけた跡も時代による変遷があるようで



ある場所からは、等間隔で無駄のない切り方へと変わっている。
その、石に刻まれた模様を愉しむのも一つの鑑賞の仕方。
時間を感じさせる、刻のデザインだ。



自然に出来た横穴からは、緑が垣間見えとてもいい雰囲気だ。
地底にいると、なにかいろいろな雑念からとき離れた感じがするのだけど、”ぽっ”と現実に引き戻されるような、今の自分を思い出させてくれるような安堵感がある。



資料館の見学の後は、その脇にあるお土産物やさんの中の喫茶店で一息。
なんかレトロ~な雰囲気がまたグッド。

しかし、本当に面白かった。
タイムスリップしたかの様な不思議な体験。
とっても涼しいので夏休みの遠足にお勧めです!

■引き続き大谷石の旅②(松が峰教会・大谷観音)をご覧下さい。

---

■大谷の石の採掘場”大谷資料館”の公式HPはこちらから



そう、ここ大谷採掘場跡地に造られたプリエール教会では結婚式も行えるようで・・・
どなたかココで挙式を挙げて招待してくれないだろうか・・・
(挙式料は21万円らしい)


最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。