今日は以前竣工した現場の補修工事を行いました。
補修といっても、何かが壊れたり、不具合が発生したわけではありません。
しかし、工事中に確認できなかった点で不安な要素が発生し、監督さんに確認すると適切に施工したという話だったのですが。。。
どうしてもその不安が払拭できず、自費にて工事を依頼していたのです。
そして、便器や洗面化粧台を解体し壁の中を覗いてみると案の定適切な施工がされていなかったのです。
(実際はもう少し補強された状態でしたが、私の考える十分でなかった)
発端は壁から取り出す水栓の位置がズレて施工されていて、それを直そうとした時に疑義が発生したこと。
吹き抜けに面するとても重要な壁だった為、万一のことを考え工事に踏み切りました。
本来建築家の施工物件であれば現場で監理し、このような工事が行われないように注意すべきなのですが、私たちも毎日現場に通うことはできません。
そのため、確認できないうちに施工が進み、見えない箇所が出てしまうことがあります。
そういう箇所は写真に取っておいてもらい、後で確認出来る様に指示するのですが、今回はその写真も無く、後から確認する術が無かったのです。
今回は、私の不安が的中し、幸運?にも問題を見つけることが出来ましたが、世の建築の中にはこういった瑕疵が発見されぬまま放置されている場合があると思うのですよね。。。
---
さて、問題は首都圏直下地震の予想震度が7に上方修正されたということ。
建築基準法の定める構造の強度と震度を直結して考えることは困難なのですが。。。
法律の定める強度では震度6弱~6強の地震を受けた際は、崩壊はしないが破損することは認めているのです。
人命に影響が出ないという点でボーダーを定め、補修すれば住み続けられるということにしている基準が概ね震度6弱~6強だということです。
つまり、震度7という地震に対しての評価は基準法では定められていないのが実情なのです。
実際、震度7を記録した阪神淡路大震災では新耐震(一番新しい建築基準法の基準)で建てられた建物の被害は少なかったと記憶しているので、いたずらに不安をあおってはいけないと思うのですが、建築基準法で定めた基準の地震規模を超える地震が首都圏に起こりうる可能性が高まったという事は注視すべきですね。
※建築基準法では
稀に発生する地震<震度5弱(80~100gal程度)>に対して無損傷、
極めて稀に発生する地震<震度6弱(300~400gal程度)以上>では倒壊・崩壊の可能性
と定めています。
---
震災時には火災も発生します。
居住地域によっては木造家屋が密集し、地震に耐えたとしても火災によって損傷を受けてしまうかもしれません。
そういう状況の中で僕ら建築家はお施主さんにどのように説明して工法等を選択すべきなのか?
とても悩ましい時代になりました。
これから進行する物件の中でどのようにお施主さんを導くか?
しばらく勉強が必要そうです。
---
話が色々飛んで申し訳ないのですが。。。
お施主さんが悩むように僕らも悩むのです。
地震に耐えうる万全の対策をとったと思われていた原子力発電所が震災で相当な影響を受けました。
津波の被害を受けた福島原発は仕方ないとしても、津波の影響の無かった(と記憶している)女川原発等も停止しているわけです。
う=む。
もう少し悩ませて下さい。
→建築基準法と耐震強度との菅家を解りやすく解説しているサイトです。
※この記事の時は首都圏直下が6強として想定されています。
また、免震設備を売る会社の資料の為、不安になる資料がいっぱいです(笑)
→E-Defense 加震実験映像一覧で実物大実験の様子が見れます(独立行政法人防災科学技術研究所)基準法レベルで設計された木造、鉄骨造、RC造の実物大実験にて震度6強で崩壊する様子のビデオもあります。
ちなみに、首都圏直下地震で震度7が全ての地域で起きるというわけではありません。
私の事務所のある荒川区など、地盤の弱い意地域では揺れも大きくなり確率が高くなりますが、23区外などは地盤が固く発生確率は低くなります。
この場で、私の方から指針を示したり考えを書くことができません。
建築基準法という法律に乗っかって法律通りなので安全ですよということは簡単ですが・・・
そういうことがなんだかできなくなってきました。
そして、現場では理想の施工が行われないことがあるということ。。。
なかなか答えが導き出せません!
ブログで記事を書きながら考えを整理しようと思ったのですが上手くいきませんでした(笑)
補修といっても、何かが壊れたり、不具合が発生したわけではありません。
しかし、工事中に確認できなかった点で不安な要素が発生し、監督さんに確認すると適切に施工したという話だったのですが。。。
どうしてもその不安が払拭できず、自費にて工事を依頼していたのです。
そして、便器や洗面化粧台を解体し壁の中を覗いてみると案の定適切な施工がされていなかったのです。
(実際はもう少し補強された状態でしたが、私の考える十分でなかった)
発端は壁から取り出す水栓の位置がズレて施工されていて、それを直そうとした時に疑義が発生したこと。
吹き抜けに面するとても重要な壁だった為、万一のことを考え工事に踏み切りました。
本来建築家の施工物件であれば現場で監理し、このような工事が行われないように注意すべきなのですが、私たちも毎日現場に通うことはできません。
そのため、確認できないうちに施工が進み、見えない箇所が出てしまうことがあります。
そういう箇所は写真に取っておいてもらい、後で確認出来る様に指示するのですが、今回はその写真も無く、後から確認する術が無かったのです。
今回は、私の不安が的中し、幸運?にも問題を見つけることが出来ましたが、世の建築の中にはこういった瑕疵が発見されぬまま放置されている場合があると思うのですよね。。。
---
さて、問題は首都圏直下地震の予想震度が7に上方修正されたということ。
建築基準法の定める構造の強度と震度を直結して考えることは困難なのですが。。。
法律の定める強度では震度6弱~6強の地震を受けた際は、崩壊はしないが破損することは認めているのです。
人命に影響が出ないという点でボーダーを定め、補修すれば住み続けられるということにしている基準が概ね震度6弱~6強だということです。
つまり、震度7という地震に対しての評価は基準法では定められていないのが実情なのです。
実際、震度7を記録した阪神淡路大震災では新耐震(一番新しい建築基準法の基準)で建てられた建物の被害は少なかったと記憶しているので、いたずらに不安をあおってはいけないと思うのですが、建築基準法で定めた基準の地震規模を超える地震が首都圏に起こりうる可能性が高まったという事は注視すべきですね。
※建築基準法では
稀に発生する地震<震度5弱(80~100gal程度)>に対して無損傷、
極めて稀に発生する地震<震度6弱(300~400gal程度)以上>では倒壊・崩壊の可能性
と定めています。
---
震災時には火災も発生します。
居住地域によっては木造家屋が密集し、地震に耐えたとしても火災によって損傷を受けてしまうかもしれません。
そういう状況の中で僕ら建築家はお施主さんにどのように説明して工法等を選択すべきなのか?
とても悩ましい時代になりました。
これから進行する物件の中でどのようにお施主さんを導くか?
しばらく勉強が必要そうです。
---
話が色々飛んで申し訳ないのですが。。。
お施主さんが悩むように僕らも悩むのです。
地震に耐えうる万全の対策をとったと思われていた原子力発電所が震災で相当な影響を受けました。
津波の被害を受けた福島原発は仕方ないとしても、津波の影響の無かった(と記憶している)女川原発等も停止しているわけです。
う=む。
もう少し悩ませて下さい。
→建築基準法と耐震強度との菅家を解りやすく解説しているサイトです。
※この記事の時は首都圏直下が6強として想定されています。
また、免震設備を売る会社の資料の為、不安になる資料がいっぱいです(笑)
→E-Defense 加震実験映像一覧で実物大実験の様子が見れます(独立行政法人防災科学技術研究所)基準法レベルで設計された木造、鉄骨造、RC造の実物大実験にて震度6強で崩壊する様子のビデオもあります。
ちなみに、首都圏直下地震で震度7が全ての地域で起きるというわけではありません。
私の事務所のある荒川区など、地盤の弱い意地域では揺れも大きくなり確率が高くなりますが、23区外などは地盤が固く発生確率は低くなります。
この場で、私の方から指針を示したり考えを書くことができません。
建築基準法という法律に乗っかって法律通りなので安全ですよということは簡単ですが・・・
そういうことがなんだかできなくなってきました。
そして、現場では理想の施工が行われないことがあるということ。。。
なかなか答えが導き出せません!
ブログで記事を書きながら考えを整理しようと思ったのですが上手くいきませんでした(笑)
本当に難しい問題。
震度7で耐えうる様に造るには日本の家は高すぎる。
購入できる層が少なくなると業界団体が困るからね。。。
もちろんそれだけが原因じゃないけど、ハードルは低くしないといけない大人の事情があるんだと思います。。。
それにしても、こういう人の良心に任せた(中途半端な)法律やルールはやめて欲しいですよね。。
ルールを作ればいいじゃなく、何のためにルールが必要か十分考えてからルール化しないと全く意味がないです。
と、最近、会社で無意味なSOP作成(作業標準書の作成)が進んでいるのを見て特に思います。
作業の標準化→安全性の向上というのが狙いのようですが、実態は書類を作って満足という感じで、非常に悲しい。なんでしょうね、この体質。。