先日、SE工法の研修会に行ってきました。
SE工法とはEngineering For Safty(工学的で安全な工法)という意味です。
構造設計の巨匠・幡繁(ばんしげる)氏の協力のもと、阪神大震災で木造家屋が多く倒壊した反省を活かし安全な木造家屋の実現に向け研究し完成した工法です。
※幡繁氏は国技館やフジテレビ本社屋などの構造設計をした方。
---
まず始めにここで、なぜ震災において多くの木造家屋が倒壊したかということを述べておきます。
日本で一般的な木造住宅は柱の大きさが105mm角のものがほとんど。
最近では120角の木造家屋も出てきましたが、それは基本的に建築基準法の中で柱の細長比という規定があってその基準をクリアしたに過ぎません。
細長比というものは柱の長さを梁や土台間距離に応じて柱の太さを規定するものです。
二階建てぐらいまでだったら105角(3.5寸角)、三階建てでは120角(4寸角)が必要になります。
これは、横架材(梁等)によって柱が拘束(横方向におさえられている)されるので、その周辺では地震などの横揺れに対して柱がポキッと折れにくくなるために柱が細くても良いというものです。
しかし、法律とは、その法の趣旨とは別に、柱の最長比を横架材間の何分の一にする事。と、短い言葉で完結し、その条文だけが意味を成しているといっても過言ではありません。
つまり、曖昧な部分を含みその趣旨を理解せずに運用すると大変な事になるという事です。
例えば、大きい吹き抜けがあるような家では吹き抜けに面した柱は拘束力が弱いため、梁のない方向に力が働くととても弱いんですよね。
でも、これでも適法になってしまうんです。
適法は適法でも、実際阪大震災の時はこういう家が多く倒壊したという事実があります。
つまり法に適合=安全な家とは必ずしも言えないのです。
---
また、従来の木造では”仕口”と呼ばれる欠き込みを利用して柱、梁を接合するように組み立てられるのですが・・・
その仕口がウィークポイントになるのです。
特に沢山の梁が接合する柱はあらゆる方向から欠き込まれ、柱として残っている部分はほとんど残っていないんです・・・
そこが原因で倒壊した家屋も少なくないと聞いています。
そして、材木の強度というのも一定でないので、全く同じ間取りでも、使う材料によっても強度が異なるのです。たまたま悪い材料を使ってしまった建物などでは予定の強度が出ず倒壊に至ったと予想されます。
特に筋交いなどでは、節抜けのした材料(著しく強度の低い木材)を使った家屋や、適切な取り付け方法がなされない事に起因して倒壊した家屋もあったようです。
なぜ、そのような事が起きるのか?
それは、木造家屋の建築確認申請のズサンさがよんだ悲劇とも言いかねません。
建築確認申請では、4号建築物の特例といって一級建築士の設計した木造二階建て(一定規模の)においては、ほとんどの条文のチェックが免除されています。
つまり、もし悪意の建築士が契約を優先して構造を無視した間取りを作っても確認申請はおりてしまうのです。
※事実、一部の業者で壁量が不足するなどの偽装があり建てられた家がありました。
一級建築士という資格は万全ではありません。
それは、先の元姉歯建築士の耐震偽装にしかり、ただ知識のないものによる設計や設計ミスなどが耐震性能を充分備えていない家を量産してしまったのではないかと思います。
---
つまり・・・
1.材木の強度が不安定
2.構造のチェック体制が曖昧
3.法律の曖昧性
4.施工者の技術不足
等に起因され、不確かな木造住宅が量産され、その多くが倒壊してしまったのです。
---
その反省を活かし、信頼ある木造住宅をいかに構築するか?
そこでSE工法の出番となるわけです・・・
---
SE工法では、安定した強度を持つ構造用集成材を利用し、確かな実験に基づく構造計算を行い安全性を高めた家造りを行っています。
弱点である仕口を金物に置き換え、接合部の強度をあげて大空間を設計できるというメリットがあります。
次回はSE工法のそうしたメリット取り上げてお伝えしたいと思います。
※SE工法のメッリト・デメリットもお伝えする予定ですので少々お待ち下さい。。。
※従来の木造住宅でも震災の経験を活かし、金物を使った工法へとシフトしています。ですから、一般の木造住宅が全て危険という事を謳いたいわけではありませんのでご理解下さい。
■HPではSE工法を図解入りで更に詳しく解説しています。
SE工法とはEngineering For Safty(工学的で安全な工法)という意味です。
構造設計の巨匠・幡繁(ばんしげる)氏の協力のもと、阪神大震災で木造家屋が多く倒壊した反省を活かし安全な木造家屋の実現に向け研究し完成した工法です。
※幡繁氏は国技館やフジテレビ本社屋などの構造設計をした方。
---
まず始めにここで、なぜ震災において多くの木造家屋が倒壊したかということを述べておきます。
日本で一般的な木造住宅は柱の大きさが105mm角のものがほとんど。
最近では120角の木造家屋も出てきましたが、それは基本的に建築基準法の中で柱の細長比という規定があってその基準をクリアしたに過ぎません。
細長比というものは柱の長さを梁や土台間距離に応じて柱の太さを規定するものです。
二階建てぐらいまでだったら105角(3.5寸角)、三階建てでは120角(4寸角)が必要になります。
これは、横架材(梁等)によって柱が拘束(横方向におさえられている)されるので、その周辺では地震などの横揺れに対して柱がポキッと折れにくくなるために柱が細くても良いというものです。
しかし、法律とは、その法の趣旨とは別に、柱の最長比を横架材間の何分の一にする事。と、短い言葉で完結し、その条文だけが意味を成しているといっても過言ではありません。
つまり、曖昧な部分を含みその趣旨を理解せずに運用すると大変な事になるという事です。
例えば、大きい吹き抜けがあるような家では吹き抜けに面した柱は拘束力が弱いため、梁のない方向に力が働くととても弱いんですよね。
でも、これでも適法になってしまうんです。
適法は適法でも、実際阪大震災の時はこういう家が多く倒壊したという事実があります。
つまり法に適合=安全な家とは必ずしも言えないのです。
---
また、従来の木造では”仕口”と呼ばれる欠き込みを利用して柱、梁を接合するように組み立てられるのですが・・・
その仕口がウィークポイントになるのです。
特に沢山の梁が接合する柱はあらゆる方向から欠き込まれ、柱として残っている部分はほとんど残っていないんです・・・
そこが原因で倒壊した家屋も少なくないと聞いています。
そして、材木の強度というのも一定でないので、全く同じ間取りでも、使う材料によっても強度が異なるのです。たまたま悪い材料を使ってしまった建物などでは予定の強度が出ず倒壊に至ったと予想されます。
特に筋交いなどでは、節抜けのした材料(著しく強度の低い木材)を使った家屋や、適切な取り付け方法がなされない事に起因して倒壊した家屋もあったようです。
なぜ、そのような事が起きるのか?
それは、木造家屋の建築確認申請のズサンさがよんだ悲劇とも言いかねません。
建築確認申請では、4号建築物の特例といって一級建築士の設計した木造二階建て(一定規模の)においては、ほとんどの条文のチェックが免除されています。
つまり、もし悪意の建築士が契約を優先して構造を無視した間取りを作っても確認申請はおりてしまうのです。
※事実、一部の業者で壁量が不足するなどの偽装があり建てられた家がありました。
一級建築士という資格は万全ではありません。
それは、先の元姉歯建築士の耐震偽装にしかり、ただ知識のないものによる設計や設計ミスなどが耐震性能を充分備えていない家を量産してしまったのではないかと思います。
---
つまり・・・
1.材木の強度が不安定
2.構造のチェック体制が曖昧
3.法律の曖昧性
4.施工者の技術不足
等に起因され、不確かな木造住宅が量産され、その多くが倒壊してしまったのです。
---
その反省を活かし、信頼ある木造住宅をいかに構築するか?
そこでSE工法の出番となるわけです・・・
---
SE工法では、安定した強度を持つ構造用集成材を利用し、確かな実験に基づく構造計算を行い安全性を高めた家造りを行っています。
弱点である仕口を金物に置き換え、接合部の強度をあげて大空間を設計できるというメリットがあります。
次回はSE工法のそうしたメリット取り上げてお伝えしたいと思います。
※SE工法のメッリト・デメリットもお伝えする予定ですので少々お待ち下さい。。。
※従来の木造住宅でも震災の経験を活かし、金物を使った工法へとシフトしています。ですから、一般の木造住宅が全て危険という事を謳いたいわけではありませんのでご理解下さい。
■HPではSE工法を図解入りで更に詳しく解説しています。
本当に法律だけではいい家は作れませんよ~。
基準法は、その最低限の決まりを作っているだけで、またそのチェック体制も性善説の上成り立っているので、我々建築家が高い志で家造りを牽引していかないといけないのかなぁって。。。
まぁ、そんな偉そうな事言える立場でもないんですけどね(笑)
法律さえクリア出来ればいいって物ではないですよね。
出来上がった家がいつまでも良いものであってほしいです。