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是非こちらをご覧ください→「そういう”風潮”があったか?~ニセ耐震マンション 」
■以下過去の記事・・・
いや、驚いた。
何処の国の話かと思ったら、日本の、しかも東京の話ではないですか!
それも、2、3階建てとかでなく、中高層の物件・・・
こりゃ大変な事件がおきたものだ。
しかし、こういった事件の背景が解らないでもない。
昔、某建設会社の設計部で働いていた私。
設計部では、構造事務所とのやり取りで
「もっと梁小さくならないか?これじゃキッチン納まらないよ」
とか、
「確認申請いついつまでに出さなきゃいけないから早く頼むよ」
さらにもっと酷い暴言が飛び交うこともしばしば・・・
と、間違っていけないのはコレラの言葉は、耐震強度を偽れ!といっているのではない。
構造モデルを見直して欲しい。
他で耐力を取りながら、この部分は梁セイを低く抑えたい。という意向のもの。
そして、大きな物件ほど工期にはシビアなので、構造計算に費やせる時間も限られる。
(大きな物件は、取引額が大きく、例えば工期が一ヶ月伸びると利子がその分余計になる。)
構造設計者にとっては、せっかく入力した数値を入れなおして調整するのは、また大変な作業である。
一箇所変更すれば、他の場所の数値もアレコレ代わり、なかなか調整するのが難しいのだ。
構造計算といっても、建物の条件を完全にモデル化するのは不可能である。
その為、上の図のように簡略化して計算する。
①人が生活するのに必要な標準的な床の加重+②壁などの雑加重
↓
③小梁に伝達
↓
④大梁に伝達
↓
⑤柱に伝達
↓
⑥下階に伝達され、最後は基礎まで到達・・・
とな具合です。
実際は、外壁の重さや、庇やバルコニーの加重等様々な要素をモデル化し、
地震と台風が、この建物に与える力に対し、柱の太さや梁のセイ、杭の長さに至まで検討するのです。
だから、一箇所の値を変更すると、上から順繰りに数値が微妙に変化していろいろな部材が変わるのです。
今は、コレラの作業がパソコンで出来るようになり、かなり変更も簡略化されるようになった訳ですが、その為にただ計算するだけの”構造計算屋”が現れてしまいました・・・
構造の仕組みをあまり理解していなくても、なんとなく構造が出来てしまう。
そんな恐ろしい世の中です。
と、話がそれましたが、きっと姉歯設計士は”構造設計士”でなく”構造計算屋”だったのでしょう。
ただ言われるがままに、部材を小さくしようとした。
普通であれば、意匠設計者と意見をぶつけ、建物全体で調整しようとするのですが、その術がわからない。
もちろん、依頼者側の要求がかなり無理なものだったのでしょう。
そんな時に偽造した構造計算書で誤魔化したところ、なんだか確認申請が通ってしまった・・・
そして、そのうちうまく処理できないことがあると誤魔化すようになった。
(入力しながら調節する必要がなく、極度に外力の小さい値を入れることで簡単に部材の断面を減らしていたらしい。)
それが通例化していき、業者からも評判になり「姉歯だったら早く確認申請おろせて、しかも安く出来る」と・・・
しかし、コレは構造設計者としてはやってはいけない。
我々、設計意匠者としては、見栄えや納まりの問題から、どうしても無理を言う場合がある。
それは、構造設計者ごとに安全率の考え方や、解析モデルの違いなどから。同じ物件でも異なった結果が出てくるからだ。
だから、もう少し詰める要素がないか?他で補えないか?構造設計者にアレコレ相談するのだ。
それは、決して地震や台風に対する安全性を変えることは要求していない。
しかし、コレだけ発覚が遅れたのも、構造計算書を読めな建築士がいけない、
誤魔化しを見破られなかった確認検査機関が悪い、等議論もあるが、
そもそもは、確認検査を民間に任せている行政にも問題があると思う。
確認検査機関が発足してから、明らかに不正な建築が増えたと思うからだ。
営利目的の確認検査機関は対応がよく、かなり融通が利くのが実情。
難しい物件は確認検査機関に確認申請をお願いするのが業界の常識となっている。
早く、ほぼノーチェックで確認がおりる。
役所に頼むのより、2倍ぐらい高い確認検査機関が、好調なのもいろいろと訳があるだろう・・・
と、なんだか話が収集つきませんが、
人命にかかわる重大な違反を犯した姉歯設計士は許せません。
コレは殺人未遂罪だと私は思っています。
しかし、その原因をしっかりと追究し、二度と同じような事件がおきないよう国は努めてもらいたいと思います。
しかし、姉歯設計士の「私個人では賠償できない。
イーホームズや国も責任を負うべきだ。」の回答には飽きれる。自分でいってしまっては救いようのない言葉である。
■耐震偽造 姉歯1級建築士と一問一答 はこちらから(朝日新聞)
■イーホームズ株式会社のHP
是非こちらをご覧ください→「そういう”風潮”があったか?~ニセ耐震マンション 」
■以下過去の記事・・・
いや、驚いた。
何処の国の話かと思ったら、日本の、しかも東京の話ではないですか!
それも、2、3階建てとかでなく、中高層の物件・・・
こりゃ大変な事件がおきたものだ。
しかし、こういった事件の背景が解らないでもない。
昔、某建設会社の設計部で働いていた私。
設計部では、構造事務所とのやり取りで
「もっと梁小さくならないか?これじゃキッチン納まらないよ」
とか、
「確認申請いついつまでに出さなきゃいけないから早く頼むよ」
さらにもっと酷い暴言が飛び交うこともしばしば・・・
と、間違っていけないのはコレラの言葉は、耐震強度を偽れ!といっているのではない。
構造モデルを見直して欲しい。
他で耐力を取りながら、この部分は梁セイを低く抑えたい。という意向のもの。
そして、大きな物件ほど工期にはシビアなので、構造計算に費やせる時間も限られる。
(大きな物件は、取引額が大きく、例えば工期が一ヶ月伸びると利子がその分余計になる。)
構造設計者にとっては、せっかく入力した数値を入れなおして調整するのは、また大変な作業である。
一箇所変更すれば、他の場所の数値もアレコレ代わり、なかなか調整するのが難しいのだ。
構造計算といっても、建物の条件を完全にモデル化するのは不可能である。
その為、上の図のように簡略化して計算する。
①人が生活するのに必要な標準的な床の加重+②壁などの雑加重
↓
③小梁に伝達
↓
④大梁に伝達
↓
⑤柱に伝達
↓
⑥下階に伝達され、最後は基礎まで到達・・・
とな具合です。
実際は、外壁の重さや、庇やバルコニーの加重等様々な要素をモデル化し、
地震と台風が、この建物に与える力に対し、柱の太さや梁のセイ、杭の長さに至まで検討するのです。
だから、一箇所の値を変更すると、上から順繰りに数値が微妙に変化していろいろな部材が変わるのです。
今は、コレラの作業がパソコンで出来るようになり、かなり変更も簡略化されるようになった訳ですが、その為にただ計算するだけの”構造計算屋”が現れてしまいました・・・
構造の仕組みをあまり理解していなくても、なんとなく構造が出来てしまう。
そんな恐ろしい世の中です。
と、話がそれましたが、きっと姉歯設計士は”構造設計士”でなく”構造計算屋”だったのでしょう。
ただ言われるがままに、部材を小さくしようとした。
普通であれば、意匠設計者と意見をぶつけ、建物全体で調整しようとするのですが、その術がわからない。
もちろん、依頼者側の要求がかなり無理なものだったのでしょう。
そんな時に偽造した構造計算書で誤魔化したところ、なんだか確認申請が通ってしまった・・・
そして、そのうちうまく処理できないことがあると誤魔化すようになった。
(入力しながら調節する必要がなく、極度に外力の小さい値を入れることで簡単に部材の断面を減らしていたらしい。)
それが通例化していき、業者からも評判になり「姉歯だったら早く確認申請おろせて、しかも安く出来る」と・・・
しかし、コレは構造設計者としてはやってはいけない。
我々、設計意匠者としては、見栄えや納まりの問題から、どうしても無理を言う場合がある。
それは、構造設計者ごとに安全率の考え方や、解析モデルの違いなどから。同じ物件でも異なった結果が出てくるからだ。
だから、もう少し詰める要素がないか?他で補えないか?構造設計者にアレコレ相談するのだ。
それは、決して地震や台風に対する安全性を変えることは要求していない。
しかし、コレだけ発覚が遅れたのも、構造計算書を読めな建築士がいけない、
誤魔化しを見破られなかった確認検査機関が悪い、等議論もあるが、
そもそもは、確認検査を民間に任せている行政にも問題があると思う。
確認検査機関が発足してから、明らかに不正な建築が増えたと思うからだ。
営利目的の確認検査機関は対応がよく、かなり融通が利くのが実情。
難しい物件は確認検査機関に確認申請をお願いするのが業界の常識となっている。
早く、ほぼノーチェックで確認がおりる。
役所に頼むのより、2倍ぐらい高い確認検査機関が、好調なのもいろいろと訳があるだろう・・・
と、なんだか話が収集つきませんが、
人命にかかわる重大な違反を犯した姉歯設計士は許せません。
コレは殺人未遂罪だと私は思っています。
しかし、その原因をしっかりと追究し、二度と同じような事件がおきないよう国は努めてもらいたいと思います。
しかし、姉歯設計士の「私個人では賠償できない。
イーホームズや国も責任を負うべきだ。」の回答には飽きれる。自分でいってしまっては救いようのない言葉である。
■耐震偽造 姉歯1級建築士と一問一答 はこちらから(朝日新聞)
■イーホームズ株式会社のHP
ここでは長くなるので割愛しますが、彼には一言「技術者のプライドは無いのか」と言いたいです。
何の為に仕事をしているのか・・・
「仕事をさばく」ことが「安全な建築物を設計する」という建築士の最低限の責任・使命より勝るとは。
確かに最近の建築に関わる計算は構造計算しかり、天空率しかり、数値のチェックが難しくなってきていますよねー。
設計者がパソコンに計算させて結果でしか判断できないのも事実です。
このままではいけないな、と自分への教訓にもなりました。
建物の構造は最も大切でありながら、居住者には見えない。
であるからこそ、構造計算は大事だし、かつては地方自体により建築確認や検査が行われてきました。これを効率化、迅速化の名の下に、民間で出来ることは民間でという、いわゆる構造改革の一環として、建築確認・検査を「民営化」してしまった。
今回の不正行為の背景は、ゼネコン主導による検査の骨抜きにあります。
従って、政府の責任は免れないと思います。
そうです。プライドは何処へやら・・・
ある、建売業者から聞いた話ですが、
過去の施主に対し、リフォーム営業に動員するのに資料を集めたところ、その80%が違反建築だったそうです。
間取り優先で、壁を取り払ってしまっていて・・・
確認申請とまったく違う間取りが出来上がっているという話。
不信に思った新人社員は、「こんなことでいいんですか?」と問い詰めたのですが、「まぁ、昔はそんなの当たり前だからねぇ」と平気で笑いながら答えたそうです。
この話を、うちの事務所の者にも話しましたが、やっぱり建売業者はそんなものでしょう・・・と。
結局、そういうモラルの欠如がバブル時代の建設業界全体にあり、その時代に生きた一級建築士がこのような事件を起こしたようです。
我々は決してそのようなプライドを捨てた建築士にならないよう気をつけましょう!
>home-9さん
ご丁寧にどうもです。
わたくしも、やはり行政もきちんと責任取るべきだと考えています。
建築確認申請が”許可”申請でないこと。
つまり、役所は書類が間違ってないか確認しただけで、許可はしていないという立場のやり方では、しっかりとした検査は行われません。
行政および、民間審査機関が確認申請を”許可”し、責任を持つべきだと思います。
と、いいたい事は尽きません・・・
不動産リートによる建設が主流になると、ファンドの圧力でこのへんのチェックが厳しくなると思います、それがシノケンなどの対応の速さにつながっているような気がします
如何思われますか?
だけど、その割りにと言っては何ですが、姉歯建築事務所は裕福には見えません。
言われるままに改竄して、その責任を負わされたと言う感じを受けます。
それにしても、チェック機関の「改竄を見抜けない。」発言は、チェック機関なんて何のために有るの?と、感じさせます。
AKATSUKIさんはこうういう事件にたいしてすぐに自分の考えを述べていて、いいな、と思います。
この事件に関しては徹底的に追及して欲しいと思います。。。
>マルセルさん
黒幕は誰か?内部告発で発覚したという話だから、やっぱ何処かは知っていたのでは?と憶測できますよね・・・
でも、ほんとどれだけ本来の耐震性能と比べて劣るのかが良くわかりません。
柱の断面とかで、基準法レベルの構造と、震度5強で崩れる構造を比較している方いないですかね?
>井筒@徳島さん
建築の確認申請は、あくまで確認するだけで、許可するものではないのです。
コレは確認受けても、役所のミスで問題になった場合、確認を取り下げるだけで役所は知らん顔。という構図があります。
その為、書類の細かい内容は申請者の善意に委ねられている部分が多くあるのです。
例えば、敷地の境界線や、北の角度など・・・
それらを審査する中で、何処まで疑ってかかれるか?難しい問題です・・・
すみません。うまくいえなくて。
>tqmaさん
でも、きっと我々が利用している構造屋さんが同じような手口で偽造したらやっぱ解らないと思うのです。
結局のところ構造やさんを信頼してるし、構造計算書の番号なんてチェックしないでしょ・・・
と、近々構造設計士と打ち合わせがあるので詳しいこと聞いてみようと思います。
>たまちゃんさん
ほんと、はやく原因解明してもらいたいですね。
でも、我々建築士にとっては今後、何らかの制約が出来ることは確かです。
また、面倒な法律が出来てしまうのでしょう・・・
そして、その尻拭いに税金を投入しようとしている北側国土交通大臣も創価学会員です。
創価学会の狂信者達は、どこまで身勝手なのでしょうか?
被害者の代表も創価学会員?という情報も読んだ覚えがあります。
創価学会の悪行もいい加減にして欲しいですね。
【参考ブログ】
創価大学出身政治家・北側国土交通大臣が公金を投入したがる理由とは!?
http://ameblo.jp/worldwalker2/entry-10006879677.html
必撮!勤め人 2005年 11月 29日 人命のデフレ(GRD)
http://artisan.exblog.jp/2032542
ついでに
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オーストリアが創価学会(公明党)をカルト(セクト)に指定
http://www.lermanet.com/cisar/books/990913b.htm
チリ議会が創価学会(公明党)をカルトに指定
http://www.hrwf.net/html/chile2001.html
ベルギーが、創価学会(公明党)をカルトに指定
http://members.ozemail.com.au/~skyaxe/mahikari.htm
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京都 相国寺・金閣寺・銀閣寺・承天閣美術館の公式ホームページ
http://www.shokoku-ji.or.jp/information/activity/shoseki/shoseki04.html
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書き込みありがとうございます。
姉歯氏が学会員かの真偽はわかりませんが、
北側国土交通大臣が公明党の布教活動の為に一石を投じているという噂もありますよね。
いずれにせよ、こいうった事件を政治の材料に利用して欲しくないものです。