ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■下地造りが肝心のクロス工事~家族の絆を深める家

2010-03-25 20:54:40 | ■建築-実施・監理
「絆を深める家」の工事が着々と進んでいます。
工事の工程が少々遅れているのですが、マンションリフォームの場合は工事の時間が厳しく決められている事が多く(この現場も9:00~17:00まで)、遅れた分をなかなか取り戻す事が出来ません。
ただ、お尻を叩いても工事は早くならないので、出来る限り出戻りがないように頻繁に現場に足を運ぶようにしています。

合板下地是正箇所


そのなかで、是正をお願いした場所がキッチンのコンロ前の壁下地。
一部に可燃物である合板が使用されていた為、不燃物である石膏ボードに変更するように指示を出しています。
実はこの壁、戸袋の仕切り板にもなっている為、大工さんが苦労して取り付けてくれた部分なんです。
設計では、この上にもう一枚ボードを貼れるように図面を書いていたのですが、どうも必要性が解らずそれを省けるように壁を建ててしまったようなのです・・・

しかし、コンロ前の壁は表面の仕上材だけを不燃板にすれば良いというわけにはいきません。
通常用途では確かに火が直接下地に触れる事もないので、燃える事はありませんが、実は危険はジワジワと迫ってくるのです。
というのも、高温で何度も加熱される事で、表面の仕上材は燃える事はなくとも、その下地材はは徐々に炭化していくのです。
そして、炭化した木材は非常に低温でも発火しやすくなってしまうのです。

その為、過去にもそういった内側からの発火事故の報告が多数あり、見逃せる問題ではなかったのです。

また、レンジフードのダクト周りにも木の下地が用いられていたので、是正してもらっています。
(可燃物を近づけてはいけない事になっていて、近い場合は断熱材を施工する必要がある)
この点は監督さんも気付いていたのですが、このように設計監理や現場監督の目がきちんと行き届かない現場では、気付かれずにそのまま施工されていることもあるかと思うとちょっとゾッとしてしまいます。
(もちろん、それがすぐに火災に直結する訳ではありませんし、使い方次第では問題ないということも解るのですけどね。)

クロス下地


さて、現場では天井のビニルクロス張り部分の下地調整を行っています。
このように、きちんと新しい天井を作って施工している部分は問題ないのですが、心配なのは天井がコンクリート躯体直仕上げだった部分への施工です。
ここは、キチンと下地をこしらえる事が難しい為、念入りに下地補修を行ってもらっていますが、いつも張りあがるまで心配になる所。
今回も綺麗に張ることが出来るかやっぱり不安です(笑)

ビニルクロス工事


壁紙は専用の機械で糊付けをしてカットします。
ビニルクロスをまとめて糊付けし、しばらくオープンタイムをあけてから施工をします。
コレは、糊付けしたすぐ後だとシワシワで安定しない為、伸び縮みが安定してから貼り付けないと隙間などを生じてしまうからです。

ビニルクロス工事中


先ほど糊付けをしたビニルクロスを貼っています。
丁寧にしわを伸ばしながら貼っていきます。
この時、若干のしわであれば、乾燥して伸びた時にシワもなくなるので問題ありません。

梁型を活かすデザイン


今回は、リフォームする物件がお施主様の全ての望みを叶えられる充分な広さを持っていませんでした。
その限られた面積の中で家族が対話できるリビングスペースの確保と、ご家族のお荷物を仕舞える場所をあらゆるところに設けるのが私の使命だったのです。

その為、梁型を交わしながら複雑な収納を設けているので、通常の現場では見られないような現場風景となっています。
ドア枠が先に取り付き、後から収納がこの開いた部分に納められます。

断熱補強工事・住宅版エコポイント


断熱材が足りない外周部には断熱材を付加し性能をあげています。
コレにより住宅版エコポイントの対象となる為、メリットは多大にあります。
その他、一部には内付けのサッシを取り付け断熱性も向上させる予定です。


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