つい先日新たな耐震偽装のニュースが飛び込んだ。
積水ハウスの分譲住宅で耐震偽装が行われていたというのだ!
6月20日の法改正前に滑り込むような形で着工したこの物件。
問題なのは、姉歯元一級建築士の一連の偽装事件以降に行われた明らかな偽造だという事。
そして、構造計算が、”構造計画研究所”から丸投げされた構造事務所によるものだという事である。
”構造計画研究所”は椿山荘や八景島シーパラダイスの構造設計をするなど、比較的有名な事務所で、免震システムのコンサルタントや、構造設計ソフトの開発を行っている会社なのです。
そう、丸投げされた一級建築士が行った行為とはいえ、構造設計ソフト会社がその盲点を利用して偽装したという構図が明確な驚くべき事件なのです!
しかし、なぜだかこんな大事件にもかかわらず、問題の発覚した翌日にはもうTVや紙面からその話題が消え去ってしまったのです!!!
なぜ?
売主が積水ハウスなので報道機関が自粛しているのか?
それとも国家的な力がなにか働いているのか?
もう、謎でたまらない。
確かに、詳細が良く解らない所では報道しようがないし、間違った内容があったら大変なのはわかるけど、どうも腑に落ちない。
それは、”月に響く笛 耐震偽装”
(藤田東吾・元イーホームズ社長 著)を読んだあとだから・・・
---
”月に響く笛 耐震偽装”は耐震偽装発覚からイーホムズの業務停止までを綴った本で、驚くべき事が書かれています。
簡単に述べると、
・耐震偽装は巧妙で、簡単には見分けられなかった事
→国土交通省の人間もその偽装箇所がなかなかわからず、何度もイーホームズに教えを請いにやってきていた
・安倍晋三元総理大臣の後援会を通じてAPAの社長が懇意だった事
→また、ヒューザー小嶋氏は国務大臣・国土政務次官であった伊藤公介氏を通じて事件の隠蔽を計ったらしい
→建設業界と財界との癒着の問題
・イーホームズが唯一の独立系の確認検査機関だった事
→それ以外の審査機関はゼネコン・ハウスメーカーの持ち株会社等
→認可を受けるときも相当いじめられたらしい
と、箇条書きにするとこんな感じではあるのですが、
とにもかくも善意というか正義感をもって世間に公表したイーホームズを危ない存在と国土交通省が捉え、口封じ&耐震偽装問題拡大の抑制の為にイーホームズ及びヒューザーに焦点を絞って情報操作を行った事が、よくよく読み取れるのです。
イーホームズを業務停止に追い込んだ事は、建築基準法違反でもなんでもなく(建築基準法違反では立件できなかった!)、公正証書原本不実記載の容疑での逮捕であった。
---
そして、問題の本質が問われる事なく6/20の基準法改正という局面を迎えたのですが・・・
私がこの本一番興味を示したのは、
構造計算ソフトがバージョンアップの際に、”基準法以下の入力が出来るようプログラム解除”した形で大臣認定を受けた事。
そのバージョンアップの前は、高度なセキュリティーで基準法以下の数値で入力できなかったものを、国土交通省が許容する形で認定をしたというものです。
え?
そんな事するからこの事件がおきたんじゃないの?
入力しちゃいけない数値を入力できるようにするなんて?
まったくをもって理解不能です。
---
ちょっと文章がまとまらなくなってきましたが、
とにもかくも、問題の根本はこのような国の基準にあるのは明らかで、槍玉にあげる形で数社を処分する形で問題の解決を計ったかのように偽装した国家の大誤算が今回の事件にあるように思うのです。
---
本に関しては説明が難しく、実際の内容を読んでいただくのが一番だと思うのですが、藤田さんは偉い!正しい事をやったというのが僕の感想。
これからの藤田さんの人生を応援したい気持ちでいっぱいになります。
そう、建築審査機関の審査要領は、「21日間に審査しうる範囲で確認しなさい」という国の通達の元に行っているもの。
明らかに行政庁(役所)よりプロ(元設計士)が審査しているし、行政庁(役所)に比べ決していい加減な審査だったとは私は思いません。
先にも述べましたが、イーホームズは建築基準法違反は犯していなかったという事が全てを物語っているわけです。
---
仕組みが悪い。
そう、こうして問題がまた隠蔽されるようでは、また耐震偽装が繰り返される可能性をはらんでいるわけです。
もう、ため息が止まりません・・・
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■耐震偽装:横浜で見つかる 1級建築士「他にも数件」 10都県46物件を調査へ(朝日新聞)
■”月に響く笛 耐震偽装”(藤田東吾・元イーホームズ社長著)(AmazonのHPへ)
積水ハウスの分譲住宅で耐震偽装が行われていたというのだ!
6月20日の法改正前に滑り込むような形で着工したこの物件。
問題なのは、姉歯元一級建築士の一連の偽装事件以降に行われた明らかな偽造だという事。
そして、構造計算が、”構造計画研究所”から丸投げされた構造事務所によるものだという事である。
”構造計画研究所”は椿山荘や八景島シーパラダイスの構造設計をするなど、比較的有名な事務所で、免震システムのコンサルタントや、構造設計ソフトの開発を行っている会社なのです。
そう、丸投げされた一級建築士が行った行為とはいえ、構造設計ソフト会社がその盲点を利用して偽装したという構図が明確な驚くべき事件なのです!
しかし、なぜだかこんな大事件にもかかわらず、問題の発覚した翌日にはもうTVや紙面からその話題が消え去ってしまったのです!!!
なぜ?
売主が積水ハウスなので報道機関が自粛しているのか?
それとも国家的な力がなにか働いているのか?
もう、謎でたまらない。
確かに、詳細が良く解らない所では報道しようがないし、間違った内容があったら大変なのはわかるけど、どうも腑に落ちない。
それは、”月に響く笛 耐震偽装”
(藤田東吾・元イーホームズ社長 著)を読んだあとだから・・・
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”月に響く笛 耐震偽装”は耐震偽装発覚からイーホムズの業務停止までを綴った本で、驚くべき事が書かれています。
簡単に述べると、
・耐震偽装は巧妙で、簡単には見分けられなかった事
→国土交通省の人間もその偽装箇所がなかなかわからず、何度もイーホームズに教えを請いにやってきていた
・安倍晋三元総理大臣の後援会を通じてAPAの社長が懇意だった事
→また、ヒューザー小嶋氏は国務大臣・国土政務次官であった伊藤公介氏を通じて事件の隠蔽を計ったらしい
→建設業界と財界との癒着の問題
・イーホームズが唯一の独立系の確認検査機関だった事
→それ以外の審査機関はゼネコン・ハウスメーカーの持ち株会社等
→認可を受けるときも相当いじめられたらしい
と、箇条書きにするとこんな感じではあるのですが、
とにもかくも善意というか正義感をもって世間に公表したイーホームズを危ない存在と国土交通省が捉え、口封じ&耐震偽装問題拡大の抑制の為にイーホームズ及びヒューザーに焦点を絞って情報操作を行った事が、よくよく読み取れるのです。
イーホームズを業務停止に追い込んだ事は、建築基準法違反でもなんでもなく(建築基準法違反では立件できなかった!)、公正証書原本不実記載の容疑での逮捕であった。
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そして、問題の本質が問われる事なく6/20の基準法改正という局面を迎えたのですが・・・
私がこの本一番興味を示したのは、
構造計算ソフトがバージョンアップの際に、”基準法以下の入力が出来るようプログラム解除”した形で大臣認定を受けた事。
そのバージョンアップの前は、高度なセキュリティーで基準法以下の数値で入力できなかったものを、国土交通省が許容する形で認定をしたというものです。
え?
そんな事するからこの事件がおきたんじゃないの?
入力しちゃいけない数値を入力できるようにするなんて?
まったくをもって理解不能です。
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ちょっと文章がまとまらなくなってきましたが、
とにもかくも、問題の根本はこのような国の基準にあるのは明らかで、槍玉にあげる形で数社を処分する形で問題の解決を計ったかのように偽装した国家の大誤算が今回の事件にあるように思うのです。
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本に関しては説明が難しく、実際の内容を読んでいただくのが一番だと思うのですが、藤田さんは偉い!正しい事をやったというのが僕の感想。
これからの藤田さんの人生を応援したい気持ちでいっぱいになります。
そう、建築審査機関の審査要領は、「21日間に審査しうる範囲で確認しなさい」という国の通達の元に行っているもの。
明らかに行政庁(役所)よりプロ(元設計士)が審査しているし、行政庁(役所)に比べ決していい加減な審査だったとは私は思いません。
先にも述べましたが、イーホームズは建築基準法違反は犯していなかったという事が全てを物語っているわけです。
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仕組みが悪い。
そう、こうして問題がまた隠蔽されるようでは、また耐震偽装が繰り返される可能性をはらんでいるわけです。
もう、ため息が止まりません・・・
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■耐震偽装:横浜で見つかる 1級建築士「他にも数件」 10都県46物件を調査へ(朝日新聞)
■”月に響く笛 耐震偽装”(藤田東吾・元イーホームズ社長著)(AmazonのHPへ)
そうなんですよ~
日本ではまたこんな事件が。
大問題なのに対して報じられない事にむずがゆい毎日。
絞りあげるところ間違っているっちゅーの!
広告をいっぱい売っている企業って得ですよね。
そんな事があったんですね。
全く知らず・・・
姉歯事件とは次元が違います。マスコミは耐震偽装に仕立て上げたいみたいですが・・・
コメントありがとうございます。
確かに耐震偽装と言葉で書いてしまうと語弊があるかもしれませんね。
ただ私が思うのは、確認申請後随分経ってもその裏づけの再計算をしていなかった事はやはり問題で、耐震偽装に等しいと考えています。
もしかしたら、限界体力計算すれば強度不足は生じないかもしれませんが、その逆もあるはずです。
今後のニュースに注意してみたいと思います。
簡単に計算できるなら下請けに出す必要が無いような・・
そうですね。このケースでは再計算はそう簡単には出来るものではありません。
構造の解析モデルが全く違う為、入力の段階からの検討作業になると思います。
それなので、逆によっぽどの安全率を見込んでない限り、構造に問題ないとはすぐに判断できない事案かと思います。