記録されねばならない被災地福島の新聞記者と新聞社の苦闘, 2014/3/28
By 歯職人
著者の門田隆将は、本作で初めて知った。その取材は、対象の内面に迫るものであり、著者の伝えたいという大きな執念を感じる。
本書は、2011年3月11日の東日本大震災と津波被害、東京電力福島第一原子力発電所事故の現場にまさにその時遭遇した福島民友新聞の浜通り地方、相双ブロック、いわきの記者たちの生き方を問われたその時の記録であり、3年を経過した現在に至る自問自答の日々の記録である。
福島民友新聞(本社・福島市)は、3.11被害と停電等により本社の新聞編集製作機能の喪失、印刷所の機能停止、支局通信網の崩壊、なによりも読者と新聞販売所の避難という名の喪失という事態を迎える。
その中で新聞記者たちが、己の生命の危機、家族の安否の不明、地域で共に暮らす目の前の人たちの命が失われる瞬間、伝えるべき事柄、記録すべき様々の多様な課題が一度に圧し掛かる中、判断を迫られながら何を選択し、どの様に行動したか。
余りにも激変する瞬間を経験し、一瞬の判断が運命を左右する濃縮した時間の経過を経験した記者たちの行動は、現時点から振り返れば様々な評価があるだろうが、彼らが選択した行動が集積し歴史が作られ記録ざれたのだろう。
福島県浜通り地方、ことに東京電力福島第一原子力発電所事故による今も続く被害の地を知る上でも、知るべき事柄を多く含む一冊です。
http://www.amazon.co.jp/%E8%A8%98%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E6%B5%B7%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F-%E6%B4%A5%E6%B3%A2%E3%81%A8%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%81%A8%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E6%B0%91%E5%8F%8B%E6%96%B0%E8%81%9E-%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E9%96%80%E7%94%B0-%E9%9A%86%E5%B0%86/dp/4041107342/ref=cm_cr_pr_product_top
記者たちは海に向かった―津波と放射能と福島民友新聞
門田 隆将【著】
価格 \1,680(本体\1,600)
KADOKAWA(2014/03発売)
サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
商品コード 9784041107348
NDC分類 070.212
内容説明
大津波の最前線で取材していた24歳の地元紙記者は、なぜ死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。記者を喪っただけでなく、新聞発行そのものの危機に陥った「福島民友新聞」を舞台に繰り広げられた壮絶な執念と葛藤のドラマ。
目次
激震
助けられなかった命
救われた命
目の上の津波
堤防を乗り越える津波
機能を失った本社
救世主
本社はどうした?
「民友の記事を」
「民友をつぶす気ですか」
放射能の恐怖
配達された新聞
地獄絵図
思い出
それぞれの十字架
遺体発見
傷痕
著者紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍している。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
その時、記者たちは、なぜ海に向かったのか――。東日本大震災で存続の危機に立った福島民友新聞。『死の淵を見た男』著者、門田隆将があの未曾有の危機に直面した記者たちの真実の姿と心情を描く。
By 歯職人
著者の門田隆将は、本作で初めて知った。その取材は、対象の内面に迫るものであり、著者の伝えたいという大きな執念を感じる。
本書は、2011年3月11日の東日本大震災と津波被害、東京電力福島第一原子力発電所事故の現場にまさにその時遭遇した福島民友新聞の浜通り地方、相双ブロック、いわきの記者たちの生き方を問われたその時の記録であり、3年を経過した現在に至る自問自答の日々の記録である。
福島民友新聞(本社・福島市)は、3.11被害と停電等により本社の新聞編集製作機能の喪失、印刷所の機能停止、支局通信網の崩壊、なによりも読者と新聞販売所の避難という名の喪失という事態を迎える。
その中で新聞記者たちが、己の生命の危機、家族の安否の不明、地域で共に暮らす目の前の人たちの命が失われる瞬間、伝えるべき事柄、記録すべき様々の多様な課題が一度に圧し掛かる中、判断を迫られながら何を選択し、どの様に行動したか。
余りにも激変する瞬間を経験し、一瞬の判断が運命を左右する濃縮した時間の経過を経験した記者たちの行動は、現時点から振り返れば様々な評価があるだろうが、彼らが選択した行動が集積し歴史が作られ記録ざれたのだろう。
福島県浜通り地方、ことに東京電力福島第一原子力発電所事故による今も続く被害の地を知る上でも、知るべき事柄を多く含む一冊です。
http://www.amazon.co.jp/%E8%A8%98%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E6%B5%B7%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F-%E6%B4%A5%E6%B3%A2%E3%81%A8%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%81%A8%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E6%B0%91%E5%8F%8B%E6%96%B0%E8%81%9E-%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E9%96%80%E7%94%B0-%E9%9A%86%E5%B0%86/dp/4041107342/ref=cm_cr_pr_product_top
記者たちは海に向かった―津波と放射能と福島民友新聞
門田 隆将【著】
価格 \1,680(本体\1,600)
KADOKAWA(2014/03発売)
サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
商品コード 9784041107348
NDC分類 070.212
内容説明
大津波の最前線で取材していた24歳の地元紙記者は、なぜ死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。記者を喪っただけでなく、新聞発行そのものの危機に陥った「福島民友新聞」を舞台に繰り広げられた壮絶な執念と葛藤のドラマ。
目次
激震
助けられなかった命
救われた命
目の上の津波
堤防を乗り越える津波
機能を失った本社
救世主
本社はどうした?
「民友の記事を」
「民友をつぶす気ですか」
放射能の恐怖
配達された新聞
地獄絵図
思い出
それぞれの十字架
遺体発見
傷痕
著者紹介
門田隆将[カドタリュウショウ]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍している。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
その時、記者たちは、なぜ海に向かったのか――。東日本大震災で存続の危機に立った福島民友新聞。『死の淵を見た男』著者、門田隆将があの未曾有の危機に直面した記者たちの真実の姿と心情を描く。