歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

不勉強が身にしみる 学力・思考力・社会力とは何か (光文社新書) (新書)

2008年05月06日 | amazon.co.jp・リストマニア
現役の開業歯科医師による「父親として子供に何を残し何を伝えるべきか?」, 2008/5/6

By 歯職人

 著者の長山靖生氏は、62年生まれの鶴見大学歯学部卒業の現役の開業歯科医師にしてライター。
 気がつけば、40歳を超えた親として、父親として子供に何を残し何を伝えるべきか?この自問が本書執筆出版の動機として読んだ。
 旧制高校的教養主義は既に絶滅して久しい。受験勉強の弊害論も既に聞き飽き、「ゆとり教育」も消え去り、塾・予備校への教育の外注化も常態化した。
 長山靖生氏は、本書で極めて真っ当な「勉強とは何だろう」と問い直す。自らの「落ちこぼれ」としての経験の上で、社会人として社会との関わりの中で会得したことを踏まえ、親として子に向き合い、その姿をさらす以外に無いとの結論に至る道を無理なく指し示す。
 ニート、フリター問題が顕在化した時代状況を視野に入れながら、長山靖生氏の教育・教養論が展開される。
 幅広い読書経験とライターとしての経験を持つ長山靖生氏の「当たり前に努力する以外、道は無い」との言葉は、シンプルであるだけに抗しがたい。

(フベンキョウガミニシミルガクリョクシコウリョクシャカイリョクトハナニカコウブンシャシンショ )
光文社新書
不勉強が身にしみる―学力・思考力・社会力とは何か
ISBN:9784334033330 (4334033334)
240p 18cm
光文社 (2005-12-20出版)

・長山 靖生【著】
[新書 判] NDC分類:370.4 販売価:756(税込) (本体価:720)

四〇歳を過ぎた。
親として子に何かを教えようとしたとき、ふと、自分の生きざまを問われ、恥じ入りたい気持ちになる。
子供に読んでやる文章が、自分自身の身にしみる。
この年になってやっと、本当の勉強の意味に気付いた気がする―。
学力低下不安から、子供にお勉強をさせることは、一種のブームと言える盛り上がりを見せている。
しかし現在の日本人の不勉強ぶりは、子供にお勉強をさせればいいというレベルをとうに超えている。
自戒を込めて言えば、すでに大人からしてダメである。
本書は、凡庸な親が自分も勉強しなくてはならないと考え、しかし何をどうやって学ぶべきか、そもそも勉強とは何だっけ、といった事柄を、国語・倫理・歴史・自然科学といった広い分野にわたって思い悩むドキュメントである。

序章 不勉強社会ニッポンの現実
第1章 そのお勉強でいいの?
第2章 読書のすすめ、もしくは戒め
第3章 倫理は教えられるか、学べるか
第4章 「正しい歴史」は存在するか
第5章 自然科学と論理的思考力
第6章 「好きなら伸びる」は本当か
凡庸な親が子供の教育に悩みながら、自分もまた勉強しなくてはと考え、しかしそもそも勉強とは何だっけ・・・と国語・倫理・歴史・自然科学等広い分野にわたって思い悩むドキュメント。

長山靖生[ナガヤマヤスオ]
1962年茨城県生まれ。評論家、歯学博士。鶴見大学歯学部卒業。歯科医のかたわら、文芸評論、家族や若者の問題などに関して執筆活動を行う。’96年、『偽史冒険世界』(筑摩書房)で第十回大衆文学研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

最新の画像もっと見る