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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 NDC(日技データセンター)について

2011年06月20日 | ごまめ・Dental Today
NDC(日技データセンター)について

Q:NDC(日技データセンター)について一部で話題になっているようですが、何が問題になっているのでしょう?
A:公益社団法人としての役割を担う日本歯科技工士会、政治渉外部面を担う日本歯科技工士連盟、さらに新たに事業体として前二者と会員・都道府県歯科技工士会等に便益を提供するためにNDC(日技データセンター)が設立されています。

具体例から

秋田県歯科医師会では、株式会社アディックスを秋田県歯科医師会館の中に置き、県歯役員が派遣され、株式会社の役員を兼ねています。
秋田市HP内の工業労政課が管理する企業情報ページから
http://www.city.akita.akita.jp/city/in/pr/corpinfo/data/kjd50/corp52010000001407.htm
秋田市企業情報
株式会社アディックス
株式会社 アディックスの企業情報
セールスポイント
事業所名[カナ] 株式会社 アディックス [アディックス_]
主要製造品・取扱商品 損害保険代理店・歯科用機材・材料斡旋
企業の特色・得意分野
主要設備・機器     
保有する
特許、資格等 特許  件保有 / 件申請中
実用新案  件保有 / 件申請中
資格等
基本情報
代表者氏名 代表取締役 中村 嘉夫
事業所所在地 010-0941 秋田市川尻町字大川反170-102
電話番号、FAX番号 TEL. 018-823-4734 FAX. 018-862-9122
ホームページ、メール  
設立・設置年月日 平成1年9月
従業員数・合計 2人
資本金 1000万円
業種名 保険代理店 
所属団体  
この代表者は、現県歯会長代行の中村先生です。副会長時代に兼任として代表取締役に就任されました。(その後現職会長の死亡により、会長代行に就任。)(加筆:平成23年度からは、任期満了により新役員体制に変わり、HP上も順次更新されると予想)
社団法人 秋田県歯科医師会HP
http://www.akita-da.or.jp/
会長代行中村嘉夫「ごあいさつ」
http://www.akita-da.or.jp/ada/index.html
組織図
http://www.akita-da.or.jp/ada/index2-2.html
 関係団体として警察医師会、青色申告連合会、国民健康保険組合等々かあります。
 団体が、団体と会員の利便のために工夫し、適法な手続きで業務遂行と様々な役割分担・機能分担を行うことは当然のことです。関係行政・社会からの要請あります。
また現在、各都道府県歯科技工士会にも、それぞれに対応した歯科技工士連盟が置かれています。

 更に東京都歯科技工士会には、東京都歯科技工士協議会という組織があります。
東京都歯科技工士協議会
http://www.tokyo-labo.net/
 神奈川県歯科技工士会には、神奈川県歯科技工業協同組合という組織があります。
神奈川県歯科技工業協同組合
http://www.e-shops.jp/local/nsh/6384682095.html
http://blog.kdta.or.jp/2008/12/blog000089.html

 各都道府県歯科技工士会等がその必要性に応じで、任意団体であれ、組合であれ、事業体であれ、それぞれの時代に工夫して立ち上げたものです。会員の納得を得て、関係する法律等の手続きを踏んだ設立であれば何の問題も無いでしょう。

歯科技工士組織の各団体が会費を会員から別個に徴収すれば

 現在、私たちの会費は、県歯科技工士会が、日技会費、日技連盟会費、日本歯科技工学会会費、県内支部会費、県歯科技工士連盟会費を一括し徴収し、送金しています。
 日技(全国)関係の会費は、総合会費と呼ばれ、その納入率が日技の代議員会での議決権にも影響するスタイルが長年続いてきました。しかし、これは解消しなければならない形です。県歯科技工士会が、他団体の会費を代理徴収する、或いは他団体の会費を自らの団体の口座(会計)を通過させることは、出来るだけ早く解消されるべきことです。
 会費に関しては各団体が責任を持って、会員から納付を受けるべきものです。これが筋論です。
 その上で「しかしながら」、各団体が会員から個別にその会費を徴収するとすれば、各団体の事務費・管理費は増大します。各団体と会員の間で、銀行引落をするとすれば、銀行への委託料金が各団体の数だけ掛り増しになります。
 各団体がNDCに会員の会費引き落とし業務を委託する。会員は自分の銀行口座からの、各団体への会費引き落としを、NDCと契約する。NDCが各団体に、引き落としできた会費をまとめて送金する。このようにすれば、銀行手数料が格段に節約できるわけです。100円を集金するために、50円は使えません。銀行手数料等を極力最小化する工夫は、オール歯科技工士組織としては当然の工夫であり、一つの知恵です。

業務の安定的遂行のための対応

 NDCを設立するという工夫は、各団体の日常業務の重複を避け、安定的遂行を考えた場合に良く出来た対応と思います。現在、他県技では単独での事務員の雇用等にやや困難を来しているところもあります。しかし、これも例えば二県技が、共同し一人の事務員を雇用し、仕事を委託する。三県技が、同様に共同して一人の事務員を雇用し、仕事を委託する。このような形も将来あるかもしれません。更にそれが大きな規模で考えるならば、個々の各都道府県技の選択により事務の一部を受け皿としてNDCに委託する、そのような将来像も人口減少が続く日本にあって、全国各地の歯科技工士組織も会員が減少する中、事務費の比率の増加を抑えるためには有効な方法論として、将来検討されるでしょう。

大事なことは、経営の透明性と経営責任の担保

 大事なことは、その事業体の経営の透明性の確保の問題です。株式会社であれば、その資本(株式)の管理の問題、役員の選任の問題、利益配分の問題、管理責任の問題です。経営に責任を持ち、誤りのない経営を母体組織として担保することが重要です。
既にそれらに関しては、我々の業界として、先に具体例として挙げた営利企業、組合、任意団体と長年の経験を積んでいます。
それらの経験を踏まえた上での今回のNDCの設立ですから、管理する私たちの側の歯科技工士組織と会員の管理能力の向上にこそ着目すべきです。内部手続きを経て登記を終えたばかりの、これから本格稼働する会社ですが、組織運営に関しては、他団体を含めそれらの経験に謙虚によく学び、誤りない運営を心がけ、会員に分かり易く情報を周知することが必要でしょう。
2011/03/03記
2011/3/26加筆

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