秋田魁新報 2020/10/23
新聞配達員の支えに感謝
岩澤 毅 60歳(秋田市土崎港、歯科技工士)
18日の「新聞配達の日」「新聞少年の日」に合わせ、販売店の従業員や配達員を紹介する特集が本紙に掲載されていた。記事は、新聞配達を支える高齢者の姿を伝えてくれた。私たちの世代にとって当たり前にいた新聞少年は、近頃あまり見なくなってしまった。
わが家で一番早起きの88歳の母は、毎朝玄関を開け、新聞受けから本紙を取り出し、居間のテーブルに置くことを日課としている。不肖の息子の私は、それを当たり前のように思って暮らしてきた。高齢の母は、目の調子の良いときは新聞に目を通し、おくやみ欄を気にしているようだ。
高齢者の1人暮らしにとって、外部に異常を知らせる最初のサインは新聞受けかもしれない。取り出されていない前日の新聞や郵便物、牛乳などは、配達員の胸騒ぎを呼ぶだろう。新聞は、世界中の情報を読者に伝えるだけの物ではないのだ。読者と外の世界とをつなぐ役割も担っているのだ。
地域や、広い世界とつながることができる新聞購読の仕組みを維持し、支えてくれている方々に感謝したい。
一方で読み終えた古新聞は、たまるとかさばって重い。忙しく暮らす中で、回収日の前に新聞をまとめる作業は、つい面倒に思ってしまう。私よりも高齢の方にとっては、さらに重労働に感じることだろう。難儀だが、ため過ぎないように暮らしたい。