日本歯科新聞2022年1月18日号 投稿/寄稿
岩澤 毅 (歯科技工士)
日本大学田中前理事長の事案から、組織と人を考える
知性は張り手に 勝てなかったか
昨年の驚きの出来事の一つとして、日本大学の田中英寿前理事長の所得税法違反での逮捕・起訴、理事長職辞任、同窓会組織(校友会)の会長職の解任、校友会からの除名があった。
学生相撲で優れた成績を残し、相撲指導者としても他の追随を許さない業績で、競技団体等でも多くの役職についた姿から、底知れぬ人間力とある種の魅力を持った人物像であろうと感じる。
だが、日本大学という歴史と規模を誇る総合大学の理事職にまで上り詰め、さまざまなメディアにあまり宜しくない報道をされながら、長期にわたり理事長職を務めた姿は、組織としての日本大学本部の組織運営の不健全さと奇怪さを感じる。
私にも多くの日大や付属校の出身の友人知人がいる。彼らは、「本部は別世界。学長、理事長は、雲上人」との感想を述べている。具体的な事実関係については、すでに数多く報道がなされているので参照していただきたい。
日大は、日本における歯科医学の黎明期から一つの源流として存在し、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士の養成にも貢献する大学であり、歯科界に燦然と輝く存在であるだけに、大いに驚いたが、同時になかなか口に出せない事案であった。
田中氏に目をかけ、組織内で引き上げたてきた歴代の上司たちにとって、田中氏は重宝であり便利な力を持っていたことにより、何がしかのプラスがあったのだろうが、組織としての日本大学にとっては取り返しのつかない影響が今後も続くものと思われる。
個人商店、創業家や創業社長の企業ではないわけで、大学として原則的原理的な組織運営、人材育成と登用が行われていれば、起こりえないことだったのではないか。多数の知性、多様な人材を有する日本有数の大学で、このようなことがおこったことは、にわかには信じがたかった。
組織を蝕む兆候、隠れて進行する病巣の拡大に、「炭鉱のカナリア」の担い手もシグナルも無かったのか。
インテリは束になっても、体育会に敵わないのか。知性は張り手に勝てなかったのか。
一般社団法人 大阪府歯科技工士会 (daishigi.org)
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清水潤一会長 重大発表!! 第4弾(R4/1/12最新版) | 一般社団法人 大阪府歯科技工士会 (daishigi.org)
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