作家の時代を感じる力、時代の空気を物語に紡ぐ力に驚愕, 2010/8/13
By 歯職人
普段小説を読まない生活を送っているが、中島岳志氏の書評(朝日新聞「承認されたい個/全体への融解」)に導かれ、読了した。
現代社会に生きる自己の不安を超えた存在自体の危うさへの恐れが、物語の中の「俺」を「俺俺」を走らせる。
小説中の個々の舞台設定は単なる借り物であり、作家の仕掛けにより読者が出会うのは、読者の内部に存在する「俺俺」である。
読む者にとって、読了一度目は苦しさが先行するが、読了二度目には再生への希望の物語として側面がより浮かび上がってくるものと思われる。
中島岳志氏ブログ/コールタールの地平の上で
http://indo.to/nakajima/
星野智幸アーカイヴス
http://www.hoshinot.jp/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/410437203X/ref=cm_cr_mts_prod_img
オレオレ
俺俺
星野 智幸【著】
新潮社 (2010/06/30 出版)
251p / 19cm / B6判
ISBN: 9784104372034
NDC分類: 913.6
価格: ¥1,680 (税込)
詳細
マクドナルで隣り合わせた男の携帯電話を手に入れてしまった俺は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった。
そして俺は、気付いたら別の俺になっていた。
上司も俺だし母親も俺、俺でない俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。
俺でありすぎてもう何が何だかわからない。
電源オフだ、オフ。
壊ちまうす。
増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて―。
孤独と絶望に満ちたこの時代に、人間が信頼し合うとはどういうことか、読む者に問いかける問題作。
なりゆきでオレオレと詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた! 目に見えない戦場と化した現代社会で個人が生きる意味を問う衝撃的問題作。
著者紹介
星野智幸[ホシノトモユキ]
1965年ロサンゼルス生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、新聞記者をへて、メキシコに留学。97年「最後の吐息」で文藝賞を受賞。2000年「目覚めよと人魚は歌う」で三島由紀夫賞、03年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
By 歯職人
普段小説を読まない生活を送っているが、中島岳志氏の書評(朝日新聞「承認されたい個/全体への融解」)に導かれ、読了した。
現代社会に生きる自己の不安を超えた存在自体の危うさへの恐れが、物語の中の「俺」を「俺俺」を走らせる。
小説中の個々の舞台設定は単なる借り物であり、作家の仕掛けにより読者が出会うのは、読者の内部に存在する「俺俺」である。
読む者にとって、読了一度目は苦しさが先行するが、読了二度目には再生への希望の物語として側面がより浮かび上がってくるものと思われる。
中島岳志氏ブログ/コールタールの地平の上で
http://indo.to/nakajima/
星野智幸アーカイヴス
http://www.hoshinot.jp/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/410437203X/ref=cm_cr_mts_prod_img
オレオレ
俺俺
星野 智幸【著】
新潮社 (2010/06/30 出版)
251p / 19cm / B6判
ISBN: 9784104372034
NDC分類: 913.6
価格: ¥1,680 (税込)
詳細
マクドナルで隣り合わせた男の携帯電話を手に入れてしまった俺は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった。
そして俺は、気付いたら別の俺になっていた。
上司も俺だし母親も俺、俺でない俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。
俺でありすぎてもう何が何だかわからない。
電源オフだ、オフ。
壊ちまうす。
増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて―。
孤独と絶望に満ちたこの時代に、人間が信頼し合うとはどういうことか、読む者に問いかける問題作。
なりゆきでオレオレと詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた! 目に見えない戦場と化した現代社会で個人が生きる意味を問う衝撃的問題作。
著者紹介
星野智幸[ホシノトモユキ]
1965年ロサンゼルス生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、新聞記者をへて、メキシコに留学。97年「最後の吐息」で文藝賞を受賞。2000年「目覚めよと人魚は歌う」で三島由紀夫賞、03年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)