少子高齢化と人口減少化が進む中でのこれからの社会保障の理念とその在り方についてお尋ねいたします。
ここ数年の年金、介護、医療にわたる社会保障改革は、社会保障の持続可能性を高めるため、経済や財政との調和、給付と負担の均衡、世代間の公平性の確保という観点から行われたものです。しかし、これからの社会保障改革は、そこにとどまらず、地域経済の発展にも貢献し、何よりも、地域社会の助け合い、支え合いの新しい仕組みをつくり、地域社会の連帯感やきずなを取り戻すことこそ基本理念に据えるべきであると考えます。総理のおっしゃる自立と共生の社会づくりは、まさにそのことを目指すものであると考えます。これからの社会保障改革の全体像、福田福祉社会ビジョンを早急に取りまとめていただきたいと願います。
そのために、まず、社会保障の大きさをどの程度にするかを決めなければなりません。日本は、社会保障について、欧州諸国との比較では小さな政府を目指していると言えます。この社会保障の水準が安心できるものとして十分であるかどうか、国民的議論が必要であります。社会保障の給付の水準を上げるためには、一方で国民負担が必要となります。そのための国民合意は欠かせません。
私は、負担は大きくとも弱者に優しい国にしたいと願っています。中長期的な社会保障のあるべき形について、総理はどのようにお考えなのか、ずばり、日本を国民負担率何%の国にしようとお考えなのか、お聞きをいたします。
総理は、施政方針演説において、幅広く国民各層から成る社会保障国民会議を開催し、社会保障のあるべき姿やその中での政府の役割、負担の仕方などについて、高齢化時代の国民の不安にこたえることができるような議論を行うと表明されました。
そこで申し上げますが、社会保障の在り方についての議論は、小泉内閣時代の平成十六年に設置された社会保障の在り方に関する懇談会など、過去にも行われてまいりましたし、今うわさされているメンバーは、基本的にはこれまでの懇談会と同じ構成であります。今度の国民会議がこれまでと一味違う答えを出せるのか、期待されるような成果を上げることができるのか、会議の運び方について総理にお尋ねをいたします。
更に申し上げますと、経済財政諮問会議もこれまで社会保障に口を差し挟んできました。その諮問会議の議論は、社会保障の負担面ばかりに焦点が当てられてきました。社会保障の議論は、超高齢社会を迎える中で持続可能な制度としていくという視点は欠かせませんが、国民が安心して暮らすためにどのような社会保障サービスが必要なのかということが基本にされるべきであります。
新たに設置される社会保障国民会議では、社会保障をいかに抑制するかというような議論ではなく、総理のおっしゃる消費者、生活者の視点からどのようなサービスが必要なのか、そのようなサービスを支えるために政府や国民がどのような役割を負うべきかなどについて、広く議論が行われることを期待いたしております。
年金記録問題では、政府は言葉を並べ過ぎました。名寄せ、突合、突き合わせ、統合、照合などであります。そして、それぞれに都合の良い定義をした上で、名寄せはできますが統合はできませんと言っても理解されるはずはないのです。混乱させて国民を不安にしたのですから、厚生労働大臣はまず謝罪をして、その上でいま一度、いま一度、三月までとその後に分けて、できること、できないことをきっちりと説明をしてください。
年金は国民の老後生活を支える社会保障の中核の制度であり、今後も安定的に維持していくことが必要です。
先日、福田総理と小沢代表の党首討論がございました。その中で、民主党の小沢代表から、全員に年金の状況を送付して確認してもらう、違うという人は申し出てもらえばいい、まずは往復のはがきでいいから全員に送付して国民みんなの判断と申出を受け付けるべきじゃないだろうかという御提案がありました。
私はかねてから、いわゆるスウェーデン方式に学ぶのであれば、学ぶべきは、長い年月を掛け与野党が一緒になって年金の抜本的改革を行ったことだと考えてきました。年金制度を支えているのは国民の信頼であります。年金記録問題によって揺らいだ国民の信頼を一刻も早く取り戻すために皆で力を合わせるべきです。
参議院においても、年金制度自体の在り方について超党派で議論し、検討していく場を設けるときに来ているのではないかと考えております。まさに社会保障の柱である年金制度が時代を超えて確固たるものとして国民の生活を支えていけるように、立場を超えてあらゆる英知を結集すべきではないでしょうか。そのことを申し上げた上で、総理にお伺いをいたします。
先日の小沢代表の御提案は助け船ではなかったのかなと思いますけれども、総理はどのようにお受け止めになったのか、そして、改めてお受けになるおつもりはないのか、お尋ねをいたします。
総理、一つの提案をさせてください。
今や社会保障関係費は一般歳出の半分近くを占めます。厚生労働大臣は一人でその責任を負っています。私も厚生労働大臣をさせていただきました。正直に言いますと、余りに忙し過ぎます。一人で担当するのは無理があります。消費者担当大臣も置かれるようですから、年金のみを担当する大臣をつくられてはいかがでしょうか。党派を超えて人材を登用されるなら、国民の不安解消にも役立つと考えます。
安倍前総理は戦後レジームからの脱却を掲げられました。そして、約十か月で、防衛省の省昇格、教育基本法の改正、憲法改正のための国民投票法の制定と、短い期間ながら懸案の処理に成果を上げられました。
国の形をどうつくるか、その中で国民をどのように導いていくか、国家の最高指導者に課せられた重い課題であります。
そこで、総理の国家観を伺いたいのであります。二千年以上の時が流れる我が国の歴史を踏まえ、今、どのような国をつくろうとなさるのか、その上で、国家百年の計である我が国の将来を担う若者たちの教育をどうするのか、国家の基本たる憲法はいかにあるべきか、お考えを御披瀝願います。
最後に一言申し上げます。
薩摩藩主島津斉彬に次の言葉があります。勇断なき人は事をなすことあたわざるなり。総理、難局に当たる今こそ、断固たる信念の下、国と国民のために先頭に立ってください。私どもも全力を挙げて御一緒に頑張りますことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
ここ数年の年金、介護、医療にわたる社会保障改革は、社会保障の持続可能性を高めるため、経済や財政との調和、給付と負担の均衡、世代間の公平性の確保という観点から行われたものです。しかし、これからの社会保障改革は、そこにとどまらず、地域経済の発展にも貢献し、何よりも、地域社会の助け合い、支え合いの新しい仕組みをつくり、地域社会の連帯感やきずなを取り戻すことこそ基本理念に据えるべきであると考えます。総理のおっしゃる自立と共生の社会づくりは、まさにそのことを目指すものであると考えます。これからの社会保障改革の全体像、福田福祉社会ビジョンを早急に取りまとめていただきたいと願います。
そのために、まず、社会保障の大きさをどの程度にするかを決めなければなりません。日本は、社会保障について、欧州諸国との比較では小さな政府を目指していると言えます。この社会保障の水準が安心できるものとして十分であるかどうか、国民的議論が必要であります。社会保障の給付の水準を上げるためには、一方で国民負担が必要となります。そのための国民合意は欠かせません。
私は、負担は大きくとも弱者に優しい国にしたいと願っています。中長期的な社会保障のあるべき形について、総理はどのようにお考えなのか、ずばり、日本を国民負担率何%の国にしようとお考えなのか、お聞きをいたします。
総理は、施政方針演説において、幅広く国民各層から成る社会保障国民会議を開催し、社会保障のあるべき姿やその中での政府の役割、負担の仕方などについて、高齢化時代の国民の不安にこたえることができるような議論を行うと表明されました。
そこで申し上げますが、社会保障の在り方についての議論は、小泉内閣時代の平成十六年に設置された社会保障の在り方に関する懇談会など、過去にも行われてまいりましたし、今うわさされているメンバーは、基本的にはこれまでの懇談会と同じ構成であります。今度の国民会議がこれまでと一味違う答えを出せるのか、期待されるような成果を上げることができるのか、会議の運び方について総理にお尋ねをいたします。
更に申し上げますと、経済財政諮問会議もこれまで社会保障に口を差し挟んできました。その諮問会議の議論は、社会保障の負担面ばかりに焦点が当てられてきました。社会保障の議論は、超高齢社会を迎える中で持続可能な制度としていくという視点は欠かせませんが、国民が安心して暮らすためにどのような社会保障サービスが必要なのかということが基本にされるべきであります。
新たに設置される社会保障国民会議では、社会保障をいかに抑制するかというような議論ではなく、総理のおっしゃる消費者、生活者の視点からどのようなサービスが必要なのか、そのようなサービスを支えるために政府や国民がどのような役割を負うべきかなどについて、広く議論が行われることを期待いたしております。
年金記録問題では、政府は言葉を並べ過ぎました。名寄せ、突合、突き合わせ、統合、照合などであります。そして、それぞれに都合の良い定義をした上で、名寄せはできますが統合はできませんと言っても理解されるはずはないのです。混乱させて国民を不安にしたのですから、厚生労働大臣はまず謝罪をして、その上でいま一度、いま一度、三月までとその後に分けて、できること、できないことをきっちりと説明をしてください。
年金は国民の老後生活を支える社会保障の中核の制度であり、今後も安定的に維持していくことが必要です。
先日、福田総理と小沢代表の党首討論がございました。その中で、民主党の小沢代表から、全員に年金の状況を送付して確認してもらう、違うという人は申し出てもらえばいい、まずは往復のはがきでいいから全員に送付して国民みんなの判断と申出を受け付けるべきじゃないだろうかという御提案がありました。
私はかねてから、いわゆるスウェーデン方式に学ぶのであれば、学ぶべきは、長い年月を掛け与野党が一緒になって年金の抜本的改革を行ったことだと考えてきました。年金制度を支えているのは国民の信頼であります。年金記録問題によって揺らいだ国民の信頼を一刻も早く取り戻すために皆で力を合わせるべきです。
参議院においても、年金制度自体の在り方について超党派で議論し、検討していく場を設けるときに来ているのではないかと考えております。まさに社会保障の柱である年金制度が時代を超えて確固たるものとして国民の生活を支えていけるように、立場を超えてあらゆる英知を結集すべきではないでしょうか。そのことを申し上げた上で、総理にお伺いをいたします。
先日の小沢代表の御提案は助け船ではなかったのかなと思いますけれども、総理はどのようにお受け止めになったのか、そして、改めてお受けになるおつもりはないのか、お尋ねをいたします。
総理、一つの提案をさせてください。
今や社会保障関係費は一般歳出の半分近くを占めます。厚生労働大臣は一人でその責任を負っています。私も厚生労働大臣をさせていただきました。正直に言いますと、余りに忙し過ぎます。一人で担当するのは無理があります。消費者担当大臣も置かれるようですから、年金のみを担当する大臣をつくられてはいかがでしょうか。党派を超えて人材を登用されるなら、国民の不安解消にも役立つと考えます。
安倍前総理は戦後レジームからの脱却を掲げられました。そして、約十か月で、防衛省の省昇格、教育基本法の改正、憲法改正のための国民投票法の制定と、短い期間ながら懸案の処理に成果を上げられました。
国の形をどうつくるか、その中で国民をどのように導いていくか、国家の最高指導者に課せられた重い課題であります。
そこで、総理の国家観を伺いたいのであります。二千年以上の時が流れる我が国の歴史を踏まえ、今、どのような国をつくろうとなさるのか、その上で、国家百年の計である我が国の将来を担う若者たちの教育をどうするのか、国家の基本たる憲法はいかにあるべきか、お考えを御披瀝願います。
最後に一言申し上げます。
薩摩藩主島津斉彬に次の言葉があります。勇断なき人は事をなすことあたわざるなり。総理、難局に当たる今こそ、断固たる信念の下、国と国民のために先頭に立ってください。私どもも全力を挙げて御一緒に頑張りますことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)