渡辺憲司 (著) 時に海を見よ-これからの日本を生きる君に贈る

教育者・高校長は、東日本大震災と原子力発電所事故に眼前に、卒業生に何を伝え得たか, 2012/1/2

By 歯職人

　多感な高校生を送り出す卒業式に、東日本大震災と原子力発電所事故の進行を眼前にして、教育者・高校長はいかなる言葉を贈れるか?伝える言葉を持ち得るのか?
　本書の著者である立教新座中学校高等学校校長渡辺憲司氏は、その溢れ出る思いを卒業生にその「時に海を見よ」との言葉に象徴し送った。
　紳士たる大人になる要件として、孤独に身を置き、孤独に耐え、孤独を経験し、孤独を理解し、それを通過することにより他人を理解する過程を経る。
　高校を卒業し大学に行くであろう卒業生に、「時に海を見る」、一人海を見に行く心情を持ち得る事を、卒業後の課題として提起する。
　読者は本書ある幾つかの文章により、渡辺憲司氏がタイトルにある「時に海を見よ」の文章を綴るに至るその道程を理解する素材を得る。
　渡辺憲司氏は、高校長として決して模範的理想的な姿とは別種と思われるが、3.11以後の時期インターネット上で求心力を持ち得た理由と、渡辺憲司氏の心情を知る上で、本書は貴重な一冊となる。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4575303240/ref=cm_cr_mts_prod_img

トキニウミヲミヨ　コレカラノニホンヲイキルキミニオクル
時に海を見よ―これからの日本を生きる君に贈る


渡辺　憲司【著】
双葉社 （2011/06/19 出版）

156p / 19cm / B6判
ISBN： 9784575303247
NDC分類： 159.7

価格： ￥1,260 (税込)

詳細

卒業生へのメッセージが「感動的すぎる」とツイッターで全国に広まった話題の校長先生が新たに書き下ろす３．１１後を生きるための言葉。

三月のメッセージ
これからの日本を生きる君へ（いま贈る言葉；孤独を見つめよ；言葉を信じよ；夢を抱け；紳士たれ；優しさをもて；大学に進む者へ　ほか）
遅刻を叱れない教師として

著者紹介
渡辺憲司［ワタナベケンジ］
１９４４年北海道函館市生まれ。立教大学大学院博士課程修了。横浜市立横浜商業高等学校定時制教諭、私立武蔵中学校高等学校教諭、梅光女学院大学短期大学部・文学部助教授、立教大学文学部教授等を経て、２０１０年８月より立教新座中学校高等学校校長。２０１１年３月、立教新座高校の卒業式が中止となったため、卒業生へのメッセージを学校のホームページに公開したところ、ツイッター等インターネットを通して大きな反響を呼び、全国に広まった。専門は日本近世文学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）