123 - 衆 - 予算委員会第四分科会 - 2号
平成04年03月12日
○金子(徳)分科員 次に、歯科医療についてお尋ねをいたしたいと存じます。
八〇二〇運動推進対策、これも長寿高齢化社会を迎えてのステップを着実に展開をするという意味で、非常にこの努力を多とするわけであります。予算についても、それぞれ前年対比では七・二%、医療現場では五・一%の増額をされているわけでありますが、二年に一回の医療費改定が行われる中で、医科と歯科両方のドクターの意見等がいろいろ耳に入るわけであります。どうも医療費改定のときには格差があるのではないかな、そのように感じることも私自身もあったわけであります。
しかし、それはそれぞれ論拠があって、中央医療協議会の中での答申を受けての上でありますから、それは別にいたしまして、医療行為には全く変わりないと思うわけです。実際、歯科医療技術なり医療行為について、今人工臓器時代と医科、特に内科では言われているわけでありますが、内科、外科と同じような形で入れ歯を、義歯を物として見ているのではないかなという感じがするわけであります。私ども歯が痛いと、一日たりとも我慢できない大変な状況になるわけですが、義歯を入れてからリハビリなしで、すぐこれが人工臓器として機能するというふうに考えておられるのかどうか。
それから、義歯装着移のリハビリ、そしてまた調整には点数算定がないわけであります。再診料のみであります。また薬価基準としても、購入価格十五円以下は一点のみになるわけですか、乙表適用になるかと思いますが、この基準の甲乙表あるいは歯科表の中でちょっと検討する余地があるのではないかな、そのように感じているわけであります。
また、具体的に硬質レジン前装冠、いわゆる入れ歯でありますけれども、これは老人社会になりますと、どうしても単冠で認めてほしいというような要望がいろいろと出ていると思います。ブリッジの方は既に認められているわけでありますけれども、この点について矛盾があるように感じますので、改善すべきと思っております。この点についてはいかがでしょうか。
○黒木政府委員 歯科の診療報酬につきまして広範な御質問をいただいたわけでございます。
まず、今回の歯科の改定でございますけれども、二・七%ということで、私どもとしては前三回の改定がずっと一%できておったわけでございまして、今回の歯科の改定は、久しぶりの大ぶりの改定枠を確保した上での改定であるということをぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
さらに、医科と歯科の格差にお触れになりましたけれども、確かに今回、医科は五・四であり、歯科は二・七でございますけれども、医科のほとんど半分ぐらいは看護婦対策、看護関連経費ということで、ここに私どもの改定枠の重点を移したわけでございますので、そういう意味からいってもぜひ御理解、御納得をいただきたいと思うわけでございます。
入れ歯等について、特に物として見ているのではないかというお尋ねがございました。私どもは、義歯の装着に対する診療報酬という場合に、物としてよりも、その診断から装着、さらにその後の指導に至るまでの診察室におきますいわゆるチェアーサイド技術というものを随分重点的に評価をいたしておりますし、義歯の製作に係る技術につきましても適切な評価が行われるように、中医協の専町家の御議論も踏まえまして、具体的に今回の点数設定を行ってきたところでございます。
今回の改定におきましては、私どもの重点という意味から申し上げますと、初診料とか再診料等の引き上げを行いますほか、俗に八〇二〇といいますけれども、歯が抜けないようにということで、歯牙の喪失の抑制等につながる技術というふうなものを非常に重点的に評価をしたつもりでございます。
材料費の問題等々、さらに私どもとしては、今回だけではなくて、今後ともよりよき歯科診療報酬のあり方を目指して検討しなけれ偉ならないと思っておるわけでございますけれども、まさしく先生御指摘されましたように、技術料の評価という基本的観点に立ちまして、専門的な中医協の御議論を踏まえながら、今後とも歯科診療報酬が適切なものになるよう、あるいは先生の念願されるような診療報酬になるように、さらに努力をさしていただきたいと思うわけでございます。
○金子(徳)分科員 よろしくお願いしたいと思います。
この歯科医療は、特に地方における地域医療の中で大変重要な意味合いを持ってきているわけでありますが、大半が民間診療所であるということで、いろいろと問題もないわけではないと思っております。特に、これは伝統的なドクターに対する差があるというような、これはドイツ等では確かに一般医療とは切り離した分野での観念がされてきたわけでありますが、西欧は別にして、日本の場合はこれから大いにそうした老人歯科医療の充実等も図っていかなければならないというふうに思っておりますので、ぜひ末端における在宅寝たきり老人の歯科医療についての充実を図っていただければなと思うわけであります。
それと同時に、歯科衛生士、歯科技工士に対して、人材確保の面から、医療費改定に当たって、先ほど保険局長から御説明がございましたが、ぜひ適切な待遇が確保されるように御配慮をお願いしたい。どうしても人件費分に食い込んでしまうというような問題がございますので、なお重ねてお願いをしておきたいと思うわけであります。
それから、あわせてお願い申し上げておきたいことがございます。これは歯科医師の資質の向上についてでございますけれども、卒業生が非常に多い。不祥事件も、ある大学ではあったというようなこともございます。歯科医師過剰と言われている時代ですけれども、資質についてはやはり高いレベルを維持していくべきだ。これは世界各国と比較しても、我が国の場合は非常に高い水準にあるわけでありますけれども、どうか卒業の後に臨床研修を十二分に実施するように御指導賜りたいということでございます。
それから、低い保険点数と言っては先ほどの局長さんの套言葉を返すようになりますが、どうしても能率主義になりがちだ。時間制でもって行列をして待っているというようなこともあって、そうしたことで患者と医師との間の信頼関係が失われないような指導もあわせて、初めて医療につかれる、診療所経営をされる歯科医師に対しては、先ほど申し上げた臨床研修の充実をぜひ図っていただきたいと思うわけでありますが、この点について所見があればお願いをいたしたいと思います。
○岡光政府委員 まず、寝たきり状態の老人の歯科医療の充実という点でございますが、従来からこの必要性を痛感しておりまして、経過を若干申し上げますと、昭和六十三年に寝たきり老人訪問診療料というものを設定いたしました。それから、あわせまして、保健婦や看護婦による寝たきり老人訪問看護指導料、こういうものを設けたことがございます。それから平成二年には、歯科衛生士による同じような寝たきり老人訪問看護・指導料を新設したところでございます。
今回の改正に当たりましても、寝たきり老人のところへ訪問をして実際に治療を行うわけでございまして、それに伴って切削の器具が必要になってくるわけでございます。これは大変重いものであるし、大がかりなものであるようでございますが、そういった器具を携行しまして必要な治療を行った場合には、特別の加算を行って、そういう行為がなお促進されるようにという配慮を行いました。あわせまして、歯科診療が困難な心身障害者に対して訪問診療を行った場合に、これも加算をするということで、その促進を考えようというような改善を行っているところでございます。
○黒木政府委員 医療費に関連いたしまして、歯科衛生士あるいは歯科技工士の重要性の御指摘でございます。
私どもも、歯科医療におきましては、歯科医師のみならず歯科衛生士の方あるいは歯科技工士の方、そういうものと一体となったチーム医療が非常に重要であるという認識は、先生と同様でございます。これらのスタッフがその技術を十分に発揮できるような医業経営の確保が重要であり、そのためにまた診療報酬が重要であるというふうに心得ておるところでございます。今回の診療報酬も、そういう観点から、健全な歯科医業経営ができますように、中医協の御議論を踏まえながら改定を行ったつもりでございます。
さらに、今回の改定におきまして、歯科技工士に関します技術の評価といたしましては、例えば歯冠修復・欠損補綴の製作料のうち全部鋳造冠や部分床義歯等の引き上げを行いましたし、また歯科衛生士につきましては、歯科衛生士の歯周疾患治療における指導を重点的に評価する等の改定を行っておるわけでございますので、御理解いただきたいと思うわけでございます。
○古市政府委員 歯科医師の資質の向上についてでございますが、やはり第一義的には歯学部在学中の歯学教育によって十分の知識と技能を身につけていただく。それに基づいて国家試験を受けて歯科医師になられるわけでございますけれども、厚生省の所管は卒後の方たちの技術、知識の向上で、そのために私どもは六十二年から一般歯科医
養成研修事業というものをやっております。
ただ、この履修率が、予算等の関係もございまして、現在新卒者の三五・四%が対象でやっていただいております。しかし、これはよく総義歯等の装着が合わないというようなことで、時間的にも物的にも壮大なむだがあると御指摘を受けるように、やはり歯科医療の技術を向上することがトータルのコストを下げるということにもつながりますので、さらに今後とも臨床研修については力を入れていきたいと思っております。
平成04年03月12日
○金子(徳)分科員 次に、歯科医療についてお尋ねをいたしたいと存じます。
八〇二〇運動推進対策、これも長寿高齢化社会を迎えてのステップを着実に展開をするという意味で、非常にこの努力を多とするわけであります。予算についても、それぞれ前年対比では七・二%、医療現場では五・一%の増額をされているわけでありますが、二年に一回の医療費改定が行われる中で、医科と歯科両方のドクターの意見等がいろいろ耳に入るわけであります。どうも医療費改定のときには格差があるのではないかな、そのように感じることも私自身もあったわけであります。
しかし、それはそれぞれ論拠があって、中央医療協議会の中での答申を受けての上でありますから、それは別にいたしまして、医療行為には全く変わりないと思うわけです。実際、歯科医療技術なり医療行為について、今人工臓器時代と医科、特に内科では言われているわけでありますが、内科、外科と同じような形で入れ歯を、義歯を物として見ているのではないかなという感じがするわけであります。私ども歯が痛いと、一日たりとも我慢できない大変な状況になるわけですが、義歯を入れてからリハビリなしで、すぐこれが人工臓器として機能するというふうに考えておられるのかどうか。
それから、義歯装着移のリハビリ、そしてまた調整には点数算定がないわけであります。再診料のみであります。また薬価基準としても、購入価格十五円以下は一点のみになるわけですか、乙表適用になるかと思いますが、この基準の甲乙表あるいは歯科表の中でちょっと検討する余地があるのではないかな、そのように感じているわけであります。
また、具体的に硬質レジン前装冠、いわゆる入れ歯でありますけれども、これは老人社会になりますと、どうしても単冠で認めてほしいというような要望がいろいろと出ていると思います。ブリッジの方は既に認められているわけでありますけれども、この点について矛盾があるように感じますので、改善すべきと思っております。この点についてはいかがでしょうか。
○黒木政府委員 歯科の診療報酬につきまして広範な御質問をいただいたわけでございます。
まず、今回の歯科の改定でございますけれども、二・七%ということで、私どもとしては前三回の改定がずっと一%できておったわけでございまして、今回の歯科の改定は、久しぶりの大ぶりの改定枠を確保した上での改定であるということをぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
さらに、医科と歯科の格差にお触れになりましたけれども、確かに今回、医科は五・四であり、歯科は二・七でございますけれども、医科のほとんど半分ぐらいは看護婦対策、看護関連経費ということで、ここに私どもの改定枠の重点を移したわけでございますので、そういう意味からいってもぜひ御理解、御納得をいただきたいと思うわけでございます。
入れ歯等について、特に物として見ているのではないかというお尋ねがございました。私どもは、義歯の装着に対する診療報酬という場合に、物としてよりも、その診断から装着、さらにその後の指導に至るまでの診察室におきますいわゆるチェアーサイド技術というものを随分重点的に評価をいたしておりますし、義歯の製作に係る技術につきましても適切な評価が行われるように、中医協の専町家の御議論も踏まえまして、具体的に今回の点数設定を行ってきたところでございます。
今回の改定におきましては、私どもの重点という意味から申し上げますと、初診料とか再診料等の引き上げを行いますほか、俗に八〇二〇といいますけれども、歯が抜けないようにということで、歯牙の喪失の抑制等につながる技術というふうなものを非常に重点的に評価をしたつもりでございます。
材料費の問題等々、さらに私どもとしては、今回だけではなくて、今後ともよりよき歯科診療報酬のあり方を目指して検討しなけれ偉ならないと思っておるわけでございますけれども、まさしく先生御指摘されましたように、技術料の評価という基本的観点に立ちまして、専門的な中医協の御議論を踏まえながら、今後とも歯科診療報酬が適切なものになるよう、あるいは先生の念願されるような診療報酬になるように、さらに努力をさしていただきたいと思うわけでございます。
○金子(徳)分科員 よろしくお願いしたいと思います。
この歯科医療は、特に地方における地域医療の中で大変重要な意味合いを持ってきているわけでありますが、大半が民間診療所であるということで、いろいろと問題もないわけではないと思っております。特に、これは伝統的なドクターに対する差があるというような、これはドイツ等では確かに一般医療とは切り離した分野での観念がされてきたわけでありますが、西欧は別にして、日本の場合はこれから大いにそうした老人歯科医療の充実等も図っていかなければならないというふうに思っておりますので、ぜひ末端における在宅寝たきり老人の歯科医療についての充実を図っていただければなと思うわけであります。
それと同時に、歯科衛生士、歯科技工士に対して、人材確保の面から、医療費改定に当たって、先ほど保険局長から御説明がございましたが、ぜひ適切な待遇が確保されるように御配慮をお願いしたい。どうしても人件費分に食い込んでしまうというような問題がございますので、なお重ねてお願いをしておきたいと思うわけであります。
それから、あわせてお願い申し上げておきたいことがございます。これは歯科医師の資質の向上についてでございますけれども、卒業生が非常に多い。不祥事件も、ある大学ではあったというようなこともございます。歯科医師過剰と言われている時代ですけれども、資質についてはやはり高いレベルを維持していくべきだ。これは世界各国と比較しても、我が国の場合は非常に高い水準にあるわけでありますけれども、どうか卒業の後に臨床研修を十二分に実施するように御指導賜りたいということでございます。
それから、低い保険点数と言っては先ほどの局長さんの套言葉を返すようになりますが、どうしても能率主義になりがちだ。時間制でもって行列をして待っているというようなこともあって、そうしたことで患者と医師との間の信頼関係が失われないような指導もあわせて、初めて医療につかれる、診療所経営をされる歯科医師に対しては、先ほど申し上げた臨床研修の充実をぜひ図っていただきたいと思うわけでありますが、この点について所見があればお願いをいたしたいと思います。
○岡光政府委員 まず、寝たきり状態の老人の歯科医療の充実という点でございますが、従来からこの必要性を痛感しておりまして、経過を若干申し上げますと、昭和六十三年に寝たきり老人訪問診療料というものを設定いたしました。それから、あわせまして、保健婦や看護婦による寝たきり老人訪問看護指導料、こういうものを設けたことがございます。それから平成二年には、歯科衛生士による同じような寝たきり老人訪問看護・指導料を新設したところでございます。
今回の改正に当たりましても、寝たきり老人のところへ訪問をして実際に治療を行うわけでございまして、それに伴って切削の器具が必要になってくるわけでございます。これは大変重いものであるし、大がかりなものであるようでございますが、そういった器具を携行しまして必要な治療を行った場合には、特別の加算を行って、そういう行為がなお促進されるようにという配慮を行いました。あわせまして、歯科診療が困難な心身障害者に対して訪問診療を行った場合に、これも加算をするということで、その促進を考えようというような改善を行っているところでございます。
○黒木政府委員 医療費に関連いたしまして、歯科衛生士あるいは歯科技工士の重要性の御指摘でございます。
私どもも、歯科医療におきましては、歯科医師のみならず歯科衛生士の方あるいは歯科技工士の方、そういうものと一体となったチーム医療が非常に重要であるという認識は、先生と同様でございます。これらのスタッフがその技術を十分に発揮できるような医業経営の確保が重要であり、そのためにまた診療報酬が重要であるというふうに心得ておるところでございます。今回の診療報酬も、そういう観点から、健全な歯科医業経営ができますように、中医協の御議論を踏まえながら改定を行ったつもりでございます。
さらに、今回の改定におきまして、歯科技工士に関します技術の評価といたしましては、例えば歯冠修復・欠損補綴の製作料のうち全部鋳造冠や部分床義歯等の引き上げを行いましたし、また歯科衛生士につきましては、歯科衛生士の歯周疾患治療における指導を重点的に評価する等の改定を行っておるわけでございますので、御理解いただきたいと思うわけでございます。
○古市政府委員 歯科医師の資質の向上についてでございますが、やはり第一義的には歯学部在学中の歯学教育によって十分の知識と技能を身につけていただく。それに基づいて国家試験を受けて歯科医師になられるわけでございますけれども、厚生省の所管は卒後の方たちの技術、知識の向上で、そのために私どもは六十二年から一般歯科医
養成研修事業というものをやっております。
ただ、この履修率が、予算等の関係もございまして、現在新卒者の三五・四%が対象でやっていただいております。しかし、これはよく総義歯等の装着が合わないというようなことで、時間的にも物的にも壮大なむだがあると御指摘を受けるように、やはり歯科医療の技術を向上することがトータルのコストを下げるということにもつながりますので、さらに今後とも臨床研修については力を入れていきたいと思っております。