質問主意書情報 平成18年10月20日現在
件名 歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
提出回次 165回 提出番号 7
提出日 平成18年10月11日
提出者 櫻井充君
備考
その他
転送日 平成18年10月16日
答弁書受領日 平成18年10月20日
質問主意書
質問第七号
歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成十八年十月十一日
櫻 井 充
参議院議長 扇 千 景 殿
--------------------------------------------------------------------------------
歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
歯科医療に係る診療報酬点数等について不明な点を質すべく、私は「歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書」(第一六四回国会質問第八〇号)(以下「前回質問主意書」という。)を提出した。しかし、その答弁に納得できない点が多数あったことに加え、新たに他の不明な点が生じた。
そこで、以下の点について質問する。
一 前回質問主意書問五の答弁では、歯科医療の感染防止対策費用は中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)の議論を経て、総合的に評価しているとのことであるが、歯科の感染対策費用に関する議論がどのように行われたか明らかにすることは、必要不可欠である。
1 厚生労働省のホームページにおいて、中医協の議事録が公開されていることは承知しているが、中医協において、歯科の感染対策費用に関する議論はいつ行われたのか。厚生労働省のホームページ上で公開されている中医協の議事録の日時等該当箇所を示されたい。
2 1以外の歯科の感染対策費用に関する議論について、ホームページ上で公開されていない議事録等の資料及び非公式な会合等が存在するのか。政策決定過程の透明性を確保することの重要性にかんがみ、存在するのであれば、その日時等概略を示されたい。
3 歯科の感染対策費用に関する議論等の結果から、どのような評価を得て今回の点数改定に反映したのか、厚生労働省内部において評価を行った担当部署、担当者、評価方法、評価日時とともに具体的な作業過程をそれぞれ示されたい。
二 前回質問主意書問八の歯科疾患継続指導料に係る質問では、その包括点数の計算根拠を示すよう求めたが、答弁ではこの計算根拠が具体的に明らかにされていない。歯科疾患継続指導料に含まれているもの及びその点数割合を明らかにされたい。
三 前回質問主意書問八の答弁では「なお、継続治療計画に基づかない外傷等の突発的な疾患については、当該疾患に係る処置の費用について、併せて算定できる取扱いとしているところである。」とあるが、これは継続治療計画書に書かれていない突発的な疾患は特掲診療料を別途算定できると解釈してよいか。政府の見解を示されたい。
四 前回質問主意書問九の答弁から解釈すると、歯科衛生士がスケーリング及びルートプレーニングを行うことについては、診療現場において歯科医師の判断に任されると考えてよいか。つまり、歯科医師の責任の下に歯科医師の指導により、歯科衛生士がスケーリング及びルートプレーニングを行えるとの認識であるのか。また、「個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある」との答弁があるが、具体的に誰がいつ判断するのか。それぞれ政府の見解を明らかにされたい。
五 中医協において補てつ物維持管理料は広く普及したという理由で点数の削減が提言され、それを反映した改定が今回行われたが、補てつ物維持管理料を導入した当時の目的及びその経緯を明らかにされたい。
六 前回質問主意書問十二の答弁で、「なお、歯科技工士が『長時間・低賃金労働を強いられている』という実態については、承知していない。」と述べているが、これの意味するところは、政府はこのような歯科技工士の置かれた状況があり得ないと考えているということか、あるいは、あるかもしれないが聞いていないということか、明らかにされたい。また、政府は現状をどう把握しているのか。把握できていないのであれば、今後、歯科技工士の労働条件や賃金に関する実態調査等を実施し、改善を図っていくつもりなのか。政府の見解を示されたい。
七 現在、診療報酬請求を行う際、歯肉縁上のスケーリングは初診料、再診料に含まれてしまい別に算定できない規則となっているが、同様に、初診料、再診料に含まれてしまい別に算定できないものをすべて示されたい。
八 ある県においては、社会保険事務局指導医療官から、歯周疾患の治療が終了する前に補てつ治療を行ったものはすべて診療報酬を返還せよとの指導が行われた。しかし、診療現場では、歯周疾患治療中であっても補てつ治療を望む患者が存在している。政府は社会保険事務局指導医療官のこのような指導が適切であると考えるか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
答弁書
答弁書第七号
内閣参質一六五第七号
平成十八年十月二十日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三
参議院議長 扇 千 景 殿
参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
--------------------------------------------------------------------------------
参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対する答弁書
一の1について
御指摘の歯科医療の感染防止対策費用に係る項目を含む平成十八年度の歯科診療報酬の改定については、平成十八年二月三日、八日及び十五日に開催された中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)において、その主要改定項目案について議論されており、これに関する資料及び議事録については、厚生労働省のホームページに掲載されている。
一の2について
厚生労働省として把握している限りにおいては、歯科医療の感染防止対策費用に関する議論については、中医協の議事録等のうち厚生労働省のホームページに掲載されていないものはなく、また、中医協の委員が非公式に集まった会合等は存在しない。
一の3について
歯科診療報酬については、厚生労働大臣からの諮問に対し、中医協における議論を経て、中医協からの答申により歯科診療報酬点数表の改正案が示され、それを基に厚生労働大臣が定めることとされている。なお、厚生労働省保険局医療課が中医協の庶務を担当している。
二について
歯科疾患継続指導料には、診療報酬の算定方法(平成十八年厚生労働省告示第九十二号)別表第二区分番号B004の8の注2に規定するとおり、歯科衛生実地指導料、診療情報提供料(Ⅰ)、歯周基本検査、初期齲蝕小窩裂溝填塞処置、スケーリング及び有床義歯調整料に係る費用を除く特掲診療料に係る費用に(以下「関係費用」という。)が含まれている。また、歯科疾患継続指導料においては、医療経済実態調査等の結果を踏まえた中医協における議論を経て、関係費用を総合的に評価しているところである。
三について
御指摘の歯科疾患継続指導料の算定に係る「継続治療計画に基づかない外傷等の突発的な疾患」とは、外傷又は義歯の破損に限られるものであり、この場合には、歯科疾患継続指導料を算定中の患者であっても、これらの治療に係る特掲診療料に限り、歯科疾患継続指導料と併せて算定できる取扱いとしているところである。
四について
スケーリング及びルートプレーニングが、歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)第二条第一項の歯牙及び口腔の疾患の予防処置又は同条第二項の歯科診療の補助(以下「疾病予防処置等」という。)に該当する場合には、歯科衛生士がこれらの行為を行うことは可能であるが、これについては、個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある。
また、個々の行為が疾病予防処置等に該当するか否かについて、歯科衛生士法を所管する省庁として最終的に判断するのは、厚生労働省である。
五について
御指摘の補てつ物維持管理料については、咀嚼機能の長期的な維持を図るため、補てつ技術の質に着目して、歯冠補てつ物及びブリッジの維持管理を新たに評価し、歯の健康作りを進める「八○二○運動」を診療報酬の面からも推進する目的で導入されたものであり、中医協における議論を経て、平成八年度の歯科診療報酬の改定において新設されたものである。
六について
政府としては、個々の歯科技工士の勤務実態については承知していないが、厚生労働省が実施した「平成十七年賃金構造基本統計調査」によると、歯科技工士の平均的な勤務実態が他の医療関係職種に比べて著しく劣っているわけではなく、御指摘のような実態調査を新たに行う必要はないと考えている。
七について
歯科診療報酬点数表における初診料、再診料等の基本診療料には、消炎又は鎮痛を目的とする理学療法、口腔軟組織の処置、単純な外科後処置、口角びらんの処置等の簡単な診療行為に係る費用が含まれているが、患者の状態等により様々な診療行為が考えられるため、すべてをお示しすることは困難である。
八について
御指摘の社会保険事務局指導医療官の指導については承知していない。一般に、歯周疾患に罹患している患者に対し、歯周治療と並行して補てつ治療を行うことは、歯科医学上適切ではないと考えている。
件名 歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
提出回次 165回 提出番号 7
提出日 平成18年10月11日
提出者 櫻井充君
備考
その他
転送日 平成18年10月16日
答弁書受領日 平成18年10月20日
質問主意書
質問第七号
歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成十八年十月十一日
櫻 井 充
参議院議長 扇 千 景 殿
--------------------------------------------------------------------------------
歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書
歯科医療に係る診療報酬点数等について不明な点を質すべく、私は「歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問主意書」(第一六四回国会質問第八〇号)(以下「前回質問主意書」という。)を提出した。しかし、その答弁に納得できない点が多数あったことに加え、新たに他の不明な点が生じた。
そこで、以下の点について質問する。
一 前回質問主意書問五の答弁では、歯科医療の感染防止対策費用は中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)の議論を経て、総合的に評価しているとのことであるが、歯科の感染対策費用に関する議論がどのように行われたか明らかにすることは、必要不可欠である。
1 厚生労働省のホームページにおいて、中医協の議事録が公開されていることは承知しているが、中医協において、歯科の感染対策費用に関する議論はいつ行われたのか。厚生労働省のホームページ上で公開されている中医協の議事録の日時等該当箇所を示されたい。
2 1以外の歯科の感染対策費用に関する議論について、ホームページ上で公開されていない議事録等の資料及び非公式な会合等が存在するのか。政策決定過程の透明性を確保することの重要性にかんがみ、存在するのであれば、その日時等概略を示されたい。
3 歯科の感染対策費用に関する議論等の結果から、どのような評価を得て今回の点数改定に反映したのか、厚生労働省内部において評価を行った担当部署、担当者、評価方法、評価日時とともに具体的な作業過程をそれぞれ示されたい。
二 前回質問主意書問八の歯科疾患継続指導料に係る質問では、その包括点数の計算根拠を示すよう求めたが、答弁ではこの計算根拠が具体的に明らかにされていない。歯科疾患継続指導料に含まれているもの及びその点数割合を明らかにされたい。
三 前回質問主意書問八の答弁では「なお、継続治療計画に基づかない外傷等の突発的な疾患については、当該疾患に係る処置の費用について、併せて算定できる取扱いとしているところである。」とあるが、これは継続治療計画書に書かれていない突発的な疾患は特掲診療料を別途算定できると解釈してよいか。政府の見解を示されたい。
四 前回質問主意書問九の答弁から解釈すると、歯科衛生士がスケーリング及びルートプレーニングを行うことについては、診療現場において歯科医師の判断に任されると考えてよいか。つまり、歯科医師の責任の下に歯科医師の指導により、歯科衛生士がスケーリング及びルートプレーニングを行えるとの認識であるのか。また、「個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある」との答弁があるが、具体的に誰がいつ判断するのか。それぞれ政府の見解を明らかにされたい。
五 中医協において補てつ物維持管理料は広く普及したという理由で点数の削減が提言され、それを反映した改定が今回行われたが、補てつ物維持管理料を導入した当時の目的及びその経緯を明らかにされたい。
六 前回質問主意書問十二の答弁で、「なお、歯科技工士が『長時間・低賃金労働を強いられている』という実態については、承知していない。」と述べているが、これの意味するところは、政府はこのような歯科技工士の置かれた状況があり得ないと考えているということか、あるいは、あるかもしれないが聞いていないということか、明らかにされたい。また、政府は現状をどう把握しているのか。把握できていないのであれば、今後、歯科技工士の労働条件や賃金に関する実態調査等を実施し、改善を図っていくつもりなのか。政府の見解を示されたい。
七 現在、診療報酬請求を行う際、歯肉縁上のスケーリングは初診料、再診料に含まれてしまい別に算定できない規則となっているが、同様に、初診料、再診料に含まれてしまい別に算定できないものをすべて示されたい。
八 ある県においては、社会保険事務局指導医療官から、歯周疾患の治療が終了する前に補てつ治療を行ったものはすべて診療報酬を返還せよとの指導が行われた。しかし、診療現場では、歯周疾患治療中であっても補てつ治療を望む患者が存在している。政府は社会保険事務局指導医療官のこのような指導が適切であると考えるか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
答弁書
答弁書第七号
内閣参質一六五第七号
平成十八年十月二十日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三
参議院議長 扇 千 景 殿
参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
--------------------------------------------------------------------------------
参議院議員櫻井充君提出歯科医療に係る診療報酬点数等に関する質問に対する答弁書
一の1について
御指摘の歯科医療の感染防止対策費用に係る項目を含む平成十八年度の歯科診療報酬の改定については、平成十八年二月三日、八日及び十五日に開催された中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)において、その主要改定項目案について議論されており、これに関する資料及び議事録については、厚生労働省のホームページに掲載されている。
一の2について
厚生労働省として把握している限りにおいては、歯科医療の感染防止対策費用に関する議論については、中医協の議事録等のうち厚生労働省のホームページに掲載されていないものはなく、また、中医協の委員が非公式に集まった会合等は存在しない。
一の3について
歯科診療報酬については、厚生労働大臣からの諮問に対し、中医協における議論を経て、中医協からの答申により歯科診療報酬点数表の改正案が示され、それを基に厚生労働大臣が定めることとされている。なお、厚生労働省保険局医療課が中医協の庶務を担当している。
二について
歯科疾患継続指導料には、診療報酬の算定方法(平成十八年厚生労働省告示第九十二号)別表第二区分番号B004の8の注2に規定するとおり、歯科衛生実地指導料、診療情報提供料(Ⅰ)、歯周基本検査、初期齲蝕小窩裂溝填塞処置、スケーリング及び有床義歯調整料に係る費用を除く特掲診療料に係る費用に(以下「関係費用」という。)が含まれている。また、歯科疾患継続指導料においては、医療経済実態調査等の結果を踏まえた中医協における議論を経て、関係費用を総合的に評価しているところである。
三について
御指摘の歯科疾患継続指導料の算定に係る「継続治療計画に基づかない外傷等の突発的な疾患」とは、外傷又は義歯の破損に限られるものであり、この場合には、歯科疾患継続指導料を算定中の患者であっても、これらの治療に係る特掲診療料に限り、歯科疾患継続指導料と併せて算定できる取扱いとしているところである。
四について
スケーリング及びルートプレーニングが、歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)第二条第一項の歯牙及び口腔の疾患の予防処置又は同条第二項の歯科診療の補助(以下「疾病予防処置等」という。)に該当する場合には、歯科衛生士がこれらの行為を行うことは可能であるが、これについては、個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある。
また、個々の行為が疾病予防処置等に該当するか否かについて、歯科衛生士法を所管する省庁として最終的に判断するのは、厚生労働省である。
五について
御指摘の補てつ物維持管理料については、咀嚼機能の長期的な維持を図るため、補てつ技術の質に着目して、歯冠補てつ物及びブリッジの維持管理を新たに評価し、歯の健康作りを進める「八○二○運動」を診療報酬の面からも推進する目的で導入されたものであり、中医協における議論を経て、平成八年度の歯科診療報酬の改定において新設されたものである。
六について
政府としては、個々の歯科技工士の勤務実態については承知していないが、厚生労働省が実施した「平成十七年賃金構造基本統計調査」によると、歯科技工士の平均的な勤務実態が他の医療関係職種に比べて著しく劣っているわけではなく、御指摘のような実態調査を新たに行う必要はないと考えている。
七について
歯科診療報酬点数表における初診料、再診料等の基本診療料には、消炎又は鎮痛を目的とする理学療法、口腔軟組織の処置、単純な外科後処置、口角びらんの処置等の簡単な診療行為に係る費用が含まれているが、患者の状態等により様々な診療行為が考えられるため、すべてをお示しすることは困難である。
八について
御指摘の社会保険事務局指導医療官の指導については承知していない。一般に、歯周疾患に罹患している患者に対し、歯周治療と並行して補てつ治療を行うことは、歯科医学上適切ではないと考えている。