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歯科技工士・岩澤 毅

知っておきたい 情報社会の安全知識 (岩波ジュニア新書) 坂井 修一 (著)

2010年04月05日 | amazon.co.jp・リストマニア
否応無く情報社会を生きて行く君のために, 2010/4/5

By 歯職人

 インターネットも携帯電話も、既に手放せない社会が出来つつあります。身近な家電製品や社会自体のIT化も更に進みます。しかし、社会自体のIT化は時として「人の悪意」を拡大し社会の安心と安全を脅かす恐れも生じさせます。
 本書は、その様な前提のもとに現在知っておかなければならない、「不幸な情報社会」の前兆を描写しながら、「幸福な情報社会」に至る道を探します。
 著者は、「教養」を「情報社会の安心・安全の最後の砦」と見立てます。しかし、「教養」という不確かなものを「最後の砦」としなければならない社会は、完成することの無い砂上の楼閣に似ています。人間が人間である限り「不幸な情報社会」の入り口は開いていると見なければならないでしょう。
 中高生を読者対象とした岩波ジュニア新書による問題提起と受け止めました。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4005006493/ref=cm_cr_mts_prod_img


岩波ジュニア新書
知っておきたい情報社会の安全知識

坂井修一
岩波書店 (2010/03 出版)

81p / 18cm / 新書判
ISBN: 9784005006496
NDC分類: K007
価格: ¥819 (税込)

詳細
ITの発展は、高度な情報社会をつくる一方で、かつてない事故や事件を引き起こす不安材料にもなっている。情報社会を安全・安心に生きていくために必要な知識を、さまざまな実例をふまえながらていねいに解説する。

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知っておきたい情報社会の安全知識
坂井修一著
定価819円


■目次
プロローグ 幸福な情報社会と不幸な情報社会
幸福な情報社会/不幸な情報社会
第1章 情報社会の爆発的発展
  1 コンピュータとインターネット
  いつでも,どこでも,誰とでも/コンピュータの誕生と発展/インターネットの誕生と発展/インターネットの使い道
  2 ITの発展が社会を変えた
  あらゆる場面で使われるIT/便利さ・効率とその影にあるもの/情報社会の発展によって失われてゆくもの・変化するもの
  3 ITにはどんな問題があるか
  ベストエフォート/性善説で作られたIT/複雑化と質感・量感の喪失
第2章 情報社会で何が起こっているのか
  1 どんな事故や事件が起こっているのだろう
  情報システムの事故・事件/個人情報の流出/違法コピー/出会い系サイト・学校裏サイト/誰もが被害者にも加害者にもなる/携帯電話の事故・事件
  2 ITとは何なのか
  道具を知ること/ITの基本は「数」にある/コンピュータとは何か/コンピュータの動作/基本ソフトウェアと応用ソフトウェア/インターネットとは何か/IPアドレス/プロトコル階層/インターネットの特徴
  3 なぜ事故や事件が起こるのか
  「数」をあつかうことの弱点/設計ミスとバグ ― ベストエフォート/故障/盗み見と改ざん/ぜい弱性に対する攻撃/ITの外の世界でのミス・盗み見・改ざん・攻撃/ネット通販・オークションのトラブル/社会悪がITの世界に持ち込まれる/なぜ事故や事件がおこるのか
  4 さまざまな攻撃
  フィッシング/資源を浪費させる迷惑メールなど/コンピュータへの〈侵入〉/総合的な攻撃
3章 どんな安全対策をとればいいのだろう
  1 事件や事故に巻き込まれないために
  性善説の「数」の世界を安全・安心にする/はじめの一歩/ネットの向こうにはどんな人がいるのか/絶対安全・絶対安心はない
  2 日常やるべきこと
  パスワードなどの認証情報の管理/システムの更新/ウィルス対策ソフト/電子メール/外部記憶媒体のあつかい/ウェブページを見るときの注意/無線LANを使うときは/書類や画面を他人に見せない工夫/携帯電話での注意/ネット通販やネットオークションでの注意/悪意を見抜く/ネチケット/機密性が非常に高いことをするとき
  3 失敗したとき・困ったとき
  人間としてのミスや過ち/ウィルスに感染したらどうするか/不当な料金請求が来たらどうするか/迷惑メールや勧誘電話が急増したとき/盗撮・盗聴されたとき/ネット上で人間関係に失敗したとき
  4 暮らしと個人を守る
  どんな法律があるのだろう/善悪の判断基準をもつ/誰に相談すればよいか/情報教育のたいせつさ/教養を身につけること
エピローグ
 付録 IT関連の法律の条文(抜粋)
あとがき

■著者紹介
坂井修一(さかい・しゅういち)
1958年愛媛県生まれ.東大工学部卒,同大学院博士課程修了,工学博士.電子技術総合研究所(現産総研),MIT,筑波大学などを経て,現在,東京大学大学院情報理工学系研究科教授.専門はコンピュータシステムとその応用.
著書『論理回路入門』(培風館),『コンピュータアーキテクチャ』(コロナ社)など.歌人としても活動しており,歌集に『アメリカ』(若山牧水賞),『ジャックの種子』(寺山修司短歌賞)など.
■内容紹介
読者のみなさんの中で,メールのやりとりから些細な行き違いが生じ,友だちとの関係が悪くなった,ネットで飛行機のチケットを予約したのに,システム事故でおじゃんになった,大好きアティーストをネットで検索していたらいつのまにか危ないサイトに入ってしまった等々,コンピュータやインターネットでいやな思いや危ない目にあった経験はありませんか?
コンピュータやインターネットの発展は,高度な情報社会をつくりあげる一方で,かつてない事件や事故を引き起こす存在になっています.マスコミでも,ITによる事件や事故が連日のように報道されているのを見聞きしている人も多いと思います.便利さを享受するだけではすまない社会が,ITの発展とともに生じてきました.
ITを基盤とした情報社会を,どうしたら安心・安全にできるのかが,これからの課題といってよいでしょう.専門家や技術者に任せるだけでなく,私たち一人ひとりが今後,対策を講じていく必要があります.本書では,そのために必要な知識を,ITのしくみを解説しながら,現実におきている事例にも言及しつつ,ていねいに説明していきます.また本文中には相談窓口を,また付録にIT関連の法律(抜粋)もつけました.そちらもぜひ参考にしてください.

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