原発事故後に見えた言論空間の考察 2014/6/7
By 歯職人
東京電力福島第一原子力発電所事故後に露わになった、「立場」を持つ人々の発言を「傍観者の論理・欺瞞の言語」と断じ、「東大話法」と名付けた安冨歩東京大学東洋文化研究所教授の一冊です。
本書のタイトルに対応しているのは、第3章「東大文化」と「東大話法」であり、興味を持ったのは、第4章「役」と「立場」の日本社会である。
「あとがき」によれば、本書の原稿は著者のブログ原稿の再構成である。原発事故後の出版事情等により十分な推敲の時間が確保できなかったのかもしれないが、やや一読では理解できない部分やついていけない論理展開もある。しかし、原発事故後テレビに登場した数々の「傍観者の論理・欺瞞の言語」に接したものとしては、触手が動く一冊です。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%A8%E3%80%8C%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E8%A9%B1%E6%B3%95%E3%80%8D%E2%80%95%E5%82%8D%E8%A6%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86%E3%83%BB%E6%AC%BA%E7%9E%9E%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%AA%9E%E2%80%95-%E5%AE%89%E5%86%A8-%E6%AD%A9/dp/4750335169/ref=cm_cr_pr_product_top
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語
安冨 歩【著】
価格 \1,728(本体\1,600)
明石書店(2012/01発売)
サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
商品コード 9784750335162
NDC分類 543.5
原発を推進してきたのも、原発事故を引き起こしたのも、欺瞞的な言葉を使ってきたからだ! この最悪の事態を好転させるためにはまず、事実を正確に言葉にすること。だが、あのような大事故のあとも相変わらず、欺瞞的な言葉を手放さない人たちがいる。欺瞞的言語体系の中心に位置する「東大話法」の分析と批判を通じて、日本社会の再生を願う現役東大教授、渾身の作。
目次
はじめに
東大話法一覧
第1章 事実からの逃走
燃焼と核反応と
魔法のヤカン
名を正す
学者による欺瞞の蔓延――経済学の場合
名を正した学者の系譜
武谷三男の「がまん量」
高木仁三郎・市民科学者
小出裕章と「熊取六人組」
玄海原発プルサーマル計画をめぐる詭弁との闘い
第2章 香山リカ氏の「小出現象」論
香山氏の記事の出現
原発をネットで論じている人々の像
ニートや引きこもりの「神」
仮面ライダー・小出裕章
小出裕章=「ネオむぎ茶」説
「原発問題=新世紀エヴァンゲリオン」説
インターネットの意味
関所資本主義の終焉
お詫びのフリ
真理の探求へ
真理の探求からの逃避
香山氏はなぜこの文章を書いてしまったのか
第3章 「東大文化」と「東大話法」
不誠実・バランス感覚・高速事務処理能力
東大関係者の「東大話法」
東大工学部の『震災後の工学は何をめざすのか』
東大原子力の「我が国は」思想
工学研究の「計画立案」
東大原子力の中期計画
東大原子力の野望
東大原子力の長期計画
東大原子力文書の東大話法規則による解釈
傍観者
池田信夫氏の原発についての見解
池田信夫氏の「東大話法」
鈴木篤之氏の「東大話法」
「東大話法」の一般性
第4章 「役」と「立場」の日本社会
「東大話法」を見抜くことの意味
「立場」の歴史
夏目漱石の「立場」
沖縄戦死者の「立場」
日本版プラトニズムとしての「立場」
職→役→立場
原子力御用学者の「役」と「立場」
天下りのための原子力
福島の人々が逃げない理由
第5章 不条理から解き放たれるために
原発に反対する人がオカルトに惹かれる理由
槌田敦のエントロピー論
化石燃料と原子力
地球温暖化
出してはならないもの
人間活動の生態系
人間の破壊
熱力学第二法則と人類の未来
原子力のオカルト性
「日本ブランド」の回復へ
あとがき
By 歯職人
東京電力福島第一原子力発電所事故後に露わになった、「立場」を持つ人々の発言を「傍観者の論理・欺瞞の言語」と断じ、「東大話法」と名付けた安冨歩東京大学東洋文化研究所教授の一冊です。
本書のタイトルに対応しているのは、第3章「東大文化」と「東大話法」であり、興味を持ったのは、第4章「役」と「立場」の日本社会である。
「あとがき」によれば、本書の原稿は著者のブログ原稿の再構成である。原発事故後の出版事情等により十分な推敲の時間が確保できなかったのかもしれないが、やや一読では理解できない部分やついていけない論理展開もある。しかし、原発事故後テレビに登場した数々の「傍観者の論理・欺瞞の言語」に接したものとしては、触手が動く一冊です。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%A8%E3%80%8C%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E8%A9%B1%E6%B3%95%E3%80%8D%E2%80%95%E5%82%8D%E8%A6%B3%E8%80%85%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86%E3%83%BB%E6%AC%BA%E7%9E%9E%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%AA%9E%E2%80%95-%E5%AE%89%E5%86%A8-%E6%AD%A9/dp/4750335169/ref=cm_cr_pr_product_top
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語
安冨 歩【著】
価格 \1,728(本体\1,600)
明石書店(2012/01発売)
サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
商品コード 9784750335162
NDC分類 543.5
原発を推進してきたのも、原発事故を引き起こしたのも、欺瞞的な言葉を使ってきたからだ! この最悪の事態を好転させるためにはまず、事実を正確に言葉にすること。だが、あのような大事故のあとも相変わらず、欺瞞的な言葉を手放さない人たちがいる。欺瞞的言語体系の中心に位置する「東大話法」の分析と批判を通じて、日本社会の再生を願う現役東大教授、渾身の作。
目次
はじめに
東大話法一覧
第1章 事実からの逃走
燃焼と核反応と
魔法のヤカン
名を正す
学者による欺瞞の蔓延――経済学の場合
名を正した学者の系譜
武谷三男の「がまん量」
高木仁三郎・市民科学者
小出裕章と「熊取六人組」
玄海原発プルサーマル計画をめぐる詭弁との闘い
第2章 香山リカ氏の「小出現象」論
香山氏の記事の出現
原発をネットで論じている人々の像
ニートや引きこもりの「神」
仮面ライダー・小出裕章
小出裕章=「ネオむぎ茶」説
「原発問題=新世紀エヴァンゲリオン」説
インターネットの意味
関所資本主義の終焉
お詫びのフリ
真理の探求へ
真理の探求からの逃避
香山氏はなぜこの文章を書いてしまったのか
第3章 「東大文化」と「東大話法」
不誠実・バランス感覚・高速事務処理能力
東大関係者の「東大話法」
東大工学部の『震災後の工学は何をめざすのか』
東大原子力の「我が国は」思想
工学研究の「計画立案」
東大原子力の中期計画
東大原子力の野望
東大原子力の長期計画
東大原子力文書の東大話法規則による解釈
傍観者
池田信夫氏の原発についての見解
池田信夫氏の「東大話法」
鈴木篤之氏の「東大話法」
「東大話法」の一般性
第4章 「役」と「立場」の日本社会
「東大話法」を見抜くことの意味
「立場」の歴史
夏目漱石の「立場」
沖縄戦死者の「立場」
日本版プラトニズムとしての「立場」
職→役→立場
原子力御用学者の「役」と「立場」
天下りのための原子力
福島の人々が逃げない理由
第5章 不条理から解き放たれるために
原発に反対する人がオカルトに惹かれる理由
槌田敦のエントロピー論
化石燃料と原子力
地球温暖化
出してはならないもの
人間活動の生態系
人間の破壊
熱力学第二法則と人類の未来
原子力のオカルト性
「日本ブランド」の回復へ
あとがき