石巻日日新聞社 (編集) ６枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後７日間の記録 角川ＳＳＣ新書

伝えることの営みと地域との関係性が問い直された、地域新聞社壁新聞の一週間, 2012/11/3

By 歯職人

　2011年3月11日の東日本大震災と大津波の被害の中、宮城県の牡鹿郡女川町、石巻市、東松島市等をエリアとする地域紙・石巻日日新聞社の社員たちの記録です。
　避難所に地域新聞社の模造紙大の号外が、「壁新聞」として張り出されたとのニュースをご記憶だろうか？或いは、その壁新聞が、ワシントンＤＣの報道博物館や横浜にある日本新聞博物館に展示されたというニュースをご記憶だろうか。本書は、その壁新聞を発行した石巻日日新聞社の社員たちの7日間です。
　社員と家族の今日の生活、今日の生存と地域新聞社としての伝えることの営みと、地域との関係性を問い直し、問い直し続ける新聞人の記録でもある。
　「おわりに」で石巻日日新聞社の社長近江弘一氏は、「同じ地域紙である岩手県の東海新報社は地震や大津波を想定し、社屋を高台に移し、自家発電装置を導入して、震災後もコピー機で印刷した新聞を出しています」として、経営者としての未熟さに言及している。この姿は、貴重であり、経営者としての率直な姿勢が好感を持てる。
　
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4047315532/ref=cm_cr_mts_prod_img

角川ＳＳＣ新書
６枚の壁新聞 ― 石巻日日新聞・東日本大震災後７日間の記録


石巻日日新聞社
角川マガジンズ （2011/07 出版）
（発売：角川グル－プパブリッ）

253p / 18cm / 新書判
ISBN： 9784047315532
NDC分類： 369.31

価格： ￥979 (税込)

津波の被害を受けた宮城県の地域紙・石巻日日新聞社は、輪転機が一部水没するなか、手書きの壁新聞を決意。紙とペンさえあれば、新聞は出せる。伝える使命に突き動かされた記者のドキュメント。