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歯科技工士・岩澤 毅

丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム 中公新書 竹内 洋 (著)

2008年10月10日 | amazon.co.jp・リストマニア
幻想の囚われ人への鎮魂歌, 2008/10/10

By 歯職人

 岩波文化・岩波文化人と呼ばれる人々が、確かに存在した時代があった、のだろう。
 岩波文化・岩波文化人と呼ばれる人々が、何がしかの影響力を持っていると思われた時代があった、のだろう。
 本書は、その象徴とでも言うべき「丸山眞男」その人の心の襞に刻まれたであるろう過去の事象にまで踏み込み、丸山眞男の精神と処世術形成史を探り、その周辺での事件・事象を解明し、戦中から戦後の一時期の「知識人・似非知識人空間」の総体を描き出そうとする竹内洋の意欲作といったところ。
 ある時期、水戸黄門の印籠として利用可能であった「丸山眞男」ブランドの凋落と崩壊を、限界のある肉体と精神を持った人である知識人「丸山眞男」を歴史の中に等価に位置付ける一冊である。
 ある側面では、丸山は怨念とルサンチマンの嵐に抗した一生といえる。
 竹内は本書により、「丸山眞男」ブランド利用者に引導を渡す。

マルヤママサオノジダイ ダイガクチシキジンジャーナリズム チュウコウシンショ
中公新書
丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム

竹内 洋【著】
中央公論新社 (2005/11/25 出版)

339p / 18cm
ISBN: 9784121018205
NDC分類: 311.21

価格: ¥903 (税込)

詳細
戦後の市民による政治参加に圧倒的な支配力を及ぼした丸山眞男。
そのカリスマ的な存在感の背景には、意外なことに、戦前、東大法学部の助手時代に体験した、右翼によるヒステリックな恫喝というトラウマがあった。
本書は、六〇年安保を思想的に指導したものの、六〇年代後半には学生から一斉に背を向けられる栄光と挫折の遍歴をたどり、丸山がその後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響を検証する。


序章 輝ける知識人
1章 ある日の丸山眞男―帝大粛正学術講演会
2章 戦後啓蒙という大衆戦略
3章 絶妙なポジショニング
4章 大衆インテリの反逆
終章 大学・知識人・ジャーナリズム

戦後の市民による政治参加に圧倒的な支配力を及ぼした丸山眞男。そのカリスマ的な存在感の背景には、意外なことに、戦前、東大法学部の助手時代に体験した、右翼によるヒステリックな恫喝というトラウマがあった。本書は、六〇年安保を思想的に指導したものの、六〇年後半には学生から背を背けられる栄光と挫折の遍歴をたどり、丸山がその後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響を検証する。

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