京都物語りのはじまり

最初に左手から洗って、右手を洗い、そして、左手を洗う・・・のを思いだしたのだった。
思い出すというより習慣になっているのでいる。


そして、本道に向かい、最後の宴を聞くのが、ツウっぽいかもしれない。
天気予報は曇りのち雨だったが、すこぶる晴れ。盆地の夏は、凄まじい暑さだ。しかし、ここは、一時、地上のことをさえぎる風が吹いていた。

何百年と変わらぬ床・・・。どれくらいの人が歩き、幾人の人が過ぎ去っていってのだろう。

笑美がこの本願寺に訪れるのは、大学の研修旅行以来なので、数年ぶりだ。
時を重ね、幾つもの人と旅に出かける機会があったが、何故か、京都は縁がなかった。
旅は、縁やゆかりで訪れる。

月が、山羊座であったためか、妙に似合うトラでショナルな空間である。
しかし、もう直ぐ、水瓶座に移る。
拘りのある水瓶座らしく、ディナーはあえて、日本料理を選択しなかった。
この、“周りと同じがイヤ”という、ひとつ間違えると、偏屈な変わり者の気質が特徴である。

突然、蔵のような建造物を発見した。
「ココがいい」
そう、突然ヒラメクのも、天王星の仕業である。

（明日につづく）




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