読んでもらえる自分史とは……
画期的自伝表現法
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この書き方ガイドは 自分史を作りたい方々への、全く新しい方法てす。
書く事は考えることで、特に青春期の回想などを繰り返すことで 脳回路が活性化されます。
その意味でも、有意義な人生を過ごすことができるのでは ないでしょうか。
それでは、はじめましょう。
私の書き方は、教本でもご説明しておりますが、幾つものシーンを積み重ねる方法です。 まず、ご覧ください。
★これは、自分史の冒頭部分の抜粋です。物語風に書いてみました。
小見出し あらぬ疑いの章 (自著、ど根性第一章はじめ部分の書出し部分)
【書き出し】 台風の季節がきて雨が多くなった。 本宮村のまん中を流れる音無川の水かさも、すこしずつ増えてきた。この時期には、川の流れを利用して、山奥から木材を運び出す刈川という作業が多くなる。松一の出番だ。
その日、朝早く、松一は仕事仲間と一緒に、数週間の予定で山に入った。家には、母もとゑと要、おさむ、祥子、それに公がいた。
日中に降った雨は、夕方にはあがっていたが、空には一面黒い雲がはりついている。風もなく、爽やかな秋には、につかわしくない、むし暑い空気がただよっていた。
要は、竈の口で、火を起こす。きのうまで父が座っていた場所だ。おさむは、納屋から薪を抱えてきて、竈の横に置く。妹の祥子は、奥の四畳半で公とあそんでいる。もとゑは、流し元に立って、茶粥の用意をする。それぞれがささやかな、夕げの支度にかかった。
終戦からまる二年が経って、中岸家の財政もすこしは、もちなおしていた。母の神経痛も発病当初からみれば、かなりよくなっていて、以前のように藁草履作りがぼちぼち出来るようになっていた。
それに加えて、父松一の仕事もだんだん増え、バクチを止めたこともあって、その分のお金が家計をうるおすようになっていた。だが、約二年にわたり嫌な顔一つせず、掛売をしてくれた請川の食料品店をはじめ、他の店にも借金がたくさん、たまったままだった。その支払いを少しずつすることで、あいかわらず、電灯がつくところまでは程遠かった。
おさむは二荷めの薪を取りに外に出た。秋の日は暮れるのが早く、眼下の大川が、ほとんど見えない。
そのとき、庭先に一人の黒い影が、いきおいよく現れた。急いで石段をかけあがってきたのか、荒い息づかいがきこえた。手に懐中電灯を持っている。おさむは、それを見て、村の人ではないな、と思った。村の人は提灯を使っていたからだ。
黒い人影が足早に近づいてきた。つぎに、その正体が確認できた。
……警察官だ。
「ケイサツ、きたぞ!」 おさむは、家の中に飛び込んだ。母と要が顔を見合わす。一瞬動きが止った。 「御免!」 懐中電灯を灯したまま、黒い人影が土間に立った。いままでまったく縁のなかった警察官のおでましだ。 要はもとより、おさむも、こんなに近くで警官と向い合ったことは初めてだ。祥子も驚いた顔で警官を見つめる。
「中岸もとゑは、おまえか」 警官は、それほど大声ではないが威厳のある口調で、台所に居る母にいった。 彼女は大柄で、一見気丈夫そうにみえたが、たいへんな、こわがりだった。それで、いきなり警官が飛び込んできて、自分が名指しされたことで、立っているのがやっとの状態だった。
もとゑは、声を出すことも忘れて、ちいさく頷いた。 「きのう、川のむこうの畑で、サツマイモが盗まれてな。おまえが盗んどるの見たいう者がおるんじゃ。ちょっと調べるから一緒に来い」
「えっ!」
もとゑは、はじめて声を発した。自分の意志でいったのではなく、からだ全体からわきおこる、身震いにちかいものだった。
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………………………………………………………………………………… これが、「自分史 昭和繁盛記」巻頭部分の書出しです。 いかがですか? 通常の自分史とはちょっとちがいますね。
つづく
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