改訂版 膀胱がん闘病記: 人生ポジティブに生きよう | |
杉岡 昇,よしい ふみと | |
山の辺書房 |
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「膀胱がん闘病記」は、今現在闘病中の人々に対して何らかの希望と勇気をもって頂けるのではないかと思います。
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連載、第三回
自分史・自費出版のイメージ描写法
★今後のもくじ★
画期的自伝表現法
「書き方ガイド復刻版」
自伝・自費出版の概要と心得
新企画 自伝をマンガ本に
ご質問にお答えして(新聞連載記事より)
あとがき
【画期的自伝表現法】
巻頭の「書出し」は、これまで40年間、素人さんの生原稿を読み続けてきたわたしが、自分史の定型を逸脱した手法つまり、従来の自分史は説明が主だったのに対しイメージ描写を主とした物語づくりを開発、実験的に書き上げたもの。
●人生は紙芝居のような絵の連続であるという発想。おもちゃのような電子機器が闊歩する現在、その様はあたかも、嘗て手塚治虫氏の漫画に登場するお茶の水博士が摩天楼を仰ぎ見て、「今に、文明が人間を支配する世の中になるぞ」と予言した如くのようだ。
●人間本来の想像力が低下の一途をたどっている。
あらゆる事象が受身で事足りる世の中になってしまった。
本来人間は能動的思考回路を備えているものであるが、今は違う。完全とはいわないが、この能動的が受動的に変化してしまった。そのため、イメージ力が極端に低下し数々の弊害が生じている。しかし、これが世の流れというものかも知れない。最早「行間を読む」という言葉さえ死語になってしまった感がある。意識の幼児化現象だ。
●こんな世間に従来のような説明重視の自分史を出版しても、誰も読まない否読むことが出来ない状態に陥っている。
そこで、シナリオで修得した方法をとりいれ、文章を画像化して、人生の伝えたい部分を紙芝居或は映画の一シーンとして描写することが最良の方法ではないかと思いついた。映画監督がやる「台詞とト書き」で絵コンテという発想。
●自分史の最初の数ページを開くと、いきなりこの場面描写。そこで、読み手は、
「何だ、何だ」
とばかりに次の頁をめくり、一気に話の続きに興味を持ってくれる筈。
物語の導入部で強烈なインパクトを与える手法である。
わたしは、この作品執筆に際し、この調子でポンポンと、物語の時間的構成系列に沿って(重要な場面)のカメラ撮影風描写をするという、およそ、従来の自分史、自伝のスタイルから逸脱した、謂わば文章道をはずれたやり方を試みた。
つまり、文章による映像化表現だ。
●忙しい現在、じっくりとイメージを作り上げる習慣の薄れてしまった現代人の脳細胞でも、目前で次々変化していく人生劇(従来のような説明的表現ではなく文字による映像化) に直面すると、あたかも、巷の噂話を聞くが如き心理状態に陥る。
言い方を変えれば、この時点で読み手は本を読んでいるという意識ではなくお気に入りの映画館の観客となっている。
人間誰にでも備わっている大変重要な機能、つまり「能動的思考回路」が起動し、自分なりのイメージを作り始める。
●自著「ど根性」発表・発売後、多くの読者の皆さまから、
「一気に読んだ・一晩一睡もせずに読んだ」
という、狙い通りの感想を頂いた。のみならず、教育関係者にも好評を得た。また、或大学の先生から、
「ど根性という作品を読み終え、暫くは放心状態でした」
という作者として大変嬉しい言葉も頂戴した。
私の映像的表現が成功したのだ。自著のことで自慢したくないが事実はどうしょうもない。
その後この作品は学校図書になり、歌謡曲にもなった。
そして、これが、私にとって、その後の編集活動を決定づける画期的表現記述法だと確信するに至ったのである。
さて、ここで一服して、従来の自伝・自分史の過去の書出しを抜粋してみる。
つづく
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