自民党の野田毅氏が今日の衆議院予算委員会で質問に立ち、
国の財政赤字は公共事業をバンバン行って予算のばら撒きをしたからではない、
非難の的となっている「道路」を作ったからではない、
と主張していた。
与党の質問は、野党のように政府の方針をただすのではなく
与党の政策の後押しというか一種の宣伝だ。
公共工事に対する国民のアレルギーを緩和しようとする野田氏の質問は、
今後の政府の計画、つまり自民党が目論んでいることの表れだろう。
道路を作りたいのだ。
自民党が政権をとった時からずっと、
国民はかつてのばら撒き政治が復活するのではないかと危惧してきた。
新聞やテレビで「今度は国民が監視しているのだから以前のような真似はできませんよ」
などと忠告していたようだが、自民党がそんな忠告に従うと本気で思っていたのだろうか。
建設業の支持者によって後援されている議員が政権をとって
自分の支持者のために働かないわけがない。
議員が自分の再選のために行動するのは合理的行動だ。
だからどんなに非難されても変わることはない。
それは政治学の教えるところでもある。
野田氏は老朽化したインフラの整備という
国民の理解を得やすい工事の例を出していたが、
新しい道路を作ることと老朽化した道路や橋の補修をすることは
建設業者にとって同じように利益の得られる事業なのだろうか。
これまで補修を無視して必要性のない高速道路ばかりが作られてきた経緯を見る限り
やはり新しい道路の建設が求められている事業なのだろう。
日本中でトンネルや橋や高架の道路が危険な状況になっている時に
限られた予算が補修ではなく新しい道路の建設に向けられるとしたら
なんとも恐ろしい話だ。
国民の安全よりも自分達の支持者にとりあえず利益を配分する。
それは選挙というシステムによって職業としての政治家を選んでいる
この民主主義そのものが抱える構造的な問題だ。
利益誘導する政治家を非難したところで何も変わらない。
おねだりする選挙民が変わらなければ駄目なのだ。
私達のようなおねだりできない(?笑)選挙民はどうすればよい?
取りあえず、おねだりさせないように監視することだな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます