私はオールドファンなので、
時々解説者としてテレビに出て来る佐野稔氏が現役選手だった時を知っている。
彼が1977年の世界選手権で日本人として初めて3位になり表彰台へ上がった時の感激は、彼がプログラムに使った「ブタペストの祈り」の哀切なメロディーと共に今も忘れられない。
そして、伊藤みどりさん。
昔のフィギュアスケートは、ショート、フリーに加えてコンパルソリーという氷上に正確に図形を描く技術の採点があった。
みどりさんはそれが苦手で傑出したジャンプの能力がありながら上位に食い込むことができなかった。
1990年にそのコンパルソリーが廃止され、いよいよ伊藤みどり大活躍の時代到来かと思わせたけれど、さまざまなアクシデントから思うように成果を残せなかった。
それでも、アルベールビル五輪で一度失敗したトリプルアクセルを2度目に成功してみせるという意地を見せて、見事に銀メダルを獲得した。
この時のみどりさんの言葉で印象深かったのは、報道陣に対して「銀メダルじゃダメですか」と言ったことだ。
国民こぞって金メダルを期待したことの残酷さに胸が痛くなった。
今活躍している選手達にはこんな悲しい言葉は絶対に言わせたくないものだ。
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