ベルド率いるマーモ軍とファーンを始めとするヴァリス連合軍は、最終決戦を迎えていた。
最前線に送られた、マーモ軍の黒の導師バグナードは次第に周りをヴァリス兵に囲まれ絶対絶命の窮地に立たされていた。
ゲヘナの火よ・・!爆炎と・・なりて敵を滅ぼせ!!
・・なんだ?!
ボ・ボボ!
フレイム・ボム!
フレイム・ボム!
ドゥーン!!
ぐぁっ!!
・・ぐッ!!
(・・これしきの痛み気にせねば、どうと言う事もないが、流石に魔法の連唱はできぬ・・!!)
おい・・!
あれは?!
マーモの軍師、バグナードではないのか?
なぜ、かような所にて闘っているのか?!
それほど、マーモには余力が無い、と言うことなのか・・!
わからん!どちらにせよ、
これは好機!!
皆の者!バグナードだ!討ち取って名を上げろォ!!
オオオッッ!!
まずいぞ・・!
バグナードはヴァリス兵達に取り囲まれた・・!
ピロテース!
一隊を率いて、孤立無援のバグナードに合力せよ!
ハッ!
足りなければ、俺の隊も連れていけ!
無用にございます!
アシュラム様!
では!
ピロテース隊、いくぞォ!!
私に続けェ!!
ウォオオオ!!
ドドドドッ!!
・・空を切り裂く、天上の雷よ!
我が剣となりて、敵を滅ぼせ!!
ディ・ヴァジュラ!!(轟雷)
バリッ!バリバリ!
ドドドォォン!!!
ぐあっ!
ぎゃあ!
くそっ!
えいッ!
ぐぁッ!
フン!
ヴァリス兵など他愛無い!
このピロテース一人で
蹴散らしてくれよう!
・・む!
あの右手より出て来た一隊は何だ?!
広範囲の魔法を使える者がいる・・!
ダークエルフの仕業でございましょう!
ファリスの名にかけて私が止めて参ります!
ウム!・・頼むぞエルム!
バグナード殿ォーーッ!!
おお!ピロテースか・・!
さあ!
我が隊が御守り致します故、アシュラム様の元へ退却くだされ!
そうは、いかん!
!!
バグナード覚えているか?
アラニアの賢者の学術院を・・!!
同胞と我が師、ラルカスを葬り去った
貴様だけは、生かして帰すわけにはいかん!
・・クク!
これも運命か・・!
まさかこんな所で、あの時の生き残りに出会うとはな・・・!
ピロテース殿、すまないが、この者と
決着をつけねばならん!
その間、ジャマをする者共を蹴散らしてはくれぬか?
・・承知しました!
バグナードォォオ!!
聖なる光よ!邪悪なる者を打ち砕く剣となれ!
レイニング・ボウ!!
(聖光鉄鋼破弾!)
ドドドドッ!!
ぐッ・・!
フンッ!
バキンッ!
・・ゲヘナの火よ!爆炎となりて敵を滅ぼせ!!
ボボボ!
エレエレナムメイリン!水の精霊よ!
我が盾となり給え!
フレイム・ボム!
ドゥーン!!
水の精霊の盾の前では
おまえの火炎魔法は
無意味ぞ・・!
・・・
ズド!
かッ・・!?
(バグナードの手にしていた剣がエルムの胸を貫いた)
これで禍根は残すまい・・!
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