≪選抜出場校の思い出 その2≫
関東代表 横浜(神奈川) 17度目(5年ぶり) 優勝3回 準優勝2回
夏20度出場 優勝2回 甲子園通算 60勝31敗
神奈川の、というより、全国屈指の強豪として知られる横浜。「高校野球屈指の名監督」として知られる渡辺監督の時代、70年代から80年代、90年代、00年代と、「4ディケード」にわたり優勝旗を抱いたのは、横浜高校しかありません。しかしその横浜も、渡辺監督退任以降、どうも全国の舞台で活躍できていないという時間が続きました。毎年のように甲子園には出場してくるものの、甲子園ではかつてのように「強豪と当たるとより強くなる」横浜ではなく、強豪に力負けをするという試合が続き、言い方は悪いですが「内弁慶」的なチームとなっていた気がします。「あの神奈川大会での強さは何だったんだ」と何回思ったことでしょうか。しかし平田監督から公立校の指導者として名をはせていた村田監督が就任して、また少し流れが変わってきたように感じます。そしてあの松坂世代と同じように、今年の横浜には、非常に力のある選手が揃って、本当に久しぶりに関東、そして全国大会で躍動。秋は明治神宮大会で「全国制覇」を成し遂げました。ワタシが見るところ、まだまだあの松坂世代から、2010年前までの「本当に強かった横浜」には到達していないものの、十分に全国の頂点を狙える戦力は整ったと感じられます。あとは細かい野球の精度や、ありえないような粘り強さが出せれば、「あの時代」を凌駕していけるかもしれません。神奈川の高校野球ファンにとって、「横浜高校」は特別な響きを持っています。いくら東海大相模やほかの学校が活躍しても、「やっぱり横浜」という思いは、多くの目の肥えたファンにとって非常に強いですね。そのファンの思いに応える年になるのか否か?非常に注目される、今回の選抜です。
前回の記事 ⇒
横浜高校といえば、関東における「高校野球の代名詞」的な存在の学校。渡辺元監督とともに、長く高校野球ファンを楽しませてくれる特別な存在の学校です。かつて横浜高校について書いたことあったかなあ・・・・・とひも解いていたら、渡辺監督が退任するときに一つ書いていました。
その時のブログ ⇒
https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/64a2b414b0402dccaac0a3a9aee9b377
近年関東の中でその力を見せることができないでいた神奈川県のチームが、昨夏、昨春に続いて3季連続で2校を甲子園に送り込むことができるのは、「神奈川高校野球フリーク」であるワタシにとっては、とてもうれしいことではあります。しかしどのチームも「内弁慶」的な戦いが多く、群馬・栃木・埼玉を中心として近年目覚ましい躍進を遂げている北関東勢の甲子園でのあの各校の戦いぶりと比較して、インパクトが弱いと感じてしまっているのもまた事実です。特に横浜高校は、「松坂の98年」から始まる「負けない横浜の10年間」と比較すると、甲子園での戦いぶりにどうしても不満が残ってしまう近年ではあります。特に神奈川県大会でのあの鬼神のような強さを目にしている身としては、甲子園でのともすれば「ふがいない」と感じてしまうような勝負弱さなどは、どうにか払しょくしてもらいたいと思っているところです。今年もチームも、ドラ1が確実視されるエース及川に、全国的に名前のとどろく中軸の内海・渡会など、素材的には「全国屈指」といって良い布陣をそろえています。しかし本番では、その彼らが力を出すことができるのかどうかは、まったくわかりません。県内の直接対決では圧勝しているライバル・東海大相模と比較しても、甲子園での戦いぶりを見ると横浜は「後塵を拝している」と言わざるを得ません。さて、もう平田監督になって数年が経ちます。いよいよ「平田野球」が花開くときが来るのか、それとも。。。。。。
関東代表 健大高崎(群馬) 8度目(3年連続) 優勝1回
夏4回出場 甲子園通算20勝9敗
こうしてみると、ま~健大高崎は、選抜出場が多いですね。全国を見渡しても、選抜出場回数が夏の出場回数の倍のチームなんて、ちょっと見当たらないんじゃないでしょうか。そして昨春のセンバツ、ついに健大高崎は全国制覇を成し遂げました。2010年代の初頭から、「いつかは健大高崎が全国を制するだろう」と言われていたチームでしたが、ついにやりましたね。健大高崎としては、初めてといってもいいくらい昨年のチームは「大会の波に乗って駆け上がっていった」という感じでしたね。そのベースになったのは、もちろん2本柱の左右の2年生エース、石垣と佐藤だったことは間違いありません。あれだけの投手が、しかも左右で同じ学年にいるなんてことは、極めてまれなことだと思います。青柳監督もそう思ったからこそ、一昨年の4,5月、入学間もない二人に県大会、関東大会のマウンドを完全に任せるというチーム作りに出たという事ですね。そしてその期待にこたえ、二人が順調に成長して、学校として初めて全国の頂点に立ったというわけです。さて、今年のチーム。佐藤は肘のトミージョン手術を行った関係で夏までの登板は不可ですが、右のエース石垣は158キロの豪速球をバンバン投げ込んでいます。十分に選抜連覇が狙える立ち位置ですね。健大高崎が、今後「全国屈指の強豪」として、大阪桐蔭、智辯和歌山、横浜、東海大相模、仙台育英などと並ぶところまでチームを引き上げることができるのか?非常に気になります。今年の選抜はその一里塚。もちろん連覇を狙って、今年も戦っていくことでしょう。
昨年の記事 ⇒
昨年から引き続いての連続出場となった健大高崎。昨年の選抜では、初めて甲子園の初戦で敗退という憂き目にあい、今年に雪辱をかけます。健大高崎というと機動破壊+継投で一世を風靡したイメージがまだありますが、チームはすでにガラッとカラーを変えてきています。志向するのは強力打線+好投手のチームで、この王道野球で全国制覇を狙います。しかしながら、まだまだこのリニューアルされた健大高崎は、甲子園で結果を残せていません。それとともに、甲子園で「負けないオーラ」を放っていたころからは少し「与しやすさ」も感じられるようになってきてはいます。そのあたりをどう払しょくして、かつてのように「次に全国制覇する関東のチームは健大高崎だ」と再度語られるようになるのか?今年は2年生の2枚看板の強力投手陣を擁し、実力的には関東屈指と言われています。その戦力で臨む甲子園、昨今見られる淡白さを克服し、何とか紫紺の大旗に一歩でも近づきたいところです。
一昨年の記事 ⇒
健大高崎といえば機動破壊。。。。何しろセンセーショナルだった健大高崎の野球は、2010年代に群馬の、そして関東の野球を変えたといっていい実績を残しました。足を駆使して何をやってくるかわからない攻撃、そして複数投手を駆使して相手の反撃の芽を摘み取っていく野球は、「一歩先行く野球」にほかなりませんでした。しかし近年、その機動破壊からチームカラーを転換して、大型チームと強打を旗印に、初めての全国制覇を狙ってきているチームです。しかしはっきり言うと、まだまだチームは練れていない印象が強く、関東では通用する強力打線は、全国では通用しているとは言い切れず、戦い方にいやらしさがなくなった分、相手は健大高崎を恐れなくなったと感じています。さて、もう一皮むけて、全国レベルの「超強豪」へ、脱皮できるでしょうか。機動破壊の当時は、大阪桐蔭に対抗できるチームではないかと見ていたワタシも、最近はトーンダウン気味。しかしどこで殻を破るかはわかりません。期待は大きい群馬の精鋭、今年はどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。
その前の記事 ⇒
秋の関東大会を連覇した健大高崎。昨年は関東を制した後の明治神宮大会でも準優勝。好投手・下を擁してかなり期待されたチームでしたが、春夏ともに甲子園大会は行われず。夏は県の大会、甲子園交流試合ともに何かモチベーションが上がらないというような試合ぶりを見せて、存在感を見せることができませんでした。しかし昨年来言われていた「チーム改革」は着実のその成果を表しているようで、昨秋の関東大会を見ても、完全にチームカラーが以前のものとは違うという印象になっていました。「機動破壊」よりも「打線の破壊力で粉砕」のチームへと変貌を遂げての関東大会連覇は、自信につながったことでしょう。健大高崎といえば、甲子園でしっかり勝っていくということでも定評のあるチームです。過去7回出場の甲子園で初戦敗退は一度としてありません。しかもほとんどの大会で2勝以上を挙げています。これは本当に特筆すべきことで、『甲子園に強い』チームカラーは何よりも心強い「先輩たちの遺産」としてチームに息づいています。2010年代を得意の機動力で駆け抜けたチームが、2020年代になって新たな姿で、甲子園に足跡を刻み付けようとしています。狙いは一つ、全国制覇しかないでしょう。ライバルの前橋育英、桐生第一が過去成し遂げている全国制覇に、健大高崎としてもたどり着かないわけにはいかないというモチベーションが、このチームを高みに引き揚げていくことでしょう。
その前の記事 ⇒
秋の関東大会で優勝を飾り3年ぶりに選抜の舞台に戻ってくる健大高崎。ワタシの印象では、「空白期間が長かったなあ」という事がまず思い浮ぶほど、毎年甲子園に登場しなければ何かケツの座りが悪いというほどの存在になっています。下記の前回出場時の記事にも書いたとおり、何しろ”機動破壊”という言葉自体がセンセーショナルに頭からこびりついて離れないワードになっており、何か関東のチームの中でもかなり「特別な存在」となっている健大高崎。しかしここ3年程、甲子園をつかみかけながら逃し続け、ついにはその機動破壊の看板もやや下ろしかけるようなチームの変革を行っている最中だと聞きます。確かに秋の関東大会、明治神宮大会で見た健大高崎は、投打のバランスを軸にオーソドックスに戦っているような印象を受けました。果たしてこの選抜、どんなチームの姿で甲子園に登場することでしょう。
その前の記事 ⇒
そして前橋育英とともに、強豪県となった群馬の盟主に躍り出たのが、この健大高崎です。すい星のごとく登場してきたのが2011年夏。デビューの年から、健大高崎はその輝きを甲子園で見せていました。初戦の名門・今治西戦で9回逆転勝ちを収めて鮮烈なデビューを飾ると、2回戦では横浜と対戦。この年の横浜。県大会で選抜優勝校である東海大相模を完璧な野球で下し、この大会でも堂々の優勝候補に名前を連ねるチームでした。関東にいる人間として、いつも関東大会等で見ている試合では、横浜や東海大相模などと対戦する北関東勢は、どこか気後れがあるのか普段の力を出せないままズルズルと強豪のオーラに飲み込まれ、結局完敗に終わってしまうということが多く、この試合もそういうイメージで試合を見ていました。しかしながら、この大会で初めて見る『健大高崎』という新興チームは、強豪の横浜に対して全くおくすることなく戦いを挑み、9回サヨナラ負けをしたものの、互角以上の戦いを見せてくれました。この戦いぶりは、ワタシにとってはかなりの衝撃でした。なんとなく関東における高校野球の流れが変わりそうな予感というものを、ほのかに感じることができる試合でした。
『おっ健大高崎って、注目していいチームだな』そんなことを思いました。そして翌年の選抜。健大高崎は、前年の勢いそのままに、選抜に出場を果たしました。そしてそのセンバツで、ついに健大高崎の代名詞である【機動破壊】が甲子園の舞台で存分に発揮されるのです。とにかく、塁に出たらランナーは『次の塁を狙う』ということが徹底されていて、選抜の大舞台で天理、神村学園などの強豪を連破して4強に進出。準決勝でも春夏連覇を達成する大阪桐蔭に対して果敢に挑み、終盤まで互角の勝負を展開しました。この選抜の活躍で、わずか春1回、夏1回の甲子園出場歴にもかかわらず、健大高崎は『野球が面白い』ということで全国のファンの脳裏に深く刻み込まれ、『次の全国制覇候補』として認識されていったのです。その後も健大高崎の躍進はすさまじく、5回の甲子園ではすべての大会で初戦突破。そして初出場時を除いては、必ず1大会で2勝以上を挙げています。チームの特徴は、攻めては”機動破壊”で相手を徹底的に痛めつけ、守っては必ず継投策を取って投手を早めに変えていくことで、相手に的を絞らせずトータルで失点を防いでいくという策を取ります。とにかく、勝つためのメソッドがしっかりしていて、選手たちはしっかりとベンチの意図を理解して動く、総合力の高いチーム。県内のライバル、前橋育英と桐生第一に全国制覇の先を越されていますが、今後『健大高崎の天下取り』はどんどん加速していくことと思われます。ストライプのユニフォームが輝く瞬間は、いったいいつになるのでしょうか。
関東代表 山梨学院 (山梨) 8度目(4年連続) 優勝1回
夏10度出場 甲子園通算12勝15敗 (交流試合のぞく)
山梨学院については、なんと言うかもう、書きつくしてしまった感があります。しかし昨年のセンバツは、山梨学院にとっては非常に意義深い大会だったと思います。一昨年の選抜で初の優勝を飾った山梨学院。しかしそれまでは、下にも散々書いていますが、甲子園で全くと言っていいほどその実力を発揮できないチームでした。一昨年春まで、出場した春夏の甲子園では、きれいに黒星が並んで、時たま白星はあるものの、すべての大会で2回戦までに敗退していました。しかし一昨年春、突如として勝ち上がって全国制覇。そしてそれを受けて連続出場だった昨年のセンバツ。山梨学院は、一昨年を除きそれまで一度も達成したことがなかった「1大会2勝」を見事に達成、8強まで進出しました。この昨年の選抜での勝ち上がりは、山梨学院にとって本当に大きかったんじゃないかと思います。2大会連続で上位に勝ち進んだことにより、「甲子園に弱い」というレッテルは完全にはがれ、これからの戦いに自信を持って臨めることになったのではないかと思います。何か「やっぱり負けるのでは・・・・」と思いながらこわごわと試合しているような姿は、完全に払しょくされるのではないかと思います。それだけに、今年の選抜はちょっと注目ですね。関東大会で毎度見せる、試合巧者の山梨学院という姿、見せてくれるのではないでしょうか。ワタシは、この選抜は山梨学院は出場できないのではないかと思っていたので、そういう点でも、「失うものは何もない」という感じで戦えば、また山梨学院の名前がとどろくような、そんな大会になる可能性もあるように思います。
昨年の記事 ⇒
昨年の選抜。山梨学院はその前の秋季関東大会優勝校とはいえ、それまでの甲子園の実績から決して有力校に数えられてはいませんでした。しかし昨春のチーム、何かをつかんだかのように、甲子園で生き生きとした戦いを続け、準決勝では広陵、決勝では報徳学園と、優勝候補に上げられたチームを次々撃破して、なんと山梨県勢初の全国制覇を成し遂げました。吉田監督は「何とかひとつ、殻さえ破れれば」と長い間言い続けていましたが、ようやく殻を破り本来の自分たちの野球を展開したうえでの全国制覇でした。さて、今年はそのポスト年。秋の戦いを見ても、昨年ほどの戦力は望むべくもありません。しかしながら、昨秋の関東大会では初戦、2回戦、準決勝と、3戦ともに苦しい戦いの中「勝ち切って」連続の甲子園をつかみました。そこには、「我々は全国で勝ったんだ」という自信みたいなものが、有形無形の形でチームに息づいているのを感じました。いよいよ山梨学院が、「全国レベルの強豪」に昇華していく第一歩かもしれません。鮮やかなスカイブルーのユニフォームとともに、今年の戦いにも注目が集まることでしょう。
一昨年の記事 ⇒
選抜で優勝、準優勝の経験がある吉田監督を据え、コーチには元横浜のあの小倉コーチを抱く山梨学院は、昨秋も関東大会を制しました。もはや関東では、トップの地位に君臨するチームとなっています。しかし甲子園通算成績が物語るように、甲子園では全くと言っていいほど実績を残せず、厳しい言い方をすれば「出ると負け」のチームになっているのは周知のとおり。どこにその原因があるのか。戦力的には全国で好成績を残してもいいはずのチームのはずが、2010年代に入ってもほぼ甲子園では初戦負けが続いています。関東大会を制して臨むこの春ではありますが、秋の明治神宮大会では山梨学院の弱点がそのまま出たような負け方で初戦敗退。勝ち方を知るチームは、甲子園で簡単に勝ち上がっていきますが、それが難しいチームは何しろ初戦を飾るのが大命題。各地区に強豪ひしめくセンバツだけに、勝っていくのは容易ではないと思われますが、さて今年は殻を破れるのか否か。
その前の記事 ⇒
下記の前の記事にも書いている通り、山梨学院は山梨県内では確かな足取りを残してきているものの、甲子園では全くと言っていいほど足跡を残せないチーム。13年から甲子園で優勝、準優勝を経験する名将・吉田監督を招聘するも、まだその殻は破れないでいます。ここ数年、ようやく関東大会では優勝、準優勝など上位に顔を見せるようになってきたので、今年のチームには期待が大きく膨らんでいるところです。しかしこれまでのチームも「大型」「強力」と言われながら涙を呑んできたので、どのようにチーム自体が変化しているのか。昨秋の県大会、関東大会では打率4割を超し、毎試合二けたに近い得点を奪っていったが、これが全国の好投手に相対してどこまで機能するか。とかく試合運びの拙さを指摘されることの多いチームだけに、スキを見せずに戦い抜き、念願の甲子園2勝を挙げることができるかに注目が集まっています。
その前の記事 ⇒
2年連続で難関の関東大会を勝ち抜いて選抜までたどり着いた山梨学院。昨年も書いたことですが、どうもこのチーム、甲子園で力を出し切れません。まだ全国制覇の経験がない山梨県にあって、東海大甲府とともに全国制覇の期待を県民からは寄せられていると思いますが、どうしても「快進撃」を見せるまでには至っていませんね。このところ関東大会ではかなりその持っている力を発揮することが出来るようになってきて、チームが少し脱皮しかかっているという事は言えるかもしれません。常に大型選手を揃え、勝つときは豪快な勝ち方をしますが、プラン通りに事が運ばない時の試合の中での修正力が、一番問われているチームなのかもしれません。全国優勝、準優勝の輝ける経験を持つ吉田監督に、このところはあの元横浜高校の部長である小倉氏もチーム作りに関わっているという事で、そろそろ結果が欲しい時期です。なにしろ13度甲子園に出場してわずか4勝、1大会2勝を挙げたことがないというのは驚きです。甲子園に強い東海大甲府を上回るような快進撃を、期待してもいいのでしょうか。
その前の記事 ⇒
5年ぶりとなった山梨学院の選抜出場。しかし夏は3年連続で聖地の土を踏んでいるので、久しぶりという感じは全くありません。山梨学院といえば現在は清峰で一時代を築いた吉田監督が13年から率いていますが、その前はどうも監督の交代が頻繁なチームというイメージがありますね。山梨では東海大甲府の大八木・村中監督、甲府工の原監督が名監督として有名ですが、そのほかのチームは頻繁に監督が交代するというイメージがワタシの中にあります。この山梨学院と日本航空という強豪に成長した2チームは、まさに「野球強化」に特化した学校というイメージですが、何足腰が定まらない感じがしていました。しかし吉田監督を招聘した山梨学院、そこからはしっかりとした強化ができているようで、このところ東海大甲府とのライバル対決でも一歩先を行っているという感じがします。甲子園での戦い方で印象に残っていることはほとんどありません。本格派の投手に強打というチームカラーはいつも同じなのですが、甲子園での戦いぶりでは「崩れてしまう」というイメージは強いですね。なし崩し的に終盤相手に得点を重ねられてしまうという戦い方を、甲子園で何度も見たというイメージがあったりするので、粘りを身につけるともっと戦えるのではないかとみています。関東大会などでもよくこのチームの戦いを見ることがありますが、その時は実にしっかりとした野球を展開するイメージもあったりするので、まだまだ甲子園では『よそ行きの野球』をやってしまっているという事なのでしょうか。その点ライバルの東海大甲府は、しっかりと甲子園でも自分たちの野球をやることができていると感じますがね。甲子園での戦い方を熟知している吉田監督ですから、そろそろブレークしてくるかもしれません。まだまだ「良くも悪くもクラブチームのような」風情のある、チームカラーが定まっていないチームのように感じますので、これからどんな色に染まっていくのか、楽しみでもありますね。
21世紀枠 横浜清陵(神奈川) 初出場
夏出場なし
21世紀枠で、横浜清陵が選ばれました。これはワタシにとっては、青天の霹靂と言おうかなんと言おうか、本当にびっくりした出来事でした。21世紀になって21世紀枠というものが始まってから、誰がなんと言おうとも、神奈川県高野連は「この枠には全く興味がない」というのは明らかだとワタシは感じていました。先日亡くなられた公立の名将、県相模原の佐相監督が「これはもう、この学校を選ばなきゃ、どこが21世紀枠なんだ」とまで言われた時も神奈川県高野連は県相模原を推薦することすらせず、その結果あの佐相監督の甲子園への道は閉ざされました。(本当に無念でした) これまで神奈川からは、一度も関東の推薦校として選抜出場選考に臨んだ学校はいなかったという事実が、それを物語っています。そんな神奈川から、今年横浜清陵が21世紀枠の関東推薦校に選ばれたと聞いた時、まず思い浮かんだのは「なぜ?」そして「なんで横浜清陵?」というものでした。昨秋の県大会は準々決勝で東海大相模に0-5で敗れて、さらに横浜清陵のチームを特徴づけるものは何だろうかと考えても、今一つ思い当たるものはなし。ちなみに県相模原は、県内屈指の進学校です。しかしその名前は、野原監督の就任とともに、聞いてはいました。野原監督は東海大相模出身の監督で、前任の大師高校を県中堅の強豪にまで育て上げ、その後横浜清陵に赴任しました。ちなみに大師を育てていたころ、同年代の今の横浜の村田監督は、同じく公立無名校の白山高校を強豪に育て上げていて、佐相監督の県相模原、村田監督の白山、そして野原監督の大師は、神奈川県内では公立の強豪として、非常に注目された存在でした。その野原監督のメソッドで育った横浜清陵、意外な選出ではありましたが、どんな野球をあの”大甲子園”で見せてくれるのか、楽しみではありますね。公立の出場はY校以来という横浜清陵、神奈川県の高校野球ファンの熱~い思いに応えてくれるのか、注目です。
(つづく)