動物糞便学研究室

独立系研究者の研究室の様子、研究内容や日々思う事をお伝えします!!

研究紹介〜変形菌との出会いから〜

2022-11-26 11:17:51 | 日記
(1)ヒトと腸細菌の共生関係はどのように成り立っているのか?

「共に生きること」。

私たちの腸内にはたくさんの細菌が共生しています。

共生のために必要な条件とは何であるのか?

あなたならどのように考えるでしょうか?

私たちはその疑問をある生物を使って解明しようとしています。




(2)真正粘菌(変形菌)との出会い

ある生物とはズバリ、「変形菌」です。

最近ではその美しさから写真集などが発刊され、SNSでも多くの方が写真を掲載しています。

私も最初はその美しさに魅了され変形菌の追っかけをやっておりました。


ですがある時、ふと思いついたのでした。

変形菌の変形体は「単細胞で多核」。

ヒトは多細胞で単核だけどその概念を崩して単細胞で多核であると仮定すれば……。


共生細菌と宿主生物の共生メカニズムを研究できるのではないか?と。


(3)変形菌の変形体内に細菌は共生しているのか?

思い立ったら吉日、すぐに予備検討を初めました。

変形体を数ヶ月の無菌下で培養し、変形体の細菌叢を調べてみたのです。


すると、、、


いくつかのグループの細菌が生息していることがわかりました。

では実際に体内にいるのか?

と思い調べてみると、私たちの使用している変形菌の体内に細菌がいることを確認したのでした。

さらに、変形菌から共生細菌を単離することにも成功しました。




そして今、単離した共生細菌と変形菌の共生に必要な鍵因子を探索しています。

ワクワクが止まらない現場から荻田がお伝えしました。

興味を持った方、一緒に疑問を解き明かす旅へ一緒に参加してみませんか?

研究室の成り立ち。

2022-11-24 19:05:24 | 日記
初めまして荻田 佑(オギタ タスク)と申します。研究が大好きな農学系研究者です。

この度『動物糞便学研究室』を立ち上げ、再出発することとなりました。

様々な研究分野に興味はありますが、一貫して『糞』に着目して研究を進めています。

様々な生物の糞中微生物を調べることで、生物と微生物の共生メカニズムや生物進化との関係などを解明していきたいと思っています。


なぜ糞なのか?実はある出来事がきっかけで糞に魅了され、糞一筋に研究することを決意しました。


私は2020年1月に「うつ」と診断を受け長らく休職していました。

思うように身体が動かない中、何かできないかと思考能力の低下した頭を使い出てきた答えは……いろいろな生物の糞を集めることでした。

無論、病状と糞中微生物の変化を調べたかった私は自分の糞も定期的に採取していました。

糞と一文字で書きますが、大きさ、形、色や糞中微生物の構成などは生物の間で異なっています。

私は一粒の小さな糞の中に宇宙を思い浮かべました。

この一粒に全人類を遥かに凌ぐ数の微生物が生きているのです。

限りなく深い糞の世界に誘われてしまいました。

そして私は再出発するにあたり、糞一筋に研究することを決意しました。

ようこそ!! 信州大学 学術研究農学系 動物糞便学研究室へ!

2022-11-23 16:34:43 | 紹介

初めまして。

信州大学 学術研究農学系 動物糞便学研究室の荻田 佑(オギタ タスク)です。

研究室のHPが完成するまでの間、こちらで研究室の様子、研究内容を発信していきます!!

本研究室は2021年11月に立ち上がりました。

立ち上げ当初はどうなるものかと思いましたが、いろいろな方々の支援を受け、今は学部3年生2人と研究を進めています。

研究内容が幅広いため、2人の学生は大変そうですが、充実しているらしく、毎日笑の絶えない研究室です。

これから始まる研究室員たちの珍道中をお伝えしていきます!

よろしくお願いいたします。

 

研究室長 荻田佑