動物糞便学研究室

独立系研究者の研究室の様子、研究内容や日々思う事をお伝えします!!

研究遍歴

2023-07-27 21:41:20 | 日記
これまでの研究内容をまとめてみた。

2005~2008年:大学学部では3年半井越敬司先生に師事。主にチーズの免疫調節機能について研究。

2010~2013年:博士課程では田辺創一先生に師事。主に低酸素環境下における乳酸菌の免疫調節機能について研究。

2013~2014年:イタリアにてセリアック病モデルマウスを使用し、乳酸菌の免疫調節機能について研究。

2014~2016年:農研機構にて腸内細菌の研究を開始。

〜至現在:共生細菌と宿主生物の共生メカニズムの研究。化石や粘菌、様々な動物のうんちを調べながら多方面から攻めて研究。


腸内細菌関連で初めて論文となったのは下記である。

とあるカテキン代謝細菌を見出したことから始まった。
2年間の動物試験を経て、半年以上かけて見出したのがこの腸内細菌であった。
この腸内細菌の免疫調節機能を調べるにあたり予備試験を含め、論文化までに7年を費やした。

そして多くの免疫系の機能を明らかにした。

毎日コツコツ、少しずつ、学生さんと進めた結果として多くの事が解明された事に感謝している。
この場を借りて、感謝します、「本当にありがとうございました。」。


★Oral Administration of Flavonifractor plautii Strongly Suppresses Th2 Immune Responses in Mice
FRONTIERS IN IMMUNOLOGY,11 2020
Abstract:カテキン代謝細菌として知られるFlavonifractor plautiiをアレルギーマウスに経口投与すると、Th2系の免疫応答が顕著に抑制されることを発見した。


★Oral administration of Flavonifractor plautii attenuates inflammatory responses in obese adipose tissue
MOLECULAR BIOLOGY REPORTS,47(9):6717-6725 2020(Sep.)
Abstract:FP株の肥満マウスへの投与試験を実施したところ脂肪組織炎症が抑制されることを実証した。


★Oral Administration of Flavonifractor plautii, a Bacteria Increased With Green Tea Consumption, Promotes Recovery From Acute Colitis in Mice via Suppression of IL-17
FRONTIERS IN NUTRITION,7 2021
Abstract:カテキン代謝に関与する腸内細菌として報告があるFlavonifractor plautiiがin vitroにおいて抗炎症効果のあることを明らかにしている。本研究ではDSS誘導性大腸炎モデルマウスを用い、FP株の腸炎症状軽減効果を検証した。その結果、FP株投与群でPBS群と比較して飼育11日目に体重変化率およびDAI scoreの統計学的有意な低下がみられた。また、大腸長はFP株投与群で統計学的有意な増加がみられた。


そして今、次のステップへ。
変形菌を用いた研究を着手している。
10年計画でコツコツと行っていく。
革新的な結果は焦っても出ない。じっくりとコツコツと進めていく必要があると、私は思っている。



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