言葉で説明することが難しいことが世の中には沢山あります。
よく子供に何かの感想を尋ねると、ただ「楽しかった」という言葉が返ってきます。
何がどうだから、ああしてこうして楽しいという答えは、大学受験の勉強として記述問題を数多くこなしている高校生か、将来いっぱしの文化人として、世の中のあれこれについて批評する立場の人間になろうと思っている人くらいではないでしょうか。
物事は単純に限ります。
楽しいものは楽しい、楽しくないものは楽しくない。
それこそが真理です。
最近、よく「食レポ」という言葉を耳にしますが、このジャンルはおそらく伝説の域に達しているだろうと思われる名レポーター、彦摩呂さんから始まる新しい形のバラエティコンテンツと言えるでしょう。
彼が語彙の限りを尽くして飾り立てる味覚の世界により、実際にその食べ物を食べていない人たちまでもが、食を楽しむことができるのです。
言い換えれば、「食レポ」をする人たちは、その料理を食べたことがない人がどんな食感で、どんな味がするのかということを想像できるように、言葉だけで伝えなければいけないのです。
語彙力の豊富さと、言葉のセンスが問われるところですが、私個人に限って言えば、これも単純に「美味しい」か「美味しくない」かで言ってほしいと思います。
(なかなか、美味しくないとは言えないとは思いますが、、、)
あるいは、「辛い」か「甘い」、「固い」か「柔らかい」、「熱い」か「冷たい」など、分かりやすい言葉を使ってほしいのです。
例えば、「早朝の軽井沢の空気のような爽やかな後味」なんて言われても、軽井沢に行ったことのない私にはさっぱり何のことだか分かりません。
しかし、一方では、難しい言い方やあまり人が使わない表現を使うことが面白いと思う人も確かにいらっしゃるので、その点については言葉に対する好みの違いの問題だと思います。
人の味覚も言葉の好みも『人それぞれ』という便利な言葉でまとめたいと思います。
さて、音楽も言葉で説明するのが困難なものだという話は、以前の記事でも述べさせていただいているのですが、そのことに果敢に挑んでいる本を今年最後の【本の林】動画で取り上げました。
第四冊《人を魅了する演奏》紙谷一衞(2009 角川学芸出版社)
※↑コチラをクリックして動画が再生されない場合は「本の林」で検索をお願い致します。
本書では、クラシック音楽がどのような性質のものなのか、ということを実際の楽曲を例にあげて解説してあります。
例えば、次のように。
…西欧音階では、和音の流れが心にもたらす作用への関心が不可欠な要素なのです。…(前掲書より、p.94)
音楽大学で専門的に音楽を勉強した私は、なんとなくこの方の言いたいことは理解できますし、音楽を言葉で説明することの困難さを身をもって体験してもいるので、並々ならぬ労苦によってこの本が完成されたということは称賛に値すると思います。
それでも、実際に自分自身の演奏会に足を運んでいただいた人から聞いて一番嬉しい言葉は「楽しかった!」の一言なのですが、、、
まあ、これも『人それぞれ』ということにして、みなさま、それぞれよいお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
よく子供に何かの感想を尋ねると、ただ「楽しかった」という言葉が返ってきます。
何がどうだから、ああしてこうして楽しいという答えは、大学受験の勉強として記述問題を数多くこなしている高校生か、将来いっぱしの文化人として、世の中のあれこれについて批評する立場の人間になろうと思っている人くらいではないでしょうか。
物事は単純に限ります。
楽しいものは楽しい、楽しくないものは楽しくない。
それこそが真理です。
最近、よく「食レポ」という言葉を耳にしますが、このジャンルはおそらく伝説の域に達しているだろうと思われる名レポーター、彦摩呂さんから始まる新しい形のバラエティコンテンツと言えるでしょう。
彼が語彙の限りを尽くして飾り立てる味覚の世界により、実際にその食べ物を食べていない人たちまでもが、食を楽しむことができるのです。
言い換えれば、「食レポ」をする人たちは、その料理を食べたことがない人がどんな食感で、どんな味がするのかということを想像できるように、言葉だけで伝えなければいけないのです。
語彙力の豊富さと、言葉のセンスが問われるところですが、私個人に限って言えば、これも単純に「美味しい」か「美味しくない」かで言ってほしいと思います。
(なかなか、美味しくないとは言えないとは思いますが、、、)
あるいは、「辛い」か「甘い」、「固い」か「柔らかい」、「熱い」か「冷たい」など、分かりやすい言葉を使ってほしいのです。
例えば、「早朝の軽井沢の空気のような爽やかな後味」なんて言われても、軽井沢に行ったことのない私にはさっぱり何のことだか分かりません。
しかし、一方では、難しい言い方やあまり人が使わない表現を使うことが面白いと思う人も確かにいらっしゃるので、その点については言葉に対する好みの違いの問題だと思います。
人の味覚も言葉の好みも『人それぞれ』という便利な言葉でまとめたいと思います。
さて、音楽も言葉で説明するのが困難なものだという話は、以前の記事でも述べさせていただいているのですが、そのことに果敢に挑んでいる本を今年最後の【本の林】動画で取り上げました。
第四冊《人を魅了する演奏》紙谷一衞(2009 角川学芸出版社)
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本書では、クラシック音楽がどのような性質のものなのか、ということを実際の楽曲を例にあげて解説してあります。
例えば、次のように。
…西欧音階では、和音の流れが心にもたらす作用への関心が不可欠な要素なのです。…(前掲書より、p.94)
音楽大学で専門的に音楽を勉強した私は、なんとなくこの方の言いたいことは理解できますし、音楽を言葉で説明することの困難さを身をもって体験してもいるので、並々ならぬ労苦によってこの本が完成されたということは称賛に値すると思います。
それでも、実際に自分自身の演奏会に足を運んでいただいた人から聞いて一番嬉しい言葉は「楽しかった!」の一言なのですが、、、
まあ、これも『人それぞれ』ということにして、みなさま、それぞれよいお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
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