あぽまに@らんだむ

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お菓子と美人の強奪者(FF4セシカイ)

2020年03月12日 | スクエニ関連

 

 

 

 

ハロウィンのFF4パロディです。大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

セシルが少し変なのは私仕様です。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<お菓子と美人の強奪者>


夕刻。魔導船周囲の巡回から帰還したカインは、ハッチを開き魔導船に入ろうとした。
すると突如、目の前に何者かが立ち塞がった。
銀髪にも見えるプラチナの髪に、真っ黒なマントを纏った男は両手を挙げて叫んだ。

「トリック オア トリート!お菓子奪って悪戯しちゃうぞvv」

「……貴様、何処の凶悪犯だ」

一気に疲れが上から圧し掛かるような気がして、カインは目を閉じ、大きく溜息を吐いた。
そして気を取り直し、目の前の男、吸血鬼ドラキュラに扮したセシルを音が出る程に睨み付けた。
背後で妖精に扮したリディアが「セシル、何か文句、違って無かった?」などと、ミイラ男に扮したエッジに聴いている。
白い魔女に扮したローザがふわりと微笑みながら、「セシルは欲張りだから、あれでいいのよ」などと答えている。
そう、今夜はハロウィン。
子供達がお化けに扮し家々を訪ね、お菓子を貰う日なのだ。

「だって、お菓子は美味しいし、カインも美味しいでしょ。どっちも欲しいし」

「…貴様…。今すぐパラディンの階級を返上しろ。そして全世界のパラディンに謝れ」

いつまで経っても睨んでくるカインに、セシルが拗ねると、更にカインは冷ややかになる。
セシルは慌てた。これ以上からかうと、1週間は口を効いてくれなくなる。
カインは有言実行の男だ。

「酷いなぁ…。冗談だよ、冗談」

セシルは観念して素直に謝り、カインに道を空けた。
ハッチを潜ると魔導船の中は、ハロウィン用の飾り付けで賑やかになっており、
テーブルの上はお菓子やケーキが山積みになっていた。
リディアとローザが朝っぱらから台所を独占して作っていたのは、お菓子だったのだ。
甘い物が得意ではないカインは、今晩の夕食は街に降りて食べるしかないかと諦めた。
お菓子だけでは戦闘で力が出そうにない。
適当に頃合を見計らって魔導船を出るかとカインは近くの椅子に腰を下ろした。

「ねぇ、カインの衣装も買っておいたんだ。これ、着けてみてよ」

ティンカーベルのような妖精に扮したリディアは翠の髪を結い上げて、少し大人っぽい印象だ。
ローザもオズの魔法使いに出て来る白い魔女のようで、白く輝いている。
その二人に笑顔で渡された物を見て、カインは凍り付いた。
大きな二つの茶色い耳、同じ色のふさふさした太い尻尾。

「………もしかして、狼男なのか………」

しかし、二人は大きく横に首を振る。
「カインが狼の筈ないでしょ」「寧ろウサちゃんにしたい位なのに」
口々に無敵の女性陣は言いたい事を言い、最期に音声多重で言い放った。

「カインは猫ちゃんに扮装決定なの」

カインは真っ白になる。20歳を過ぎた男が猫ちゃん。
嘘泣きどころの騒ぎではない。
膝の力が抜け、立っていたならば、膝を付き、四つん這いになっていただろう。
それ位の衝撃だった。

「ちょ……ちょっと……時間をくれないか……」

隙有らば逃げてやる。
その為に何とかこの窮地から逃れようとカインは考えた。
しかし、勘のいい女性陣は全てお見通しだった。
一度はカインに手渡した猫耳と尻尾を光の速さで奪い取り、
そんなスキルがあったのかと首を捻る程の素早さで、
カインの頭とお尻に二つのアイテムを着けてしまったのだ。
どんな魔法グッズなのかは分からないが、猫耳と尻尾は、カインの頭とお尻にまるで生えているかのように着き、
カインの意志に反応してぴくぴくと動いたり、ふりふりと振れた。

「やっぱりカインは猫ちゃんだよね。うん、似合ってる」
「カインと言ったら、このアイテムしかないと思っていたの。思い切って買って良かったわ」
「うんうん。リディアもローザもグッジョブだよ」
「俺もそうだけど、お前等、カインの意見は無視なのな」

4人は茫然自失になっているカインを囲んで好き勝手な事を喋り続けた。
我に返ったカインが慌てて猫耳と尻尾を外そうとするが、
案の定、二つは身体の一部になってしまったかのように、取れなくなっていた。

「あ、それ、プチ呪いアイテムだから、着けた人物じゃなきゃ外せないのよねぇ」
「…と言う訳だから、明日まで、それ、着けてなくちゃ駄目よカイン」
「ローザ…。僕、君のそういう処が好きだよ」
「好きの意味、違うよな。お前の場合」

寧ろ玩具である。
カインは火のように怒り、魔導船を飛び出して行ってしまった。
その後、ハロウィン騒ぎが収まり、反省した4人がカインを見付けに行くのはまた別のお話。
猫耳と尻尾を外す日。
セシルは最期の最期まで残念がったが、カインの一睨みで黙ったのは言うまでも無い。


<了>

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うちのセシルはこんなんばっかです。

嘘泣きの続きもまた転載しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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