このページは『拘縮の分類』について記載しています。
拘縮の分類には以下の5つがあります。
①皮膚性拘縮
②結合組織性拘縮
③筋性拘縮
④神経性拘縮
⑤関節性拘縮
以下に、それぞれを詳しく見ていきましょう。
①皮膚性拘縮
熱傷後や皮膚挫創後に皮膚が壊死または損傷し、瘢痕治癒後に生じる瘢痕拘縮。
熱傷ではⅡ度・Ⅲ度の真皮深層熱傷で生じることが多いとされています。
また、手術後にもよく見られます。
当院では、切り傷などの怪我や、(骨折などの)手術後の皮膚のツッパリ感が残存し、そのため関節拘縮を訴え来院される方がおられます。
顔面の怪我などで傷をできるだけ目立たないようにしたいと言う方もおられます。
完全に回復することは難しいですが、ツッパリ感を含め軽減する傾向にあります。
②結合組織性拘縮
皮下組織、靱帯、腱、腱膜、筋筋膜など主に結合組織によって構成されるものに起因する拘縮。
代表的なものとして、Dupuytren拘縮があります。
③筋性拘縮
骨格筋(いわゆる筋肉)の短縮や萎縮が原因で起こる拘縮。
主に、関節が特定肢位で長期間固定されたことで生じる。
筋膜などにも変化が生じるため、結合組織性拘縮も合併していることが多いとされる。
また筋膜に変化が生じた場合は、筋膜の性質上、他の筋肉にも影響を与えている可能性がある。
代表的なものとしては、Volkmann拘縮があり、ギプス固定などで筋肉の血流障害が原因で生じる。
④神経因性拘縮
神経疾患に由来する拘縮。
強度の疼痛により、反射的に筋spasmが生じ、疼痛回避のために逃避肢位が長期間継続するために生じる。
中枢性疾患では痙性麻痺を伴い、筋緊張が亢進するため痙性拘縮が生じる。
末梢神経障害に伴い弛緩性麻痺性拘縮が生じる。主動筋と拮抗筋の筋力バランスに問題がある場合に生じる。
⑤関節性拘縮
関節を構成する滑膜や関節包、関節内靱帯などに由来する拘縮。
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