台湾 雨の九份(チョウフン)
昔々
月の世界に
大きな桂の木があったという
頭上を回る青々とした
美しい地球へ移住して
根をおろしてみたものの
暑すぎて
環境破壊も進んでいた
月のような寒い時期に
やっと小さな花を付けて
故郷の懐かしき月を眺める
静かに
ゆったりした気持ちで
茶室のすだれ越しに
咲き始めた
梅の花を眺める
ほのかに漂う
甘酸っぱい香りの中で
茶のふわりと広がる
甘い渋みを味わう
こんな至福のひととき
明日の灯りが
ふわりと広がる
世の中の動きなんぞ
小さいものだ