尿道カテーテルは清潔を保つ為月に一度交換しなければ行けないのだが、この日はまだ一月も経っておらず、確か二週間くらいだった。看護師2人からそろそろ交換しますねと言われ体の動かない自分はそれに従った。
交換するのはまだ一年目だと言う新人ナース。
カテーテルを抜いたまでは良かった。
だが、新しいカテーテルを挿入する時に変な方向に先が向いたたらしくアソコに激痛が走った。
それは例えようがないくらいの痛みで、体が動かない自分でも体を丸めたくなるくらいの激痛だった。
カテーテルを一旦抜いた後、おしっこが出るかの確認のため暫く待った。
この間もアソコはじんじんと痛む。
そして尿意を催しオムツでおしっこをすると血が溢れているではないか……
オムツが真っ赤に染まり看護師が何人も見にくる。
先生がやってきてカテーテルをちゃんと挿入してくれたのだが、カテーテルを伝わってずっと血は流れていた。
次の日泌尿器科の先生の診察を受ける。
この日は泌尿器科の先生が何時間も診てくれるのだが、血は一切止まることはない。
カテーテルも何度も抜き差ししては、尿道に注射器のようなもので抗生剤を流し込んでは抜いて行く作業を繰り返された。
何度も尿道にカテーテルや注射器を刺され痛みに悶えるも、喋れない動けない自分には何の抵抗も出来なかった。
その日は一旦落ち着き、先生は帰って行った。
ところが、夜になるとカテーテルをしていると言うのに膀胱がパンパンに膨れ上がって尿意が爆発しそうな感覚を覚えてナースコールをして口パクで必死にそれを伝える。
どうにか伝わったようで夜中にも関わらず泌尿器科の先生が駆け付けてくれた。
またカテーテルを抜き、注射器のようなものを尿道に差し込む。何かを注入すると膀胱がパンパンになる。そしてそれを抜く。
その繰り返し作業が二時間ほど続いた。
本当に地獄だった。あの新人ナースを心底恨んだ。
朝を迎え、昼間は外来の患者を対応しないといけない先生は昼間は一切来てはくれない。
が、膀胱がパンパンになる症状はそれでもやってくる。
外来診察は17時に終わる。来るならその後だと我慢し続けてまたもや一晩中先生の治療が始まる。
何故か治る気配はない。膀胱はすぐに爆発しそうな感覚になるし、血は止まらない。
次の日本格的な治療をしようと提案された。
それで治るならと期待して次の日を迎える。
麻酔も何もないアソコの治療が始まった。
今までに見たこともない長い針のようなものを尿道に差し込み、中を洗い流す作業が一時間程続いた。
痛みにもがき苦しみながらそれに耐え、作業が終わるのを唇を噛み締めながらまった。
「これでよし」
先生のその声が聞こえ、ようやく終わったのを確認して、安堵感から口パクで「ありがとうございます」と言った。
これでこの苦しみから解放される。夜もちゃんと眠れるんだとそう思った。
ところが、膀胱の爆発はまたやってきた。勿論血もまた出ているようだ。
夜中にまた先生を呼び出してもらう。
この症状を診て、先生は頭を捻り続けた。
そして出た言葉は「明日の夕方手術をしよう」だった。
今度は本格的な手術らしい。麻酔も全身麻酔で眠って起きたらもう終わってるから安心だと言う。
でもそれが始まるのは夕方16時。
その間、膀胱の爆発はやってきて我慢できず何度もナースコールをした。でも看護師には何もできず、先生を呼ぶことも出来ない。
14時頃4ヶ月ぶり程に母親に会った。
手術があるからと呼び出されたらしい。
4ヶ月振りに見る母は前よりずっと痩せていた。
「頑張ってね」と言われたが、お母さん貴女もちゃんと食べて頑張って下さい。そう思った。
16時半を大きく過ぎた時間に手術はようやく始まる。
酸素マスクを付けられ点滴を流す、気付いたら眠っていた。
次の瞬間起こされた時には手術は終わっていた。
訳三時間ほどの手術だったらしい。
泌尿器科の先生の説明を受ける。
尿道からカメラを入れて怪しいところを焼いたのだが、中々血は止まらずカメラを色んな方向に動かすと膀胱とアソコの入り口に大きな傷があったらしい。
だからもう大丈夫だと言ってくれた。
まだ少しカテーテルからは血が出てるが手術前に比べて色も薄くなってきてるとの事。
膀胱の爆発は確かにもう来てない。
ようやく安心して眠れるんだと思ったら急に眠気が襲ってきた。
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