星空を追い求め
<日産不正>乏しい自浄能力 数値改ざん、拠点5カ所で
7/9(月) 22:05配信
無資格の従業員が完成車の検査を行う不正が昨年秋に発覚した日産自動車で9日、検査の測定値を書き換えるという新たな不正が発覚した。
日産は昨秋の不正発覚を受けて法令順守体制を強化すると説明していた。
しかし、その後も別の不正が生産現場で行われていたことになり、同社の自浄能力の低さや問題の根深さが改めて浮き彫りになった格好だ。
原因究明や再発防止策の策定が急務で、信頼回復の道のりは険しい。
「原因の深掘りをして、絶対に問題が起きない仕組みを作るのが第一義的な責任だ」。
この日、横浜市内の本社で記者会見した山内康裕執行役員はこう強調した。
新たな不正は、出荷前の新車の一部を抜き取り、燃費や排ガスの数値などを室内で試験する「完成検査」で発覚した。
車両をローラー型の測定装置に乗せて走行させる検査の中で▽規定の速度を逸脱した無効な検査データを有効な数値に書き換えた▽試験室の温度や湿度が許容範囲外でも有効なデータとして処理した--などの内容だ。
いずれも今年4月にSUBARU(スバル)が公表したデータ不正の内容と似ている。
今回の不正は国内の製造拠点全6カ所のうち5カ所に上った。
不正がなかった日産自動車九州では検査業務の経験が豊富な監督者がいた。
一方、他の工場には十分な知識のある上層部がおらず、不正の背景には構造的な問題がありそうだ。
不正には少なくとも10人が関わっていたという。
動機や背景について、山内氏は「法令順守の意識が希薄だった。(無資格検査問題と)根っこは同じだ」と語った。
スバルで同様のデータ不正が公表された4月以降も、一部の工場で不正が続いていたことも判明。
他社の事例がなければ問題を見つけられなかった可能性もあり、問題は深刻だ。
山内氏は「(問題を)自ら検出できる管理体制に変えていきたい」と述べるにとどめた。
再発防止に臨む同社の姿勢には厳しい目が注がれる。
石井啓一国土交通相は9日、「昨年9月に判明した完成検査問題の再発防止に取り組む中、ごく最近まで続いていた点で問題の深刻さを示すものであり、
極めて遺憾だ」とのコメントを出した。
不正が重ねて発覚したスバルでは、吉永泰之・前社長兼最高経営責任者(CEO)=現会長=がCEO職の退任を迫られた。
日産の西川広人社長らの経営責任も問われることになりそうだ。【竹地広憲、川口雅浩】
私心
日本の一流企業が不正を繰り返す。
信じられない出来事ですが、現実ですね。
物造りで世界をリードする日本と思ってはいますが、だんだん不信感が募ります。
再発防止に全力を挙げて頂きたいです。