せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
なおAdsenseはgooが勝手に出してるだけ。

GXと月探査

2010-07-01 23:47:54 | 宇宙、航空系
GXロケット。
完成しなかったロケットでも、最後に墜落くらいは出来るみたいです。

 ■GXロケット開発会社が特別清算 事業仕分けで廃止判定 (ITmediaNews:産経新聞)
 ■株式会社ギャラクシーエクスプレス (帝国データバンク・大型倒産速報)

GXロケットの開発中止で、ギャラクシーエクスプレス社が清算。
規定路線なんで驚きは無いのですが、債務超過額が約229億円ってのが凄い。ベンチャーみたいな会社なんで仕方ないとはいえ、銀行も貸してくれるところには貸してくれるものなんだなぁ。
とはいえ、本気で打上げの営業をかけていたら一段目の先行発注とか契約先への違約金とかでもっとでかい額になりそうな気がするので、やっぱりギャ社内部も本気では動いていなかったんじゃないでしょうかね。

まー終わってしまったロケットの話はこれ以上悪くならないのが救い。
他方、このニュースを見て気になったのは、アレもGXみたいになったりしないだろうか、ということですね。

アレって、これね。月探査。

 ■我が国の月探査戦略(案)の概要 (宇宙開発戦略本部:pdfファイル)

何だか案といいつつこのまま通りそうともっぱら噂の月探査。
ここで案から5年後までにやること、ってのを抜粋。

 ・月への自動軟着陸
 ・月面無人ロボット探査
 ・月面での太陽光発電とリチウムイオン電池の運用

盛りだくさん過ぎて調子はいいんですが、どれも5年で出来るんでしょうか。

GXロケットも当初は世界トップクラスのローコスト性を目指して開発がスタートした訳で、最初は私も「おぉ!これはっ!」って思ったんですけどね。
結局、燃料タンクとかLNGエンジンとか難しい技術的チャレンジで見事にコケて、コストも期間も増大した挙句に会社清算な訳ですよ。

世界初、をいっぱい並べて威勢が良いのはいいんですが、勝算あるのかなぁ月探査。
5年後というか2~3年後くらいに、この月探査計画を自分がどういう目で見ているか。ちょっと不安なものを感じます。


またリアクションホイールか

2010-06-23 23:29:07 | 宇宙、航空系
種子島でロケットに据え付けられた状態でコレは辛い。

 ■「みちびき」を載せたH-IIAロケット18号機、打上げ延期 (sorae.jp)
 ■H-IIAロケット18号機による準天頂衛星初号機「みちびき」の打上げ延期について
  (JAXA・プレスリリース)
 ■準天頂衛星初号機「みちびき」の打上げ延期について (JAXA・プレスリリース:PDFファイル)

あちゃー。またもやリアクションホイールですか。
なんせ宇宙で何年も回り続ける宇宙ゴマ。動き続ける部品なだけに壊れやすい宿命を持ちつつ、微妙な姿勢制御には欠かせない重要部品ですから、大事をとって打上げ中止という判断も仕方ないですね。
今回の不具合は設計ではなく製造の不具合のようなので、部品交換だけで終わるのが、救いといえば救いでしょうか。

にしても、ロケットから外して、島から持ち出して、鎌倉の三菱電機まで運んで、部品交換したらまた鎌倉から種子島まで運ぶわけですよ。
JAXAの説明によると、不具合情報が来たのが6/17っていうから仕方ないのですが……どーせなら5月の種子島搬入前に分かっていて欲しかった。


ちなみにリアクションホイールの不具合といえば、やっぱりアレ。
みんな大好き「はやぶさ」くんが有名過ぎますね。

 ■「はやぶさ」の姿勢制御装置(リアクションホイール)の不具合について
 (JAXA・プレスリリース)
 ■探査機の現在の状況-ホイールの不具合について (JAXA/ISAS・はやぶさOfficial Site)
 ■JAXAにおける衛星用ホイールに関する信頼性向上活動について
  (文部科学省・宇宙開発委員会推進部会:PDFファイル)

そしてもういっちょ、SELENEこと月探査機「かぐや」もリアクションホイールがぶっ壊れました。

 ■月周回衛星「SELENE(かぐや)」のリアクションホイール(姿勢制御装置)の
  一部不具合について (JAXA・プレスリリース)
 ■平成21年宇宙開発委員会(第4回) 議事録 (文部科学省・宇宙開発委員会)

「はやぶさ」も「かぐや」も宇宙開発委員会の資料及び議事録を見てもらうと分かるんですが、両方ともIthaco社製です。恐らくこんな感じ
んで、恐らく今回の「みちびき」も、Ithaco社製。どーせ他に選択肢無いだろうし。

「はやぶさ」の時は設計変更のせいとはいえ要は接着不良。
「かぐや」はよくわかんないけどどうやらワッシャーの裏表を間違えたかもという恐ろしい工程ミス。
そして今回は、潤滑剤に異物混入という、工程ミスなんだか潤滑剤購入時の検査ミスなんだか。

もうね、そろそろ勘弁してもらいたいですIthacoさん。
難しい部品だってのは分かりますけど、大手なら大手らしくピリっとして下さいよ。

日本の月探査(……?)

2010-06-18 22:45:54 | 宇宙、航空系
もうブームのうちに宇宙ネタの固め打ちしちゃおう。(笑)
久しぶりだなぁこんなに宇宙関係で記事書くの。

日本でも月探査、特に月面探査を始めよう、という計画が固まりつつあります。
今から始めて2015年には軟着陸して、2020年にはサンプルリターンするぜ、という日本らしくない(失礼)、妙に野心的な内容となっていて、なかなか面白いです。

 ■月探査に関する懇談会 報告書(案) (首相官邸・宇宙開発戦略本部:PDFファイル)
 ■「月探査に関する懇談会 報告書(案)」に対する意見、及び「ロボット月探査の計画の愛称」の募集について
  (首相官邸・宇宙開発戦略本部)

PDFファイルの方が、その計画概要。
そしてこの計画に対する意見募集(パブリックコメント)についてが、その次のリンクです。

実はパブリックコメントの締め切りは昨日だったんですが、昨日の夜、慌てて書いて送りました。
要旨は
  「金ないくせにそんなに急いでどーすんの」
  「金が無くても他の探査計画に迷惑かけるなよ」
という夢も希望も無い意見。(笑)

一応何かの参考までに、私の送ったメールのほぼ全文も以下に載せておきます。




 「月探査に関する懇談会 報告書(案)」について、若干の意見がありますので、以下に述べさせ
 て頂きます。
 
  私は、月探査、及び月探査技術の開発は、惑星、小惑星探査に並ぶ重要項目であると考えます。
 その点では「月探査に関する懇談会 報告書(案)」(以下「報告書(案)」)の「1.はじめ
 に」及び「2.月探査の目的」については、概ね賛同です。

  しかし、それに続く「3.月探査の目標と取組」で触れられている計画と目標設定は、試算され
 る予算規模に対して余りに急ぎすぎではないでしょうか。

  「報告書(案)」の5ページには「資金規模は2015年頃までに約600~700億円程度と試算」と
 あります。また6ページには「2020年頃までに累計約2000億円程度と試算」とあります。よって、
 単純計算で、仮に2015年までの計画のみとしても年120~140億円、2020年までの計画を組み入れる
 と月探査関連のみで年200億円の予算規模になると認識しています。
  ご存知のようにGXロケットが開発中止、HTVや各種衛星についても1割削減の要求が行政刷新会
 議より出ている今、この予算規模はちょっと現実的とは思えません。
  確実に月探査を進めるならば、予算を確実に組めるよう、もう少し控えめな目標で、もう少し長
 い期間をかけるべきではないでしょうか。

  また、予算に不足が出た場合、月探査計画を延期もしくは中止をするのか、他の宇宙開発を止め
 てまでも月探査を優先させるのでしょうか。
  現在の日本には、様々な宇宙開発計画があります。この「報告書(案)」は他の科学衛星、実用
 衛星等との関連や優先順位等が全く触れられていませんが、月探査計画は、それらとの関係の中で、
 どのような優先順位にあるのでしょうか。
  私個人の意見としては、月探査は重要ではあるものの、現状では急べき理由はさほど無いと考え
 られるので、優先度としては、月探査は他の計画より若干低いランクとすべきではないかと考えま
 す。

  我が国独自の月探査計画は、恐らく誰もが夢見る宇宙開発の1つだと思います。
  ただ、月ばかりに気をとられ、宇宙開発計画全体のバランスや方向性が狂うことだけは無いよう、
 どうかご配慮を頂きたいと思います。




……という感じです。

我ながら夢が無いなぁ。
ニコ生見ながら書いたから文も変だなぁ。(ぉぃ

でも、さすがに年200億のJAXA予算に積み増しって現状で可能とは思えないんです。さらに予算があっても、この規模じゃ人的リソースに相当無理がありそうな気がします。
それこそ何か他の計画止めないと帳尻が合わないんじゃないかと思ったので、そうなったら困るから色々もうちょっと配慮しろよ、っていうのが主旨です。

やっぱり、月探査のために「はやぶさ2」が見送りになったらたまりませんからね。
その予防線が張れたらいいなぁと。


そもそも月面探査ってNASAが40年前にやりほーだいやっちゃっているので、今更急ぐ必要も無いんですよね。
確かに月面探査は宇宙開発のマイルストーンというか宇宙技術のチェックポイントというか一度は通っておかないといけないモノだとは思うんですが、それが2020年である必要が何処にあるのかと。

今の子供には、口先だけの約束でなく、本当に叶う夢を見せてやりたいじゃないですか。
お金が出るのなら是非全部やって欲しいとは思うんですが、お金が出なくてもそれなりに前へ進めるような、もうちょっと堅実な案にして欲しいなぁと思いますね。


宇宙開発ネタ、知ったかぶり方法指南。(笑)

2010-06-16 23:54:58 | 宇宙、航空系
なんか「はやぶさ」のおかげですっかり宇宙ブームらしくて。
かといって今更「はやぶさ」がどうこうと表層を掘り下げても仕方ないので、ちょっと目線を変えて、今後もBlogで宇宙関係を扱ってみたい、って方のための知ったかぶり講座なんぞを。(笑)


日本の宇宙開発といえばJAXA。
ありがたいことに、JAXAはネットを駆使して一般に様々な情報を公開してくれています。

 ■JAXAメールサービス JAXAからの様々なお知らせがメールで届きます。
 ■Twitter:@JAXA_jp メールサービスと同レベルのお知らせをTwitterで受け取れます。

次のロケットの打ち上げの日付決定とか、そういう情報が(速報ではないですが)どんどん流れてきます。
メールサービスでもTwitterでもどちらでも良いと思うんですが、メールは状況によってはばんばん送られてくるので、携帯のメアドしか無いなんて人はTwitterの方が良いかもしれません。

※最近だと、8/2打ち上げの準天頂衛星「みちびき」に関する紹介が増えてきてますね。
※まぁ「みちびき」も、この数日のはやぶさとIKAROSに埋もれてしまってますが……。


さて、打ち上げの日程が分かったとします。
大抵の場合(情報収集衛星は除く。ああつまらん衛星だ)は、打ち上げ直前になるとロケット、衛星とも専用ページが立ち上がりますので、まずはそこをチェック。

例えば先日の金星探査機PLANET-C「あかつき」の打ち上げなら、こんなページが用意されました。

 ■H-IIAロケット17号機による「あかつき」打上げ カウントダウンレポート (三菱重工)
 ■あかつき特設サイト (JAXA)

正直なところ、三菱重工のカウントダウンサイトは大した情報が出てきません。頑張って欲しいなぁ三菱。
注目はJAXAの特設サイト。特に注目すべきは、右側に沢山あるリンクのうち、以下の2つです。

 ■打ち上げ情報の「H-IIAロケット 飛行計画書」
 ■プレスキット/広報ツールの「金星探査機「あかつき」プレスキット」(PDFファイル)

この2つの情報だけで、ニコ生の打ち上げカウントダウンで知ったかぶりできますよ。(笑)
特に飛行計画を事前に知っておくと、相当に知ったかぶりできますよー。(笑)
第一段燃焼停止をMECO(メコ)なんて呼んだりすると、もうかなりものもの。(笑)

Blogのネタとしては、衛星のプレスキットがかなり使えます。
なんせプレスキットのくせにマスコミは殆ど報道に使ってくれないので、ネット友人なんかに「えーよく知ってるねー」って驚かれること請け合い(笑)。相当知ったかぶりできます。
あと、後日、何処何処が壊れたとか、何処何処のカメラで撮った映像、なんてニュースが出たときに、読み返すといいネタになりますね。


ただ、たまーに抜けてたりするんですよね。
具体例だと、Twitterではすっかり「はやぶさ」の弟分となったIKAROSきゅん

 ■世界初のソーラー電力セイル展開状態の撮像成功!  (JAXA:IKAROS専門チャンネル)

ここで自分撮りしてるカメラ、プレスキットに載って無いんですよねー。
もうね、今日はビックリでしたよ。何処にそんな隠し玉があったのかと。IKAROS-Blogには書いてあったっぽいんですが、今日写真見るまで全然知りませんでした。

ってことで、資料だけで余りしつこく知ったかぶりすると、落とし穴も開いている。っていう話でした。(ぉ


あと、最後に一般的なニュースサイトなどを。

 ■sorae.jp 日本唯一の宇宙専門webニュースサイト、でしょうか。
 ■星が好きな人のための新着情報
  宇宙開発より天文系サイトですが、昔から読ませてもらっています。
 ■宇宙作家クラブ ニュース掲示板
  マスメディアでは報道されない記者会見の詳細が分かる貴重なサイトです。
 ■NASA - Shuttle and Station -
  日本人宇宙飛行士の話だと、どーしてもココに行くしか。翻訳サイトフル活用。(笑)
 ■Spaceflight Now
  NASA以外の米国の民間宇宙開発なんかの情報はコッチも見たりします。

こんなところですかね。
はっきり言っちゃえば、ウチのblogの宇宙ネタは上記サイトの受け売りで構成されています。(汗

ということで、皆様も良き知ったかぶりライフを。(ぉ

私からも「おかえりなさい、はやぶさ」

2010-06-14 21:44:47 | 宇宙、航空系
昨夜からネットで、今朝からはテレビでも新聞でもかなりの大きさで取り上げられているので今更という気もしますが。


技術実証衛星・小惑星探査機「はやぶさ」、見事その使命を果たし、オーストラリア南部ウーメラ砂漠、ウーメラ実験場(WPA)にカプセルを落下させました。

 ■午後22時30分頃、管制室は全てのコマンドを打ち終えました。 (Twitter:@Hayabusa_JAXA)
 ■<6月13日 22時57分(日本時間)発信>地上からカプセルの発光(火球)を確認しました。
  (Twitter:@Hayabusa_JAXA)

 ■Hayabusa Reentry Video from NASA (YouTube:NASA観測画像)




 ■Hayabusa Space Probe Ship Re-entry(HD) (YouTube:NASA観測画像・望遠)





 ■分離したカプセルからのビーコンが確認されました。 (Twitter:@Hayabusa_JAXA)

  




 ■「はやぶさ」大気圏突入/カプセルも発見 (JAXA・ISAS)
 ■「はやぶさ」:ヘリコプターから撮影したカプセル本体の画像 (JAXA・ISAS)
 ■はやぶさカプセル熱シールドの発見について (JAXAプレスリリース)

 ■はやぶさカプセルの回収作業の完了について (JAXAプレスリリース)


私はニコ生と和歌山大のUstream中継の両方で再突入を見ていましたが、どちらも画質がイマイチだったので「え?えええ???」みたいな感想しか出なかったのですが、ニコ生のビーコンの音には猛烈に感動しました。まさに成功を確信した瞬間でした。


ところで。
あのビーコンが「おぎゃー!おぎゃー!」か、それとも「ただいま!ただいま!」かは色々と意見の分かれるところです。

はやぶさは燃え尽きて、おつかいの品だけが返ってきたのか。
はやぶさは限界を迎えた鎧を捨て、最後のコアだけで帰って来たのか。

ここら辺は各自の捕らえ方次第だと思うのですが、様々なメディアの再突入画像を見ているうちに、私は何だか、カプセルが「はやぶさ」に思えて仕方がなくなりました。
あの安定かつ堂々としたカプセルの飛翔は、まるでカプセル自体が「飛ぶぞ、降りるぞ」と意思を持っていたように思えて仕方ないんです。

 ■見たぞ、はやぶさの凱旋(確定版) (松浦晋也のL/D)
 以下引用。

> 今やはやぶさの本体(ここはウェットに“魂”というべきなのか?)は機体から再突入カプセルへと移り、
> 分解する機体を従えて、堂々地球への凱旋を果たしたのだ。

なるほど凱旋という見方もありましたか。
私はそこまで勇ましい印象では無かったですが、魂が移ったという感覚は凄く分かります。

思えば「はやぶさ」っていうのは何かとSFチックな探査機でした。
だったら、最後までSFチックに夢を見るエンディングも、アリじゃないかなと思います。


今日で悲しみは捨てる。

2010-06-09 21:55:36 | 宇宙、航空系
あの「はやぶさ」、TCM-4(最後の軌道修正)完了しました。
これで、はやぶさはもう、燃え尽きるしかありません。

 ■「はやぶさ」のTCM-4、WPAへの精密誘導完了 (JAXA・ISAS)

 ■「『我らのイオンエンジンは世界一のエンジンだ!』」 (Twitter: @Hayabusa_JAXA)
 ■「皆さん,μ10イオンエンジンは立派に役目を果たしました。」 (Twitter: @Hayabusa_JAXA)

今まで「はやぶさ」は、色々なものをくれました。
工学的な話では、当然ながらイオンエンジンの実使用に関する膨大な知見を。
運用面では、初めての本格的な惑星探査機の運用経験を。
そして我々野次馬には、夢と希望と、日本が世界のトップに立っているという甘い酩酊を。

「はやぶさ」は、間違いなく日本の宇宙開発の、日本の科学史のマイルストーンです。
50年後、100年後、科学史の年表に載り、永く名前を残す優秀な探査機です。

優秀というのは技術だけの意味ではありません。
これほどまでに愛された探査機が、今まで日本にあったでしょうか。「はやぶさ」の存在が、日本の宇宙開発に対する世論を大きく変えた気がします。あの5年前のイトカワ着陸以来、JAXAからの情報も、その情報に対するメディアの取り扱いも、格段に増えたと感じています。そして公開される情報を基に、より沢山の人が宇宙開発に興味を示し、意見を交わすようになりました。私だってその一人です。

「はやぶさ」は、本当に色々なものをくれました。


そんな「はやぶさ」が、燃え尽きてしまう。

今日のTCM-4が失敗していれば、安全のために再突入軌道からの離脱が行われるはずでした。
でも、成功しました。
後はカプセル分離だけですが、成否に関係なく、その段階ではもう軌道を離脱する事ができません。

物凄く不謹慎ですが、私は心の中で「TCMが失敗すればいい」とずっと思っていました。
やはり「はやぶさ」を失いたくはない。決して地球には帰ってこれなくとも、太陽系の何処かで生きてさえいてくれれば、30年後でも50年後でも、いつか人間の方から会いに行ける。ずっとそう思っていました。

本日、TCM-4成功の報に接し、泣きそうになりました。
会社だったので泣けませんでしたが、自宅ならきっと泣いてました。


私も、もう決心するしかありません。

彼の運命は決した。
彼が死ぬ思いで這いつくばって掴んだ運命を、受け入れない訳には行かない。

最後まで頑張れ、はやぶさ。
絶対に帰ってこいよ、待ってるからな。


 ■「はやぶさ」、回収部隊の待つ地域へ精密誘導を完了 (AstroArts)
 ■「はやぶさ」の地球帰還直前の光学望遠鏡による観測について (JAXA・ISAS)

大気圏再突入は13日23日頃。あと4日の命。
12日、13日の日没後には状況が良ければ見える可能性があるので、機材ある方は是非観測を。


宇宙にもスシブームが来る?(えー

2010-03-01 22:21:13 | 宇宙、航空系
久しぶりに宇宙ネタ。
この人はホントに何でもやるなぁ

 ■野口聡一宇宙飛行士、宇宙で初めて寿司を握る (sorae.jp)






スシは1分15秒後から。
しかし……フジはちゃんと経費払っているのだろうか? (笑)

それにしても、宇宙で手巻き寿司を巻けるというのは、ちょっと感動でした。まぁトルティーヤの例もあるし出来るだろうとは思っていましたけど、どんな感じになるかは分からなかったので。
やはりそのままでは海苔にシャリが乗りにくいみたいですけど、これ改良すればかなり行けそうな気がしますね。

今回は何故か具が無いんですが、そんなものは都合が付けば何とでもなります。シュリンプカクテルでエビ、オムレツで玉、さらにツナサラダスプレッドで、今でもサラダ巻きくらいは簡単に出来そうです。
生のネタやカッパなんかは難しいでしょうけど、煮穴子やかんぴょう、鮭フレークなんかは簡単でしょうから、バリエーション展開も割と実現性あるんじゃないでしょうか。


まー今現在のISSで手巻き寿司を正式採用する必要は全く無いんですけどね。

10年後、20年後のレベルで、民間の宇宙泊旅行なんかが企画された時には、採用してくれると楽しいんじゃないかなと。宇宙旅行が普及してくると、宇宙名物、みたいなメニューが必要だと思うんですよね。それの1つになったらいいなぁとか思う訳です。


この時勢に予算増額とは凄い

2010-02-02 21:59:56 | 宇宙、航空系
ようやく現実路線に戻ってきたような気が。

 ■オバマ政権、NASAの有人月探査を全て打ち切る (sorae.jp)
 ■オバマ大統領が予算教書発表、有人月探査を中止 (CNN.co.jp)
 ■NASAの有人月探査計画、打ち切りへ (ナショナルジオグラフィック)

 ■アメリカの宇宙開発政策が大方針転換、有人月探査中止よりも堅実な技術開発に注目せよ
  (松浦晋也のL/D)

おぉついにきたか!と思ったら既に松浦さんがこの話の凄い部分も取り残された日本の困った立場も全部書いちゃってるので自分としては割愛。

取り合えず凄く気になるのは、NASAの20011年度予算概要にある「Heavy-Lift and Propulsion R&D」って項。意訳すると「次世代ロケット用のすっごい力持ちのエンジン作るよ」「安くて開発に時間がかからないようにしたいね」なんて事が書いてあるんですけど、いきなり書くからには、NASAには何かネタがあるんですかね。
単にシャトルのメインエンジンだったSSMEを見直して再設計するくらいなら分かるんですけど、「次世代用」ってのが妙に気になって。


まさか……リニアエアロスパイク???

いやーアレも予算超過で潰れた企画だからなぁ、今更復活させるって事は無いと思うけど……やってくれると面白いなぁとか思ったりして。



オマケ。

そういやX-33計画を実行してたのがクリントン政権で潰したのはブッシュ政権。
んでコンステ計画を作ったのはブッシュで潰したのがオバマ。
なんか妙なマッチポンプ臭が。

そう思うと、ホントにリニアスパイクの復活があったりするんだろうか??(笑)


パイオニアはプレート、ボイジャーはレコード、そして日本は以下略w

2009-12-16 21:32:39 | 宇宙、航空系
お、J-CASTきた。
これがYahoo!ニュースに配信されたら本当に1万人達成できるかも。されるかは知らんけど。

 ■「初音ミク」イラストを金星探査機に ネットで署名活動 (J-CASTニュース)

先日書いたミクをあかつきに載せるって話は現在も進行中でして、何故だかどうしてだか、1万人達成してプレート1枚丸々占有するという物凄い目標に置き換わってます。
正直なところ、1万人でプレート1枚とか前例作っちゃうのはどうかなーという気もするので、達成できたらいいねぇ、そうだねぇ、という傍観者的にゆるく応援しているという感じです。

気がついたらなんか立派なポータルも出来ていたりして。
バナーがあったので拝借して貼らせて頂きました。



バナークリックでポータルサイト開きます。
ちなみに署名はGoogleドキュメントでの受付に置き換わりました。ニコ技wikiへの直接書き込みは余りの重さにサーバごと落ちまくってくれたらしく、追い出された(笑)移動したようです。

しかしラブプラスならともかく、今更ミクで1万人はキツイんじゃないかなと思っていましたけど、こりゃ行くかも知れません。
あの「やわらか戦車」もMixiNewsやらYahoo!ニュースに紹介記事が配信されたら2時間で9万アクセス来たそうですから(笑)、大手サイトに載るとユニークユーザー1万人程度は確実に来るんじゃないかと。
まぁ勝手で根拠の薄い予測ですけども、なんだか達成可能な気がしてきたのは自分だけでしょうかね?

ただ、「やわらか戦車」といえばその後のラレコ氏の叩かれっぷりも半端じゃ無かった訳でして。このPLANET-Cの企画も、ニコ技全体を含めて散々に叩かれ荒らされるような形になるんじゃないかと、ちょっと不安なところはあります。

あかつきっていうと何故かナデシコを思い出す

2009-12-08 21:38:07 | 宇宙、航空系
火星でも木星でもなく、金星の話ですが。

 ■「あかつき」メッセージキャンペーン (JAXA:イベント)

小惑星探査機「はやぶさ」や月探査機「かぐや」と比べるとイマイチ地味な金星探査機PLANET-Cこと「あかつき」、来年の打ち上げを控えてJAXA探査機恒例のメッセージキャンペーンが今回も開催されている訳ですが、なんか面白い事を思いついた人がいたようで。

 ■匿名100名募集! ミク絵を金星探査機に貼りませんか? (ニコニコ技術部wiki)

参った。(笑)
まさに「この発想は無かったわ」。(笑)

そりゃ確かにJAXAのキャンペーン要綱に団体応募って項目がありましたよ。


 日本国内の100名以上の規模の団体(学校・幼稚園、企業、自治体、同好会、科学館、イベントなど)に対しては郵送でも募集します。団体申し込みでは、用紙に入る範囲でなるべく大きな字ではっきりとメッセージ等(イラスト等も可能ですが印字は白黒となります)と団体名を記載したものをA4の用紙にコピー(サイズが異なる場合にはA4サイズに縮小又は拡大コピー)し、 (以下略)


とはいえ、まさかミク絵のために即席で同好会をでっち上げるとまでは思わなかった。(笑)
しかも目標が1000人! おっきく出たなぁ。

取りあえず面白そうなんで、個人とニコ技、両方で応募してみます。
個人は本名で、ニコ技はハンドルで。(笑)

ちなみに個人でJAXAページから応募すると、一緒に「めざせ1000万人!みんなで星を見よう!」にも応募できるので、そちらもよろしければ是非どうぞ。


※2009.12.10追記

ニコ技のミク絵企画、あっという間に1000人突破したようです。
新たな目標はなんと3939人!(笑)
もうA4用紙1枚に入らないような気が。(笑)