●小惑星探査機「はやぶさ2」第1回目タッチダウン成功について (JAXAプレスリリース)
大変、大変、大変久しぶりのblog更新ですが。
以前ここではやぶさ後継を支援したりしていた関係上、やはりここにも書くべきだろうと。
はやぶさ2の着陸、サンプル採取成功の報を受けて、やっぱり思い出したのは、初代はやぶさのときのことでした。
いつ何が起こるのか、今何が起きているのか。驚きと不安と祈りと、そんなものがごっちゃになったあの頃のことを。
正直に言います。
はやぶさ2、実は余り好きじゃなかったです。
蓮舫議員はすっかりダメな人になってしまいましたが、「2番じゃダメなんですか」って言葉が、実は私は大好きです。
体育会系と理学系の人は、何でも一番を狙うんですよね。それはいいんですけど、凄く目の前の一番ばかり狙う傾向があるのが、工学系の自分には、どうしても馴染めないんです。
工学の場合、一番最初に発明した人がイノベーションを起こすとは限らないんですから。電子レンジだって特許が切れてから家庭に普及したわけだし、iPhoneなんか当時の技術の寄せ集めでしかないのに熱狂的に受け入れられた訳だし。
長期的に見て、最後に一番高い山に登った人が勝ち。
低い山に争って登っても、誰も評価してくれない。
そういう世界もあるんです。
で、はやぶさの後継機には、そういう視点を期待していました。
本当に初代はやぶさの衛星バスでいいのか。
本当に目的地はリュウグウでいいのか。
もっとじっくり考えて、見直して、より大きい成果を狙った方がいいんじゃないか。
はやぶさ2は、私には稚拙なプロジェクトという印象でした。
その思いは、アメリカのオシリス・レックスが具体化すると、さらに強くなりました。
だから、あんまり好きじゃなかったんです。
でも、いざリュウグウに近づいてくると、やっぱり気持ちも盛り上がってくるものでして。
初めて見るリュウグウはイトカワとは全く違っていて、あそこに降りるのかというわくわく感がわいてきて、あの初代はやぶさの頃を思い出すようになって。
あんまり好きじゃなかったけど、やっぱり好きだったんですよ。
悔しいけど、やっぱり気になって仕方なかったんです。
そして今日。
かつて、あれだけ不安と祈りとで押しつぶされそうになってタッチダウンを、今日、はやぶさ2は、完璧に、いとも簡単にこなしてしまいました。
そして、それを指揮し、監視し、成功にわく管制室とスタッフを見て、ようやく私の印象も変わることができました。
はやぶさ2は、稚拙なプロジェクトじゃない。
与えられた条件の中で、最大限の成果を得られるよう、充分に練りに練られた逞しいプロジェクトだ。理想のプロジェクトではなかったかも知れないけど、そんな事をものともしない、トップランナーの貫禄がある。
ようやく今日、素直に、はや2くんが好きになりました。
あと2回のタッチダウンを残していますし、うち1回は対戦車砲、じゃないインパクターを使う危険な運用になるので、まだまだ安心は出来ません。
でも、とにかく無事に帰ってきて欲しい。もうこのままあと2回パスして帰ってきちゃってもいいんじゃないかと思うくらい(笑)、無事に帰ってきて欲しいという気持ちが強いです。
はやぶさ2と、その運用チームに幸運あれ。
残りのミッションも、無事にこなしてプロジェクトが完遂できることを、期待しています。
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