ペンタックスのK10D、大人気ですね。
余りの大人気に、開発者まで引っ張りだこ。(笑)
■【インタビュー】K10D開発者に聞く(デジカメWATCH)
■躍進するペンタックスの意欲作――「K10D」の開発者に聞く(前編) (ITmedia +D)
■まずは「絵を出す」という作業が大変なんです――K10Dの開発者に聞く(前編)(ascii24)
ここまで開発関係者のインタビューがアチコチで行われるのは、デジカメとしては珍しいんじゃないでしょうか。PCだって、せいぜいマイクロソフトとインテルくらいでしょうし。
まだ実物を手に持ったこと無いカメラなので何がどう良いのかはさっぱり分からないんですが、ライターがここまで開発陣の話を聞きたがるというのは、やはり相当な出来栄えなんでしょうね。
で、この3つのインタビューからおぼろげに浮かんでくるK10Dの開発キーワードなんですが、なかなか気になる言葉が出てきますね。
・ミラーダウンの衝撃が大きいが、特に対策に金はかけていない。
・連写速度3コマはCCD等デバイスからの制約。
・ノイズ対策に苦労した。
・ADCは分解能22bit。
・CCDの基本感度はISO100。高感度(ISO3200)は実用にならなかった。
・DDR2を使用。データバスの帯域は従来比2倍。
・画像エンジンは完全新規。
・ソフトはサムスンテックウィンのメンバーが一部担当。
・ファームウェア開発にはUMLを使用。
ここから推測するに、
・ボディ、手ブレ補正はペンタックスが担当。
・CCD、画像処理エンジン等のデバイスはサムソンが設計or協力。
・デバイスの実装はペンタックスが担当。
・ファームウェアはサムソン側が画像処理を、ペンタックスが全体の制御とI/Fを担当。
という協業開発が、なんとなく透けて見えてきます。
ミラーダウンの衝撃を放っておいてあるのは、コストダウンもありますけど、恐らくはメカ系の設計をそれほど見直していないのではないかと。絶対的なサイズは変わっていますけど、K100Dから相当部分設計を流用しているんじゃないでしょうか。
CCDが今までのものと違う事、画像処理エンジンが新規開発であることははっきり言っていますが、そのためにノイズに苦しみながらもDDR2を採用するのはかなりマゾいです。(笑) 恐らくこの部分の設計はペンタックス側からは変えられなかったのではないでしょうか。ということで、この部分は社外品だろうと。ファームウェア開発に参加している位だから、恐らくサムソンが作ったんじゃないかなぁと推測する訳です。
デバイスの実装は間違いなくペンタックスですね。ノイズに苦労した話が生々しいです。(笑)
ファームウェアは恐らく半分サムソンです。こういうカスタムLSIを直接叩くようなファームウェア設計でUML使う開発というのは、日本じゃ余り聞きません。携帯くらいですかね。
今回の場合、きっとサムソン側の画像エンジン制御がJavaかC++で設計されていたので、仕方なく合わせたってのが正解なんじゃないでしょうか。
ペンタックスとサムソンの関係は、思ったより深くなっているみたいですね。
といっても、サムソンは余りカメラ本体には関わっていないようにも見えますが。
きっと、CCD周りのデバイスを売り込んで、そのサポートという形だったのでしょう。
ソニーのようにデバイスとメカを同じ会社にまとめる方法も強みになりますが、このK10Dのように、ボディに合わせてデバイスのチップセットメーカーを選択するというのも、また違った強みになりそうですね。
ちなみに作例。
■【デジカメレビュー】きょう発売のペンタックス「K10D」、性能・写りをトコトン試す
……すごっ。
日光が透けて光る雲の写真、雲の微妙なグラデーションが見事に出ています。
一見白とびしていそうな場所も、かなりギリギリまで階調を維持していますし。
なんでノイズに苦しむようなデバイスで22bitADCなんか採用するかね、とそのマゾさに半分呆れてはおりますが(笑)、この作例を見る限りは、モノとしてのまとめ方は見事としか言いようが無いです。
これは良いカメラだ……。
#でもどうせ、自分のちっこい手には持ちにくいんだろうな。
#所詮Kissと*istしか持てない手ですよー。