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不二家の販売再開。
やはりというか、Blog等を読む限りは「早すぎる」という不満を持つ人が多いように思える。
同感ではある。会社という組織内の不備から発生した、システム上起こるべくして起きた事件であるのだから、そんなに簡単に是正できるのだろうか、社風とはそんなに簡単に変わるのだろうか、という不安は私も感じる。
また、全てを「工場のせい」と、生産現場だけを悪人にしていないだろうか。
不正を見落とす管理体制、人の教育が出来ない人事体制、生産能力を考えない営業活動、そういう要素は存在しなかったのだろうか、全て検証できたのだろうか、そういう不安もある。
ただ、懲罰としての販売停止なら、もう止めた方がいいと思う。
これを以って反省を促すというのなら、体罰の肯定に近い。
企業に販売活動を行わせないというのは、人に飯を食わせないのと大して変わらない。一食二食なら懲罰の意味もあろうが、餓死寸前まで追い詰めては反省する余力すら残らなくなる。
今までの不二家のような、いい加減な食品管理は日本の中では氷山の一角だと思う。その一角である不二家を潰すのではなく、いかに再生させるか、いかに法令順守、規則遵守の体制を見につけさせるかが、試されていると私は考える。
潰してはならない、反省と再生を促すべきだ。その手法は今後も恐らく起こるであろう同様の事件に対しての処方箋として、社会の財産になるはずだろうから。
だからこそ、暫くは不二家を厳しい目で見る事は大事だし、不二家も積極的に情報を公開し、具体的な施策についても、その透明性を確保、維持しなければならない。
販売再開が早過ぎるか否かという計り方ではなく、何が原因で、何が必要で、何をして、何が未達か。そういう計り方で不二家を見て行きたいものである。
今の一番の懸念は、これでマスコミが騒がなくなって、これ幸いと何ら情報を公開しなくなる可能性か。
企業秘密は隠すとしても、製造マニュアルをwebに一部公開するとか、工場にライブカメラを置いて一日中衆目に晒すくらいの、情報公開に対する気概が欲しいものだ。