せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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あかつきについて分かったこと、分からないこと。

2010-12-29 23:35:53 | 宇宙、航空系
クリスマスと年末と最終回ラッシュに紛れて金星探査機あかつきの関心が見事に下がっている気がしないでも無い今日この頃イカがお過ごしでゲソか。いやイカ娘は置いておくとして。

金星周回軌道投入失敗からこっち、大体1週間おきぐらいでJAXAから調査経過が報告されているんですが、先日よーやく原因らしい原因の言及がありました。

 ■「あかつき」失敗原因はバルブの閉塞 JAXA報告 (日本経済新聞電子版)
 ■あかつき失敗原因断定、6年後の可能性見極めへ (YOMIURI ONLINE)
 ■あかつき失敗はエンジン弁の閉塞 宇宙機構、原因究明へ (47News)

 ■第24号科学衛星(PLANET-C)「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗に係る
  原因究明及び今後の対策について (JAXAプレスリリース)
 ※上記ページに3つPDFファイルがありますが、報道内容が載っているのは2番目の
  『「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に係る原因究明と対策について(その2)』です。

うーん……なんか今更感が。
先週の段階でみんな「逆止弁のせいじゃね?」って思っていた節もありますけどね。(笑)

ちなみに逆止弁っていうのはガスの逆流を防ぐための弁です。チェックバルブなんて呼んだりもします。
身近なところだと、自転車のタイヤのバルブとか、ビーチボールの空気入れる口とか、布団圧縮袋の空気抜く穴なんかは、構造は違いますけど一種の逆止弁ですね。

まーとにかく逆止弁犯人説がほぼ確定した訳ですが、実はまだ分かっていない事がいくつかあります。
分かったことと、分からないことを整理しときましょうか。

【分かったこと】
 ・金星周回軌道投入失敗の原因は、1個の逆止弁の不具合だった。


JAXA資料『「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に係る
原因究明と対策について(その2)』28ページより抜粋。



【まだ分からないこと】
 ・その逆止弁に何があったのか。
 ・逆噴射開始後に発生した姿勢異常の原因。
 ・現在セラミックスラスタは無事か否か。
       ↓
 ・ぜんぶひっくるめて、6年後に逆噴射可能か否か。


ってことで。
要は肝心なことはまだ何も分かって無い状態だったりします。

報道だと原因究明だから何もかも分かったような感じに受け取れますけど、んなことは無い訳でして。まだまだ解析は続きそうです。

ここから先はデータのみでは判断しづらいので、基本的に再現実験が解析のメインになります。
地上での実験スケジュールはこんな感じ。



JAXA資料『「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に係る
原因究明と対策について(その2)』32ページより。



どっちみち「あかつき」本体で実験する必要があるはずなんですが、まず地上実験で大まかな状況を掴んでから、って考えなんでしょうか。せっかく取り戻したあかつきを下手をして失うのは避けたいという、慎重さというか恐れが読み取れますね。

取りあえず逆止弁の事以外で今分かることと言えば、
今後新しいネタが出てくるとしても、来年春以降、早くて3月末、遅いと夏辺りになっちゃうって事でしょうかね。
本当に6年後が期待できるのか否か、ちゃんと分かるのはもうちょっと先になりそうです。



#で、これだけで記事が終わっちゃうとつまんないので、後日、素人なりの考察というか想像なんぞもupする予定。