SARS-CoV-2ことCOVID-19こと新型コロナウィルス、すっかり大災害の様相を呈していますけど、皆様お元気でしょうか。(時候の挨拶
このウィルスを人々が必要以上に恐れる要因の1つが「効く薬が無い」ということだと思うのですが、ようやく効きそうな薬の候補が出てきましたね。
■COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3例 (日本感染症学会)(PDFファイル)
シクレソニド、実は知りませんでした。ぜんそく治療用の吸引型ステロイド剤なんだそうで。
普通に考えたら免疫抑制に働くのでウィルス性肺炎には使っちゃいけない方の薬だと思うので、この薬に着目した経緯も気にはなりますが、その辺りは良い資料が見当たりませんでした。
先述のリンク先を読んでもらえれば分かるのですが、とにかく今回の症例報告の凄い点は、
●ちゃんとした症例報告になっている。
●(一例だけだけど)肺炎がかなり進んだ状態から回復している。
●投与を始めてから好転までがやたら早い。(2~3日で明らかな効果)
この辺りじゃないでしょうか。ホントに劇的過ぎて驚きました。
特に劇的なのは、やっぱり最初に出てくる「症例1」の女性ですよ。
症例を読んでいくと、色んな手を講じているのに、どんどん肺炎が悪化していって、これはもう厳しいんじゃないかという状態になってくるんです。「ああ、これはダメだった方の症例かな」と思ったところで、シクレソニドの投与が始まったらどんどん回復して、最後はPCR検査陰性で退院というドラマみたいなストーリー。読んでいて、少し心にくるものがありました。
このレポートの6ページでも「急速に快方に向かった印象的な症例である」と再度触れているくらいですから、治療現場でも思うところの大きかった症例のようです。
そういう劇的な例がある一方で、症例2の男性はシクレソニド投与でスクワットするほど元気になったのに(笑)、それでもまだPCR検査ではウィルス陽性が続いていたそうなので、この薬だけでウィルスの完全排除まで持っていくのは、ちょっと大変なのかも知れません。
なんにせよ、この治療で元気になった人がいることは嬉しいことですね。
今後もより多くの患者の方に適用されることを期待しています。
ところで、海外では効果アリと言われていたHIV治療薬の「ロピナビル・リトナビル」ですが……うーん、どうなんでしょうね。
■ロピナビル・リトナビルで治療した新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の症例報告 (日本感染症学会)(PDFファイル)
こちらは1例のみの報告ですが、入院20日、ロピナビル・リトナビリル投与10日でPCR陰性とのことで、一応効果があったように思えます。
ただ、劇的な効果が見えるわけではないようなので、治るというより悪化を食い止めるという感覚で使うべき薬なのかもしれません。
他方、こんな資料もあります。ちょっと古めですが。
■「COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」の公表について(厚生労働省)(PDFファイル)
3ページ目に、ロピナビル・リトナビリル投与実績が載っていますが、症例7例中、回復傾向2例、悪化傾向3例という、判断に困る微妙な成績になっています。
まだアビガンの投与実績は報告が見当たらないのでそちらにも期待ですが、余り噂も聞こえてこない感じからすると、似たようなものなのかも知れません。
何にせよ、どうもイマイチはっきりしなかった海外からの報告とは違って、はっきり分かる情報が増えてきたのは有難いことです。未知の病気に対する恐れ方が変わってきますからね。
治療方法もこれからどんどん分かってくることもあるでしょう。
重症な方、重篤な方は本当に大変でしょうが、なんとか頑張って欲しいです。
このウィルスを人々が必要以上に恐れる要因の1つが「効く薬が無い」ということだと思うのですが、ようやく効きそうな薬の候補が出てきましたね。
■COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3例 (日本感染症学会)(PDFファイル)
シクレソニド、実は知りませんでした。ぜんそく治療用の吸引型ステロイド剤なんだそうで。
普通に考えたら免疫抑制に働くのでウィルス性肺炎には使っちゃいけない方の薬だと思うので、この薬に着目した経緯も気にはなりますが、その辺りは良い資料が見当たりませんでした。
先述のリンク先を読んでもらえれば分かるのですが、とにかく今回の症例報告の凄い点は、
●ちゃんとした症例報告になっている。
●(一例だけだけど)肺炎がかなり進んだ状態から回復している。
●投与を始めてから好転までがやたら早い。(2~3日で明らかな効果)
この辺りじゃないでしょうか。ホントに劇的過ぎて驚きました。
特に劇的なのは、やっぱり最初に出てくる「症例1」の女性ですよ。
症例を読んでいくと、色んな手を講じているのに、どんどん肺炎が悪化していって、これはもう厳しいんじゃないかという状態になってくるんです。「ああ、これはダメだった方の症例かな」と思ったところで、シクレソニドの投与が始まったらどんどん回復して、最後はPCR検査陰性で退院というドラマみたいなストーリー。読んでいて、少し心にくるものがありました。
このレポートの6ページでも「急速に快方に向かった印象的な症例である」と再度触れているくらいですから、治療現場でも思うところの大きかった症例のようです。
そういう劇的な例がある一方で、症例2の男性はシクレソニド投与でスクワットするほど元気になったのに(笑)、それでもまだPCR検査ではウィルス陽性が続いていたそうなので、この薬だけでウィルスの完全排除まで持っていくのは、ちょっと大変なのかも知れません。
なんにせよ、この治療で元気になった人がいることは嬉しいことですね。
今後もより多くの患者の方に適用されることを期待しています。
ところで、海外では効果アリと言われていたHIV治療薬の「ロピナビル・リトナビル」ですが……うーん、どうなんでしょうね。
■ロピナビル・リトナビルで治療した新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の症例報告 (日本感染症学会)(PDFファイル)
こちらは1例のみの報告ですが、入院20日、ロピナビル・リトナビリル投与10日でPCR陰性とのことで、一応効果があったように思えます。
ただ、劇的な効果が見えるわけではないようなので、治るというより悪化を食い止めるという感覚で使うべき薬なのかもしれません。
他方、こんな資料もあります。ちょっと古めですが。
■「COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」の公表について(厚生労働省)(PDFファイル)
3ページ目に、ロピナビル・リトナビリル投与実績が載っていますが、症例7例中、回復傾向2例、悪化傾向3例という、判断に困る微妙な成績になっています。
まだアビガンの投与実績は報告が見当たらないのでそちらにも期待ですが、余り噂も聞こえてこない感じからすると、似たようなものなのかも知れません。
何にせよ、どうもイマイチはっきりしなかった海外からの報告とは違って、はっきり分かる情報が増えてきたのは有難いことです。未知の病気に対する恐れ方が変わってきますからね。
治療方法もこれからどんどん分かってくることもあるでしょう。
重症な方、重篤な方は本当に大変でしょうが、なんとか頑張って欲しいです。