今度は宇宙開発のあんまり良くない話。
■Matsuda Plays Down Japanese Human Spaceflight(SPACEDAILY:英語)
英語は全然ダメなので、うほmoon先生に翻訳して頂きました。
■松田は日本の人間の宇宙飛行を見くびります。
これは松田岩夫・内閣府特命担当大臣(なんだそりゃ)がアメリカで話した内容の記事らしい。
記事としては「日本は独自で有人飛行をする気が無い」という方向なんだけど、読んでみると、どうやら話はそれだけに留まらない様子。
・ロケット開発は最優先事項
・月、火星探査より地球周回衛星(商業or探査衛星)が大事
・宇宙開発は、日本の競争力を維持するための柱の1つ。
→ 少子高齢化対策や、脱石油化と同列の扱い。
どうやら、この大臣にとっての宇宙開発というのは、直接的に、社会や経済に見返りのあるものにのみ価値がある、という物らしい。
いかにも小泉内閣、財政再建途中の国の大臣の発言だと思う。税金は国民の生活のために。最低限の投資で最大限の効果を、という訳だろう。
確かにその考えにも一理あるのだが、問題は、その考えのために切り捨てられるものの重要性だ。
■「はやぶさリンク」:イオンエンジンは無事、サイエンス誌で特集(松浦晋也のL/D)
はやぶさ関係の記事だけど、読み進むと予算不足と認識不足にあえぐ現状を嘆く内容になる。
同じ松浦氏が日経BPで書いた記事がこちら。
■松浦晋也の「宇宙開発を読む」(日経BP)
既に予算はJAXAという組織を昔のまま維持できる状態に無い事が分かる。
汚く例えれば、1切れのパンを殺し合いで奪わせるような、そういう組織状況だと言えよう。一番弱い、一番味方の少ない奴から死んでゆく。JAXAなら、それが科学探査衛星や有人飛行計画という事になるのだろう。
まぁ、確かに有人飛行は国がやるべきものではないと思う。民間がやるべきだ。
しかし、科学探査、特に深宇宙探査はそうは行かない。通信のための巨大な設備、海外(特にNASA)との連携、タイムラグを持つ状態での管制。どれも特殊なノウハウが必要だし、そんなノウハウは国家機関しか持ち得ない。
確かに経済的には貢献するものは少ないかも知れない。しかし、学術的には大きな進歩をもたらし、理学研究を活性化してくれる効果がある。その見返りは遅いかもしれないが、きっと10年後、20年後に有能な人材を多数輩出という形で返ってくるはずだ。
だからこそ、現状には失望を禁じ得ない。
探査衛星は止めるべきではないと思う。
どうせ止めるなら、「きぼう」モジュールの方が先だと思うのだが。
■Matsuda Plays Down Japanese Human Spaceflight(SPACEDAILY:英語)
英語は全然ダメなので、うほmoon先生に翻訳して頂きました。
■松田は日本の人間の宇宙飛行を見くびります。
これは松田岩夫・内閣府特命担当大臣(なんだそりゃ)がアメリカで話した内容の記事らしい。
記事としては「日本は独自で有人飛行をする気が無い」という方向なんだけど、読んでみると、どうやら話はそれだけに留まらない様子。
・ロケット開発は最優先事項
・月、火星探査より地球周回衛星(商業or探査衛星)が大事
・宇宙開発は、日本の競争力を維持するための柱の1つ。
→ 少子高齢化対策や、脱石油化と同列の扱い。
どうやら、この大臣にとっての宇宙開発というのは、直接的に、社会や経済に見返りのあるものにのみ価値がある、という物らしい。
いかにも小泉内閣、財政再建途中の国の大臣の発言だと思う。税金は国民の生活のために。最低限の投資で最大限の効果を、という訳だろう。
確かにその考えにも一理あるのだが、問題は、その考えのために切り捨てられるものの重要性だ。
■「はやぶさリンク」:イオンエンジンは無事、サイエンス誌で特集(松浦晋也のL/D)
はやぶさ関係の記事だけど、読み進むと予算不足と認識不足にあえぐ現状を嘆く内容になる。
同じ松浦氏が日経BPで書いた記事がこちら。
■松浦晋也の「宇宙開発を読む」(日経BP)
既に予算はJAXAという組織を昔のまま維持できる状態に無い事が分かる。
汚く例えれば、1切れのパンを殺し合いで奪わせるような、そういう組織状況だと言えよう。一番弱い、一番味方の少ない奴から死んでゆく。JAXAなら、それが科学探査衛星や有人飛行計画という事になるのだろう。
まぁ、確かに有人飛行は国がやるべきものではないと思う。民間がやるべきだ。
しかし、科学探査、特に深宇宙探査はそうは行かない。通信のための巨大な設備、海外(特にNASA)との連携、タイムラグを持つ状態での管制。どれも特殊なノウハウが必要だし、そんなノウハウは国家機関しか持ち得ない。
確かに経済的には貢献するものは少ないかも知れない。しかし、学術的には大きな進歩をもたらし、理学研究を活性化してくれる効果がある。その見返りは遅いかもしれないが、きっと10年後、20年後に有能な人材を多数輩出という形で返ってくるはずだ。
だからこそ、現状には失望を禁じ得ない。
探査衛星は止めるべきではないと思う。
どうせ止めるなら、「きぼう」モジュールの方が先だと思うのだが。